子爵家養子視点 せっかく継げると思っていた子爵家に脳天気な女がやってきました。公爵家の令嬢から慰み者にすれば子爵位を継がしてあげると言われたので襲うことにしました
俺はバジル・アルナス。元々はアルナス子爵家の遠縁に当たる男爵家の2男だ。10歳の時にこの子爵家に養子に貰われてきた。この子爵家の唯一の跡取りのお嬢様が帝国の貴族と結婚したとのことで、子爵家の後継ぎがいないので俺に白矢が立ったのだ。
俺はラッキーだと思った。
確かに子爵夫妻はいろいろと煩かったが、平民に落ちることを思えば、全然ましだ。
実家の男爵家よりも爵位も上がるのだ。俺はめちゃくちゃラッキーだと思った。
子爵が亡くなった時に、ついにこれで俺も子爵になれると喜んだのだ。
ついに我が世の春が来たと……
でも蓋をあけるといきなりお嬢様の娘が帰ってきて、子爵位をついでくれた。
俺はそれを言いに来た子爵夫人を呆然と見ていた。
「まあ、お前も良くここまで我慢してくれたね。エリーゼが来ても今まで通りここで雇ってあげるから、今まで以上に働きな。そうすればエリーゼが殿下と結婚したらお前がこの子爵家を継げるようにしてあげるよ」
俺はそんな事は聞いていなかった。子爵が死ねば俺が継げると思っていたのだ。
そのために煩い子爵と子爵夫人の言うことも我慢して聞いてやったのだ。
それが新たな小娘が来て俺が継ぐ予定だった子爵になって、そいつが俺にまた無理難題を押し付けるだと!
俺にまた何年も我慢しろというのか?
もう、俺には耐えられなかった。
俺は子爵夫人の婆さんに毒を盛ることにしたのだ。
徐々に動けなくなるように。
最後は眠るように死んでくれた。
婆さんの飼っていた猫を使った実験と同じ結果だった。
これで新たにくる女も処分してやろうと俺は思ったのだ。
しかし、新たに来た女はとても若い女だった。
そしてとても気立ての良さそうな、女だったのだ。
まあ胸は無かったが、顔は俺の好みだった。
俺を叔父様と立ててくれるところも気に入った。
ただ、この女は王子の婚約者だった。
流石に王子の婚約者を襲うわけにもいかない。
俺は我慢しようとしたのだ。
でも、何故かその女エリーゼは王子に相手にされていないみたいだった。こんなに素直で良い子なのになんでだろう? まあでも、その方が俺にとって都合がいいが……
王子がこの女、エリーゼを振ってくれれば、エリーゼを俺のものにできる!
俺はそれを期待したのだ。
エリーゼと一緒に来た、騎士のセドリックとかいういけ好かない野郎と侍女の年増のアリスは頭の回転がエリーゼと一緒で鈍そうだった。
エリーゼはどうやら俺のことを良いおじさんだと思っているみたいだし。
この二人もそう思っているみたいだ。俺が二人の裏をかいて、エリーゼを襲うことなど容易いだろう。
そう、何もわざわざしなくても、二人にはエリーゼと内密の話があるから二人きりにして欲しいと言えば従ってくれるかもしれない。
それほどの能天気さだ。
そして、強引にでもエリーゼをものにしてしまえば、二人も今更どうしようも出来まい。エリーゼも無駄なあがきを止めるだろう。
そして、エリーゼと俺が結婚すれば俺が子爵家の当主になったも同然だ。
そう考えつつあった時だ。俺は公爵家の娘のセリーヌから密かに呼び出しを受けたのだ。
「あなたも大変ね。エリーゼなんて小娘に子爵位を取られて」
セリーヌは笑っていってくれた。
お前も小娘だけどなと余程言いたかったが、ここは我慢した。
なぜなら小娘の提案はとても魅力的なものだったからだ。
小娘は俺に依頼してきたのだ。
エリーゼを襲って傷物にして欲しいと。そして、王子と婚約破棄になった暁には俺を子爵家の当主にしてくれると。
俺の欲望を満たせて、なおかつ子爵家の当主の座が棚からぼた餅のように落ちてくるのだ。
これほど俺にとって都合の良い提案はなかった。
俺は小娘と手を組むことにしたのだ。
そして、早速実行しようとした。
しかしだ。俺が実行に移そうと画策し始めたら、突然エリーゼがこの屋敷を出ていってしまったのだ。
俺はじたんだ踏んで悔しがった。
俺の欲望の籠もった目を悟られたのだろうか?
でも、あの脳天気なエリーゼに悟られたとは到底思えなかった。
なら、あの鈍そうな騎士や侍女に悟られたかと言うと決してそんなことはないはずだ。
俺はエリーゼに逃げられて忸怩たる気分だった。
誰かがエリーゼにバラしてくれたのか? 執事は俺に偶に不躾な視線を向けてくるが、こいつは昔からだ。まあ首にしてもよいのだが、こいつは有能なのだ。
領内の仕事も結構しており、首にしたら邸内のみならず、領内も回らなくなる。
まあしかし、エリーゼがいなくなって子爵家は実質的には俺が好きにできるようになった。
俺は取り敢えずそれで良しとすべきだと思ったのだ。
いつかまた機会はあるだろうと。
そう思って3年。諦めかけた今日、やっとその時が来た。
3年ぶりにエリーゼが我が子爵家のタウンハウスに帰ってきたのだ。
俺が目を見張ったことに、エリーゼはこの3年間で更にきれいになっていた。
そして、相も変わらず俺を信頼しているのだ。俺は嬉しくなった。そして、俺を信頼しているエリーゼが少しかわいそうになった。
まあ、泣き叫ぶエリーゼを犯すのも一興だ。後で俺の良さをじっくりと教えてやればよい。
エリーゼはいけ好かない騎士を連れてきていたが、こいつも頭は単純そうだ。もっともこいつは不躾に俺を睨んでくるが。エリーゼよりも偉そうだ。エリーゼがお義兄様と呼んでいるが、帝国の親戚か何かだろう。エリーゼも俺のことを叔父様と呼んでくれるし。
しかし、俺もこの男もそんなに年齢は変わらないはずだ。この不遜な男がお義兄様で俺が叔父様というのも気に入らないが……
なあに、最悪騎士たちは眠らせればよいのだ。
このお義兄様を縛った目の前でエリーゼを犯してやっても良いだろう。
俺はほくそ笑んだのだ。
貴様の想い人を目の前で俺が穢してやるのだ。
これほどゾクゾクすることはなかった。
俺は深夜になるのがとても楽しみだった。
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
叔父様は実は鬼畜な下衆でした。
エリーゼの運命やいかに?
続きは今夜です。
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