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先生は私のオタク  作者: りも
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REC 1 - プロローグ -

「見てくれてありがとう、また次回会おうね、おつかれさま」


そう言うと画面に映っているVTuber___深井 海 は配信を閉じた。VTuberとはここ数年にインターネットで流行っているコンテンツで、2Dや3Dでイラストをアニメーションさせて活動している人のことである。そんなVTuberである深井は、活動を初めてから1ヶ月の新人VTuberである。ふわっとした白のロングヘア、瞬きする度にキラキラとする深海のように吸い込まれる瞳、自らデザインした青を基調とした衣装を着こなす容姿からは想像することができない、奇想天外な過去エピソードや豊富な語彙力による雑談が人気である。チャンネル登録者数こそ多くないが、毎回の配信で初めから終わりまで見てくれるような熱心なファンが徐々に増え始めていた。


「ふぅ〜...お風呂入るかな〜」


電源を切り暗くなった画面を眺めて呟くのは深井ではなく、VTuberの“中の人”である____景野 忍であった。先程までの落ち着いた大人の深井の声とは全く違う、高校生という年相応の声が部屋に響く。なにも偽って活動をしているわけではない、VTuberは何にでもなれるのである。男性が女性になるし、その逆も然り。種族が変わることもある。そんな中で景野が年齢や声を偽る理由はたった一つ。リアルの世界での身バレを防ぐため、それだけだった。


風呂に入りながら、大切なことを思い出す。それは明日から始まる新学期だった。これといって焦ることでは無いけれど、クラス替えがあるからか胸が高鳴る。新学期と同時に2年生になる景野は、去年のことを振り返る。1年生のころは必死にバイトをして、元々貯金していたお金と合わせて、やっとVTuberのモデルを手に入れた。そんな生活だったからか、人付き合いが中々上手くいかなかった。今年は友達を、しっかり、つくろう。そう心に決めた景野は、風呂を出て、寝床についた。

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