変態叔父をお義兄様が退治してくれました
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「お義兄様、叔父様が執事さんの言う通りの変質者かどうか、私も一緒に確認するわ」
私はお義兄様にそう宣言したのだ。
「しかし、エリ……」
お義兄様は反対しようとしたが、
「お義兄様なら当然、私も守ってくれるわよね」
私が上目遣いでそう言うと、
「それは確実に守るが、何もエリ自身が危険な目に合う必要はないだろう」
お義兄様の反対トーンが目に見えて下がった。
「何言っているのよ。お義兄様。ここの当主は私よ。その私の代行が変なことしていたら私の責任になるんだから、当然私も確認する必要はあるわよ」
私は強引にそう言うとお義兄様と一緒にクローゼットの中に潜り込むことにしたのだ。
私はそのまま寝間着のまま入ろうとしたのだが、
「何考えているんだ。エリ。着替えろ」
お義兄様が焦って注意してきたんだけど、
「ええええ! 着替えるのが面倒。良いじゃない。お義兄様しかいないんだから」
私はお義兄様に言い放ったのだ。
元々小さい時はお義兄様にお風呂に入れてもらったこともあるし、そもそも、さっきお義兄様にこのスケスケ寝間着は全て見られたし、もう失うものなど何も無いのだ。
どのみちお義兄様は私を女と見ていないんだし……そう考えると少しむっとした。
そもそもアリスにお子ちゃまと言われて反発してこの寝間着にしたのだ。
お子ちゃまかどうかお義兄様で確かめてやるんだからと私は密かに思ったのだ。
私がそのままクローゼットの中に入ろうとしたら、
「エリ、頼むからちゃんとした服着てくれ。いくら兄とはいえ、そんな格好していたら襲うぞ」
「へええ! じゃあお義兄様は叔父様と同じ変態だって言うの?」
私はお義兄様を軽蔑した様に見た。
お義兄様はとても傷ついたような態度をとるんだけど……
「いや、エリ、あのだな。男の生理的欲求を考えてると」
お義兄様が必死に言い訳しているんだけど、
「やっぱりお義兄様も変態なんだ」
私の言葉にお義兄様はショックを受けたみたいだったが、その後、頭を押さえて少し考えていたが、私の布団から毛布を取って私に渡したのだ。
「それでも巻き付けておけ」
ムッとした様子のお義兄様に言われたんだけど……
あんまりお義兄様に逆らうと後が煩いし、仕方が無い。私は毛布を巻くことにしたのだ。
お義兄様も少しは私を女として見てくれたんだろうか?
そう思いつつ、クローゼットの中に入った。
お義兄様は魔術で私のスケスケ寝間着のダミーを作るんだけど、それって、本当に恥ずかしい格好だった。自分が今までお義兄様の前でその恰好でいたのかと思うといくら兄とはいえ、恥ずかしかった。
お義兄様が毛布をくれた気持ちも良く判ったのだ。
そのダミーの胸が心持ち大きかったような気がしたんだが、お義兄様が私の思いを気遣って大きくしてくれたのか、それともお義兄様の希望を入れたのか定かでなかったけど、なんかとてもリアリティがあって私に似ていた。その私をお義兄様が作り出したかと思うと、誇らしいような、厭らしいような変な気分だ。まあ、魔術では到底お義兄様には勝てないからどれだけ凄いかは判らなかったが、ぱっと見はどう見ても、胸の大きいところ以外は私そのものだった。
お義兄様が私のダミーを布団の中に入れてから、クローゼットの中の私の隣に来て、扉を閉めてくれた。
中が暗くなるけれど、お義兄様の隣だから全然怖くない……はずだ。
お義兄様が黙っているんだけど。何か寂しい。
私はお義兄様にくっつきにいった。
「えっ、エリ」
お義兄様は驚いたみたいだったけれど、私はお構いなしにもう少し体を寄せた。
「寒いのか」
お義兄様が心配して聞いて来た。
私が頷くと
「そんな恰好で来るから」
文句を言いつつ、後ろからお義兄様が手を回して私を包んでくれた。
お義兄様はいつも優しいし、暖かいのだ。
「昔、お義兄様と隠れた時みたい」
兄弟で隠れん坊した時、私が暗い中は怖いと言ったら、お義兄様がぎゅっと抱き締めてくれたことを思い出したのだ。
「あの時は、エリが寝るから俺もずうーっとエリと一緒にいたら、俺達が行方不明だって大騒ぎになったんだったな」
「そうだっけ?」
そこは私はそんなに良く覚えていなかった。
「そうだ。親父に後でひどく怒られた記憶がある」
お義兄様がポツリと言ってくれた。
「私はお義兄様の腕の中で良くお昼寝してたもんね」
「お前は最初からだ。俺に馬になれって言っておきながら俺の上ですやすやと寝てくれたのには参ったよ」
「あの時は疲れていたのよ。それにお義兄様の腕の中は、暖かくて安心して寝れるんだもの」
私はこの温かい腕の中でお父さまが死んだことを忘れたのだ。
お母様が死んだ時は泣いていたらお義兄様が私の布団で一緒に寝てくれた。
今もこの腕の中にいると思うと本当にホッとする。
思わず眠くなってきた。
「お義兄様、無理して私の所に来てくれて有難う」
私はお義兄様にもたれかかりながらボソッと呟いた。
「昔約束したろう。一生涯お前を守るって」
「有難う。でも、なんか、それは結婚の申込みみたいだね」
私はうつらうつらしながら呟いていた。
「俺はそのつもりだったんだけどな」
なんかお義兄様が言っていたが私はよく聞こえなかったのだ。
私は夢を見ていた。
お義兄様の腕の中で寝てしまったのだ。
お義兄様は私をベッドに運んでくれた。
そして、少し経った時だ。
暖炉の奥から真っ黒な格好をした叔父様が現れたのだ。
叔父様の目は異様に光っていた。
嘘、これが叔父様の正体なの! 私は唖然とした。
叔父はニタニタしながら舌なめずりして近づいてきたのだ。
そして、私の布団を剥いだのだ。
中からはスケスケ下着を着た私が現れた。
「エリーゼ、俺の渡したこの寝間着を着てくれたんだね」
叔父様はそうつぶやくと、私の体を爬虫類のような目で睨めつけてくれた。
嘘、この寝間着、叔父様がわざと入れたの? それを私は着てしまったのだ。なんて事だ。じゃあ私の下着とか寝間着を取ったのは叔父様って事?
私がその考えに混乱している間に、叔父様は、手を私の胸に伸ばしてきたのだ。
「キャーーーー」
私は自分の悲鳴ではっと起きた。
「な、なんでエリーゼの悲鳴が後ろから聞こえるんだ」
叔父様が下ひた笑いをしながらこちらをみた。その目は濁ってギラギラ光っていた。
「このゲス野郎」
その時だ。お兄様がそう叫ぶとクローゼットの中から飛び出してくれたのだ。
一瞬のことだった。
「喰らえ」
「グゥォッ」
お義兄様の渾身のパンチを顔面に受けた叔父様はそのまま窓ガラスを割って外に飛んでいったのだ。
「大丈夫ですか」
外の扉を蹴破って騎士たちが飛び込もうとして、
「来るな!」
お義兄様の声が部屋の中に響いた。
私はショックのあまりスケスケ寝巻のまま思わず立ち上がっていたのだ。
騎士達に見られるわけにはいかない。私は慌てて毛布を拾って自分に巻いた。
「犯人は外だ。すぐに取り押さえろ」
お義兄様はそう指示すると私の所に歩いて来てくれた。
私は優しそうな叔父様の本性を知って驚愕していた。こんなふうに襲われそうになったのは初めてだった。まあ、叔父様が襲おうとしたのは私のダミーだったけれど……
「大丈夫だ、エリ」
毛布の上からお義兄様が私を抱き締めてくれた。
お義兄様はとても暖かかった。
私はそのお義兄様にぎゅっとしがみついたのだ。
ここまで読んでいただいて有難うございました。
変態叔父様ざまー編でした。
ざまー編はまだ続きます
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