古代竜(火竜)の嘆き 危うく殺されるところだったので新大陸に逃げることにしました
この話の一番最初のお義兄様と竜退治はこの電子書籍の第一巻
『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』に書き下ろし2万字超の物語で収録されています。
よろしければそちらをお読み下さい。リンクははるか下におだやか先生の素晴らしい表紙絵と一緒に貼っています。
俺は古代竜、古よりこの大陸の王者だ。
水の中には水竜がおるが、地上と空中は俺様が王者なのだ。
しかし、数百年前に帝国の皇帝とかいう野蛮な暴れ者のせいで、俺様は巣から追い出された。
なあに、まともに戦えば勝てたのだが、その野蛮人はしつこいのだ。俺様が追い払っても追い払ってもやって来て俺様はおちおち昼寝もできなくなった。
仕方無しに、俺様は巣から出てやったのだ。
数百年経って帰ってきたら、流石にその野蛮人はもういなかった。
俺様は安心して昼寝していると、また外が煩い。
そこにはあの野蛮人とそっくりな男がいたのだ。
俺様は驚いた。
いやいや人間で何百年も生きられるものはいないはずだ。
こいつはその子孫か何かか?
俺様はうんざりした。せっかくあの野蛮人がいなくなったと思って帰ってきたのに、また、おんなじような奴が来たのだ。人間どもは暇なのか?
ムカついた俺はその野蛮人を地面に叩きつけてやったのだ。
これでいいだろう。残りの奴らは逃げ去るだろうと俺は思ったのが間違いだった。
その瞬間だ! 俺様は寒気がしたのだ。
何故かダンジョンの中の温度が急激に下がった。
そして、そこには見たこともない、恐ろしい女の気配を感じた。
俺の本能が俺様に訴えていた。
こいつには逆らってはいけないと。
俺は慌てて、尻尾を巻いて逃げ出したのだ。
北方に逃げ帰るとそこには見たこともない古代竜のメスがいたのだ。
この大陸には俺しかいないと思っていのに、こんなところに仲間がいたとは……。
俺はその古代竜のメスの赤い魅惑的な瞳に釣られて、その後について行った。
俺はその後、そのメスといっしよにラブラブの生活を送っていた。
子供も生まれてこれほど嬉しいことはなかった。
しかし、神は俺に対してとても冷たかった。
なんと俺のメスがあの女を連れて帰ってきたのだ。
女は成長していたが、魔力量の大きさが半端ではなかった。
ギャーーーー
俺は心のなかで悲鳴をあげた。
なんでよりにもよって、この史上最悪最強の女を連れて返ってくる?
こいつに比べれば王国の山姥のほうが遥かにましだ。
女は来るなりいきなり宝玉をぶっ壊してくれた。
まあ、命を取られるよりましだ。
俺には妻と息子がいるのだ。
俺はこの女に頭を下げて仕えるしかなかった。
女は尊大にも俺様に野蛮人のところに送れと命じてくれた。
俺様古代竜様に対してだ。
「ギャオーーーー(判りました)」
でも、俺様の口から出たのは嬉々として従う咆哮だった。
面倒くさいので、野蛮人がすぐにやってくるナンジンの街に女を案内してやった。
「どこにお義兄様がいるのよ?」
女はムッとしてくれた。
「ギャオーーーー(すぐ来るから)」
俺様は青くなって言い訳した。女を下手に怒らせるとこの街が地上から消滅する。
仕方無しに、俺様は女の気を引くためにナンジンの城門を壊してやったのだ。
「ギャオちゃん、もっとよ、もっと攻撃して」
この女は破壊狂らしい。博愛を信じる俺様とは到底相容れないと思いつつ、仕方無しに俺様は攻撃し続けた。
人間の作った建物は面白いほど簡単に壊れた。
不遜にも俺様に剣を向けた人間どもは火炎放射で成敗した。
でも、そんな時だ。王国の山姥のような女が現れて、恐ろしい女を連れ去ってくれたのだ。
俺はその時に子供のいる巣に逃げ帰ればよかった。
ただ、俺は壊すのに夢中になってしまっていたのだ。
何事にも、やりだしたら止まらなくなる俺様の血がなせる技だった。
野蛮人と一緒にナンジンの街が灰燼と化すまで暴れてしまったのだ。
俺様はいつのまにか気づいたら野蛮人とその馬を乗せて、女が拐われた王都に向かっていた。
女なんて放っておいても、あの山姥似の婆さんは手も足も出ない筈だ。
俺様はなんであの女が連れ去られたのか理解できなかった。
力加減から言って山姥があの女に勝てるわけはないのだ。
現地についたら何故かあの女が縛られていた。
これはなにかの罠なのか?
俺は遠くに必死に逃げていく水竜の魔力を感じた。
それはそうだろう。
俺もこの女の前からすぐに逃げたい。
でも、女の手前、逃げられないのだ。
野蛮人は頑張って女を助けようとしたが、疲れ切っているみたいだった。
いつもの切れがない。
そして、野蛮人が倒れた時だ。
俺は怖気を感じたのだ。
やばい!
この感じは殺される。
俺は一目散に逃げ出したのだ。
全力で!
いまだかつて、あれほど早く飛んだことはなかった。
ピカっ
しかし、世界を閃光が覆ったのだ。
死の光だ。
やばい、間に合わないかも……
ズドーーーーーーーーン
次の瞬間凄まじい爆発に俺様は巻き込まれて吹っ飛ばされていた。
爆発が終わった後にぼろぼろになった俺様はなんとか愛する妻と息子のいる洞窟に戻ってきた。
もういやだ! このままここにいればまたいつ何時あの女に酷い目に遭わされるか判らない。
俺様は愛する妻と子とともに新大陸に向かうことにした。
今度こそ、静かに暮らすために。
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
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「お前との婚約を破棄する」
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ぜひともお楽しみ下さい。
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