鋭い目の女性
スマホの方にも読みやすくするために工夫しました!
それでも読みにくかければ、誤字報告でどんどん言ってください。
頼みます!
間違いない……あの者。
もしかしたら……もしかするかも……
7惑星のパイオニアの……1人に。
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「ソレジャオマエは、ホカのホシからキタ、
ワシらニトッテ、イセイジンというコトだな」
そういうことに……なるのか。
「……ってか、信じてくれるのか!?」
「アア、シンジテしまうノモ、シカタナイことダ。
アンナにナミハズれたチカラをヒメテいるんだ」
並外れた力……
「他のその……ヒューマー?
よりも力を持ってるってことか?」
「ソウダ。ワカリヤスクいうと、ツウジョーの
ヒューマーのチカラが10、
剣魔生のチカラが50だとすると、
オマエのチカラは100だ」
「け、けんませえ?」
「剣術魔法専門学校、訳して剣魔専ね。それに入ってるヒューマーは剣魔生って呼ぶの」
カイアさんが説明してくれた。
俺が……100……
「そ、そうなのか」
「なら、試してみるか?」
突然ハッキリとした大人らしい声が聞こえた。
「じょ、上官……」
上官……カイアさんの上官なのか?
扉の方を見ると、
ロングヘアーで白黒の服を着た女性が立っていた。
なかなか鋭い目だ。ちょっと怖い。
そして片手にはあまり目立たない色の剣を持っている。
「耳が長い貴方、こっちに来なさい」
「え?」
いきなりこっちに来いと指令してきた。
「何をしているの、早く来なさい」
ものすごい命令してくる。
初対面の人にそこまで言うか……?
思わずカイアさんの方を見る。
するとカイアさんは、俯いて、不安気な顔をしていた。
どうしたのだろうか。
するとまたポケットが熱くなった。
確認しなくてもわかる。
あのアクセサリーが光ってるんだ。
俺は行くことを決意した。
アクセサリーが光っているのなら、
何かあるんじゃないかと思ったからだ。
俺は足を動かし、あの女性の元へと向かう。
「……お前、ヒューマーってなんだか知ってるか?」
「え……」
突然問いかけてきた。
ヒューマー……そういえばずっと分からなかった。
その言葉の意味。
「わ、分からないです……すみません」
反射的に謝ってしまった。
「ほう」
鋭い目の女性は俺を下から上へと見て、
何か納得したようだ。
「私についてこい」
ついてこい……?
「な、なんで……」
「理由は着いてから話す。とりあえずついてこい」
「は、はぁ……」
何かを見切ったのか、女性は俺についてこいと言った。
女性は扉の敷居に立って言った。
「カイア、貴女も来なさい」
「え? 私……」
「いいから」
「……はい」
なんだろうか。
あまり良くない空気が流れている気がする。
どんな関係なのだろうか。
女性は扉から出て右へ行ってしまった。
「ほら、行くよ」
カイアさんが俺より前に来て言った。
腰に喋る剣を差している。
顔は不安気そうなままだ。
鋭い目の女性についていくカイアさんに続いて歩く。
俺も不安だ。
いきなり知らない人についてこいと言われたんだ。
ちょっと怖い人に。
カイアさんに続いて俺も扉から廊下に出る。
廊下に出て左に進む2人についていく。
ここからは初めて通る。
初めて通る廊下の構成は、至ってさっきまで通っていた通路と変わらない。
片側に窓、もう片側には扉が連なっている。
そのまま進む。すると、2階の廊下の突き当たりには
あったはずのモバデバは無かった。
鋭い目の女性、カイアさんと続いて、
俺も突き当たりを曲がる。
目には、左に奥まで続く窓、右には扉が奥まで続いていた。
一見変わらない通路だと思いきや、連なる扉に混じって⦅両開きの扉⦆が1つあった。
少し先を歩いていた鋭い目の女性は、
その両開きの扉の前で止まった。
そして自動で両開きの扉が開いた。
ウィーン
「こっちだ」
そう言って扉を潜った。
カイアさんも続いて扉を潜る。
俺も扉に向かい、扉の前に立つ。
すると扉の向こうには、大きな建物が見えた。
どのくらいだろうか。今立っている所から100m以上は
離れていて、オシャレな体育館のような形をしている。
扉を潜りきって外に出る。
フ〜〜〜
風を感じた。
前髪が微かに揺れる。
いつも感じていた風と何か違うような気がした。
手を少し横に広げる。
「ふぅ」
その風はなんというか、
肌に当たってもあまり気にならなくて、優しい風だった。
むしろ当たっていた方が心地良い気がした。
目をつぶって当たっていると
「何してんのー! 早く来てー!」
目を開けると、鋭い目の女性とカイアさんが
こっちを見ていた。
2人はもう大分奥に進んでいた。
俺も再び、2段の階段を降りて、足を前に進ませる。
この階段から奥の体育館のような建物の入口には、
一本道で繋がっている。
その一本道にそって入口に向かう。
「はあ! はあ! はあ!」
右から気迫のある声が聞こえる。
右を向くと、剣を振るっている人達がいた。
何やら、屋外の闘技場のような所で鍛錬をしているように見えた。
そしてこの施設を囲っている鉄柵の奥には、さっき起きた時に見た中世風の建物が、並んでいた。
まさかこんなファンタジーの世界のような建物をリアルに見れるなんてな。
なぜ起床時、初めて見たのに驚かなかったのだろう
そう思いながら、次に左を向く。左も同じような
中世風の建物が並んでいる。
そして、こっち側でも武器を使って鍛錬を行っている
人達が居た。
だが、扱っている武器が違うようだ。
弓のような武器を姿勢よく構えている。
だが、あの人達が構えている弓には、
⦅矢がセットされていない⦆
普通なら弓の弦に、矢をセットして引っ張り、
離すと飛ぶという仕組みのはずだが……
どうやって飛ばすのかと、左を見ながら一本道を進む。
すると
「……わぁ」
スパッ
驚きの方法で飛ばしていた。
矢の無い状態で弦を伸ばすのを見ていたら、
伸ばした状態で静止していたら、弦と弓幹の間に、
⦅青い光の粒⦆が出来てきた。
やがてその光の粒は、纏まって矢の形になった。
そして50mはあるであろう的に向けて、
その光の矢を放った。
ものすごい速さで的に向かって飛んでいく。
その光の矢は的の中央より少し右に当たっていた。
「凄ぇ……」
左を見ながら歩いていると、体育館のような建物の入口についた。
入口の横に建物の名称看板が貼り付けてあった。
その看板は日本語で記されていた。
⦅剣術魔法修練場⦆と書いてある。
この世界に来て初めて読む日本語だ。
「……なんでここ……」
カイアさんが喋り出す。
鋭い目の女性は一瞬立ち止まって体育館の扉の潜る。
もちろん自動だ。
続いてカイアさん、俺と続いて扉をくぐる。
修練場の中はかなり広かった。
全体を見渡す。
大体だが、縦に60m、横に80mくらいだろうか?
「あ、あの、上官。何故ここに……」
カイアさんが鋭い目の女性に質問する。
すると
「メインはカイアじゃない」
「え?」
メイン……? 何かを行うのだろうか?
「お前だ。耳長ヒューマー」
ん……え……
「俺……!?」
弓幹とは、弓の握る所(弓柄)と矢を放つところ(弦)の間の所を意味します!