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【3巻電子書籍発売】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
お義兄様と婚約しました

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ドレス工房のオーナーをお義兄様とお祖母様が断罪しました

お祖母様がドレス工房の人を連れて来たので、私達は慌てて、お祖母様のところに行くことにしたのだ。


「セッシーはどうするの?」

「私は帰るわ」

「えっ、もう帰るの?」

私がセッシーの言葉に慌てて聞き返した。セッシーとは三年ぶりなのだ。まだ何も話せていないのに!


「だってレオンハルト様がいらっしゃるなら、お邪魔になると思うもの」

セッシーが訳の分からない事を言うんだけど……


「えっ、別にお義兄様はいつでも会えるから気にしないで良いのよ」

私が言うと、二人で何か話しだしたんだけど……


「ほら、レオンハルト様。エリーには全然響いていないじゃないですか!」

「いや、やはりエリは鈍くてだな……」

「ちょっとそこ、聞こえているわよ。誰が鈍いのよ!」

私がムッとして言うと、


「こっちの話よ。レオンハルト様、本当にがんばってくださいね!」

「ああ、すまんな」

なんか二人で納得しているんだけど、私は全然納得できない!


「それより早く行かなくてよいの?」

セッシーに言われて

「そうだった」

私達は慌ててお祖母様のもとに向かったのだ。

お祖母様は気が短いのだ。



「エリーゼ!」

「お祖母様!」

部屋に入るなり私はお祖母様に抱き締められた。


「エリーゼ、久しぶりだね。大きくなって」

お祖母様は私を慈愛のこもった目で見てくれた。

「お祖母様もお元気そうで」

私がそう言うと、


「まあ、年だけどね。何とかやっているよ。お前も今回は色々大変だったね」

「ごめんね。お祖母様。いろいろと失敗してしまって」

私が謝ると、


「今回の件は本当にサンタルの奴らが悪いよ。お前は何も悪くない」

私の横でお義兄様がウンウン頷いているんだけど。


「そもそもレオンハルト殿下がついていながら、この様になるなんておかしくないですか?」

お祖母様がお義兄様に文句を言うんだけれど……


「申し訳ありません。お義祖母様」

お義兄様はお祖母様に謝りだした。


「まあ、あなたには今回の件は良かったかもしれないけれど、婚約破棄されてエリーゼは傷物になったのですよ」

お祖母様が言い出した。


「全責任は私が取らせて頂きますので」

「私はあなたを信頼していますからね」

「お任せ下さい」

ちょっとそこの二人、何を私のわからない話をしているのよ。

私がムッとして二人を見ると、


「エリーゼ。殿下の仰ることをきちんと聞くのですよ。殿下に全てお任せしておけば、何も問題はありませんからね」

「でも、お祖母様。お義兄様にはお義兄様のご都合もお有りでしょうから」

私はいつまでもお義兄様の世話になるのは良くないと暗に言ったのだが、


「殿下。孫はまだこの様に申しておりますが……」

「お義祖母様、もうしばしお待ち下さい。必ず納得させますから」

「よろしくお願いしますね」

この二人は一体何の話をしているんだろう?

いい加減に聞きたくなってきた私だが、その前に、お祖母様の横にいるドレス工房『リエド』のオーナーが目に入ってきた。


「そうだった」

お祖母様は私の視線を見て気付いたようだった。


「実は、私が使っているドレス工房の『リエド』のオーナーが、サンタル王国でそそうをしたから謝りたいって言って来たから連れてきたんだけれど……」

「エリーゼ様。この度はサンタル店の者が大変失礼したと娘から連絡がありまして、誠に申し訳ありませんでした」

後ろにいた、リエドのオーナーが謝ってきた。

でも、すぐに顔を上げてくれたんだけど……

謝る気があるんだろうか?

それに謝るところはそこじゃない!


「なんでも、新しく雇った店の者がエリーゼの顔も知らずに色々と失態をしでかしたって聞いたんだけれど、まあ、エリーゼの怒るのも無理はないけれど、新人のやった事だったら許してやっても良いんじゃないかと……」

お祖母様が言ってくれるが、私もお祖母様の顔を立てたいところだけど、許せない事もある。


「新人ですか? 確かに新人はお義兄様の事を知りませんでしたけれど」

「そうだな。俺の事は知らなかった」

「申し訳ありません」

今度は青くなってオーナーはお義兄様に謝っていた。私と違ってお義兄様を知らないのはまずいと思ったんだろう。


「でも、俺がお前の店を二度と使わないと決めたのはそこじゃない」

「えっ」

オーナーはお義兄様からはっきりと二度と使わないと聞いて、目を見開いていた。そこまで考えていなかったようだ。


「お前の所の娘がエリーに対して許せないことをしたからだ」

「はい。娘様からは一見様はお断りだとはっきり言われました」

私はオーナーを見てはっきりと言ってやったのだ。

「えっ」

私の言葉にオーナーが固まった。ちゃんと聞いていなかったみたいだ。


「何だって、リエド、話が違うじゃないか。お前の娘は私の孫の顔も知らないのかい」

お祖母様が怒り出した。

「いえ、公爵夫人様、娘は勘違いをしていたんだと」

苦しい言い訳をオーナーは始めたんだけど、


「それに私よりもサンタルの公爵令嬢の方が大切だとはっきりと仰っていらっしゃいましたけれど」

「な、何だって!お前の所は辺境の公爵家の方が我が家よりも大切だと言うんだね」

お祖母様が完全に切れた瞬間だった。

「いえ、そのような事は決してございません」

マダムも必死に言い訳しようとしてきたが、


「エリは当時、サンタルの王子と婚約していたのだぞ。その王子が公爵令嬢の服をその店に頼んできたら普通は断るのが筋ではないのか」

お義兄様が当然の事を指摘したのだ。


「な、何だって、リエド! お前の所はそんなことまでしてくれたのかい。我が可愛い孫娘の婚約者の浮気相手の衣装を作るなんてどういう事だい」

「いえ、公爵夫人、それは何かの手違いで」

「手違いも何もないだろう! そんな事をするなどもう二度とお前の所とは付き合わないから」

「そんな、公爵夫人様。そこを何とか」

「ふんっ、最近クラパレード公爵家にも出入りしているそうじゃないか。向こうは可愛い娘がいるんだろう。我が家はこんな婆しかいないから、今後はそちらに贔屓にしてもらえば良いだろう」

「そ、そんな、あそこの令嬢は謹慎処分を受けたところで」

「そんな事は知ったことじゃないわ」

お祖母様の言葉にオーナーは蒼白になって何度も頭を下げていたが、お祖母様はオーナーが土下座しても許すことはなかったのだ。



ここまで読んで頂いて有難うございます。

次はお義兄様とのデート? です。果たして二人は甘い感じになるのか?

今夜をお楽しみに!

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n7240kb/


この話の

次の作品はこちら

『婚約破棄されたので下剋上することにしました』https://ncode.syosetu.com/n0747ju/


この話が電子書籍化されました

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

この話のスピンオフはこちら


『【なろう500万字達成記念】知らない男から婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの学園を止めさせると叫びだしたんだけど』
https://ncode.syosetu.com/n3697jc/



私の最新作はこちら

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://ncode.syosetu.com/n7673jn/


アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

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2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

2番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

3番人気の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/

この話の

次の作品はこちら

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://ncode.syosetu.com/n6878ix/


前の前の作品『傭兵バスターズ』元剣聖と悪役令嬢率いる傭兵団の冒険活劇https://ncode.syosetu.com/n3697jc/


この話の

前の作品はこちら

『天使な息子にこの命捧げます』https://ncode.syosetu.com/n9455ip/

― 新着の感想 ―
[一言] エリーさんの鈍さはたまに、後ろからどつきたくなりますね!てかむしろ誰かどついてよいのでは?と思ってしまいました!
[一言] 新人がやってもオーダーメイドで依頼したはずのものを引き渡さないのだけでそうとうヤバいんだよな ほかの部分は言ってしまえばただ高慢チキなだけなんだけど、あれはなー システム的にはほかの支店で手…
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