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お義兄様とお出掛けしました

次の日、私はアリスに珍しくおめかしされて、お出掛けした。お義兄様相手だから適当で良いと私は言ったんだけど、

「何をおっしゃっていらっしゃるんですか? それでなくても、レオンハルト様は見目麗しいんですから、お嬢様も、化粧くらいしないと」

なんか訳のわからない理由でおめかしされたんですけど。まあ、私はそんなに美人でもないし、イケメンのお義兄様の横にいると、見劣りするから、化粧しろってことだろうか?

平民の格好して化粧するのもなんだかな、と思ったけれど、折角おめかししてくれるんだからと、アリスに任せた。


でも、私を見て、お義兄様が固まったのだ。


「お義兄様、やっぱり変ですよね。化粧を落としてきます」

私は慌てて、アリスの所に戻ろうとして、お義兄様に手を引かれたのだ。


「……」

お義兄様がなんか言ったけれど良く聞こえなかった。

「えっ? 何か言われましたか?」

私が聞くと、真っ赤になって

「あまりに可愛いから、驚いた」

って言われたんだけど!


これって、嫌みじゃないよね? お義兄様に可愛いなんて初めて言われた。小さいときは、お子ちゃまとか、出るところがまだ出ていないとか、散々言われていたから、貶される事にはなれていたけど、褒められたことなんてなかったから、本当に驚いた。


驚いている私を

「時間がないから行くぞ」

って、手を引っ張ってぐんぐん歩き出したお義兄様に慌ててついて行く。


「お義兄様、ちょっと早過ぎ」

私が文句を言って、

「あっ、すまん」

慌てて、謝って歩くスピードを落としてくれた。


「もう、お義兄様ったら、私が余りにも可愛くなっていたからって、何も照れなくても良いのに!」

私は冗談で言ったのだ。冗談で! 


その後、「バーカ、お前風情の女なんか、掃いて捨てるほどいるぞ!」

って頭を軽く叩かれて、注意されるかと思ったんだけど……


「まあ、そうだな」

なんて、赤くなって頷いてくれたんだけど……熱でもあるんだろうか?

私は心配して、お義兄様を見てしまった。


だって、お義兄様って、本当に女の子に人気があるのだ。見目麗しいし、イケメンだし、格好いいし……。

学園祭の時なんかに一緒に行っても、女たちが寄ってきてうるさいのなんのって無かった。


私なんか一緒にいる金魚のフン扱いだったし。当然寄ってくる女の人も美人ぞろいで、私なんて彼女達から見たら本当に地味で平凡だった。

さんざんお義兄様からもそう言われてからかわれてきたし。そんな私に可愛いって言うなんて絶対に変だ。


そうか、しばらく会わないうちにヨイショすることを覚えたんだろうか?


そうこう私が考えているうちに、お目当てのカップル限定喫茶『ヘモジ亭』に到着した。


「あれ、やっぱり列になっている」

私はがっかりした。


せっかく朝早くから来て入ろうとしたのに、アリスがお化粧をしてくれるから並ぶ羽目になってしまった。私は食べられたらそれでいいから化粧なんて良かったのに!


まあ、珍しくお義兄様が褒めてくれたから許すけど……


「ごめんなさい。お義兄様。並ぶ羽目になってしまって」

私が謝った。確か、時間のない御兄様は時間が取られるのが大嫌いなはずだった。


「いや、別に。エリと並ぶなら、構わない。それよりも最近のエリの話を聞けたら嬉しいんだが……アンドレとは上手くいっているのか?」

お義兄様が怒っていないとホッとしたら、今度は触れてほしくない話題に触れられた。

ここはまずい。お義兄様を怒らせたら下手したらこの国の存亡に関わる。

私は慌てて話題を変えることにした。


「まあ、殿下とは程々にしていますよ。

それよりも友達のシャロットが、この前帝国の詩人ハーゲッツ・ルーピンを授業でハゲツルピンって答えたのよ」

「それはないだろう」

お義兄様も思わず吹き出してくれた。やった!これで王子の事も忘れてくれたら良いのに!

と思った時だ。


「エリーゼ、何を人をだしに笑ってくれているのよ」

私はその声に驚いて後ろを見た。そこには怒髪天のクラスメイトのシャロットがいたのだ。


「えっ、シャロット、どうしたの?」

私は驚いて後ろを見ると同じクラスのミシェルと一緒にいるんだけど……


「嘘っ! あなた達付き合っていたの?」

私が驚いて聞くと


「違うわよ。ミシェルがどうしても来たいって言うから、私も食べてみたかったし一緒に来たのよ。エリーゼの方こそ、そちらはどなたなの?」

興味津々で二人は私達を見てくる。


「こちらは私の義兄のレオンハルトよ。お義兄様。こちらがクラスメイトのシャロットとミシェル」

「やあ、妹がお世話になっているね」

「こちらこそ」

「エリーゼさんにはいつもお世話になっています」

二人がいきなり、敬語モードになっているんだけど。


「エリーゼ、あなたのお兄様ということは、帝国のお貴族様なのよね」

「まあ、そうね」

私が誤魔化そうとすると


「今はテルナン伯爵位を継承させてもらっている」

お義兄様が言ってくれた。

「えっ、じゃあ、帝国の伯爵様なんですか?」

ミシェルが固まっているし、

「凄いです。帝国の伯爵様なんて初めてお話させて頂きました」

シャロットも感激していた。


「何言っているんだよ。それ言うなら、エリーゼはアルマン子爵本人だよ」

お義兄様が言ってくれるんだけど。

「えっ、エリーゼって子爵様御本人だったの」

シャロットは思わず固まっていた。

「えっ、言っていなかったっけ」

「アルマン子爵家の令嬢だとは聞いたけれど、子爵位を継いでいるなんて聞いてもいなかったわよ」

私の言葉にシャロットは驚いて言って来た。


「いや、エリはこの国の王子の婚約者なんだろう。それくらいは当然だと思うが」

お義兄様はいけしゃあしゃあと言ってくれるんだけど。


「それはそうですけれど、エリーゼさんは中々自分のことは話してくれなくて」

「そうだよね。俺にもこの国でのことを中々話してくれないんだけど」

なんか二人して盛り上がり始めたんだけど、これは良くない。


「ああ、それだったらお兄さん、エリーゼったらこの前試食用に作ったコロッケを10個も食べてしまってお腹いた起こしてましたよ」

シャロットが話さなくていいのに私の黒歴史を話してくれた。


「ああ、エリは昔から良く食べ過ぎるんだ。昔、おやつにアイスクリームが出てきて俺達兄弟の分4っつももらってお腹痛を起こしていたよ」

「お義兄様。いくら私でも、弟の分までは取っていません」

「気にするのはそこかよ」

お義兄様は言うんだけど、元々食い意地はっているのは事実だし、この二人もそれは良く知っているはずだ。でも、弟の分まで取ったって言ったら本当にどうしようもない姉じゃない! 優しいお義兄様にもらって食べたんなら判るけれど。まあ、3人の義兄には本当に良くしてもらったのだ。


私達が楽しげに話している時だ。


「ちょっと、いつまで私達を待たせるつもりなのよ」

女のキイキイ声が聞こえた。


げっ、口うるさいと有名なアナベル・ロデス伯爵令嬢だ。

彼女はいつも私に絡んでくるのだ。


「申し訳ございません。順番にお並びいただいておりまして」

店員が頭を下げていた。

「我々はこの後王宮に行かねばならないのだ。なんとかならないのか」

その横にいのはロベール・ブラスク侯爵令息だ。こいつは王子の側近でその事を鼻にかけているいけ好かない男なのだ。


王宮に行く用があるなら、こんな所に並ぶなよと私は思ったし、皆心の中で思ったのだ。


「そんなに急いでいるなら、こんな所で並んでいないでさっさと行けよ!」

私の横で大声で叫んだ奴がいたのだ。


そうだった。お義兄様は曲がったことが大嫌いだった……

私は頭を抱えたくなった。





ここまで読んで頂いてありがとうございます。

黙っていられないお義兄様。他の貴族とは絡みたくないのにエリーゼはどうする?


続きは明朝7時台に更新予定です。


私の初書籍『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! 学園生活を満喫するのに忙しいです』https://www.regina-books.com/lineup/detail/1056603/9532

リンクは各ページのこの10センチくらい下に張ってあります。表紙が出ているからすぐに判ります!

買ってね(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾




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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n7240kb/


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表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

2番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

3番人気の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/

この話の

次の作品はこちら

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://ncode.syosetu.com/n6878ix/


前の前の作品『傭兵バスターズ』元剣聖と悪役令嬢率いる傭兵団の冒険活劇https://ncode.syosetu.com/n3697jc/


この話の

前の作品はこちら

『天使な息子にこの命捧げます』https://ncode.syosetu.com/n9455ip/

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