混乱
活動報告ってどんくらいすればいいんですかね?
そんな……まさか……どうなってるんだ……!
青い太陽……何故……なぜそんなものが……!
「……どういうことなんだ……」
一気に首の力が抜けた。そのまま地面に顔を倒す。
整理が出来ない。
どういう事か分からなさすぎて、また気絶しそうだ。
うつ伏せになって顔を俯かせていると、
後ろから小走りしながらこっちに向かってくる音がする。
「ちょっとー!!」
何やらあの時の、白オレンジの服装の彼女のようだ。
目の前で勝手に抜け出したもんな。
そりゃ追っかけてくるか。
「え!……だ、大丈夫……?」
「…………あぁ。大丈夫」
大丈夫な訳ない。今にも頭が爆発しそうだ。一体何がなんだか……
……倒れてても仕方ないので、とりあえず立ち上がる。
立ち上がると体がよれっとなる。もう一度倒れそうに
なるが彼女が手で支えてくれた。
「おっとと……やっぱり大丈夫じゃないじゃない」
立ち上がると体がよれっとなり、もう1度倒れそうになるが、彼女が背中を手で支えてくれる
「あ……ごめん」
「いいから、早く部屋に戻るわよ」
そう言うと彼女は、俺の背中に手を差し伸べてくれた
まま中に向かってくれる。
ウィーン
玄関のドアも部屋のドアと同じ音がする。
「……優しいんだな」
「当たり前よ。剣魔専の生徒なら、強いだけじゃダメだからね」
焦っていて気づかなかったが、廊下は十字の形になっている。
玄関からみて、奥にあのサークルが2つある。
左右には廊下が続いていて、扉がホテルのように
たくさんある。
それにさっきも思ったがこの床、全く音がしない。
彼女と俺は奥のサークルに向かっていく。
これに乗ると、何処かにワープするんだよな……?
俺はうつ伏せに倒れたらワープしたが……
そう思ってるうちにサークルの手前くらいまで来た。
「ちょ、ちょっと待って……」
足を止める。
改めて思うと、少し怖くなった。
さっきはあの状態だったから勢いで何とかなったが、
落ち着いて入ろうとすると少し怖くなる。
「この装置って、何処に行くんだ……?」
「装置……? 2階だけど……」
2階か……
「早く部屋に行かないと、まだ疲れてるみたいだし」
それはそうなんだが…
「か、階段ってないの?」
「階段……? 階段なんてこの中にあるわけないじゃん」
階段がない……? 2階がある建物で、
階段がない建物なんてあるのか……?
緊急時のために設置してあるものじゃないのか…?
「……はぁ、とりあえず行くよ」
呆れたようにそう言い、俺の背中をぐっと押した。
「え?……あ、ちょっ ちょっとまっ……」
瞬間的に瞑った目を開けると、そこはさっきとは違う場所だった。
唖然としていた。
「ただのモバデバよ? 使った事ないの?」
「モバデバ……? 」
というか、どうやってあんな瞬間的にワープが……
「ほら、行くよ。」
「あ、ああ」
戸惑いながら歩き出す。
……もう聞かずにはいられない。
俺は今まで気になっていたことを全て聞こうと決意した。
「あの……」
「貴方、何処から来たの?」
食い気味に突っ込まれる。
「……京都……だけど」
素直に答える。すると
「きょうと……? どこ?」
「え?……知らないの……?」
「うん。聞いたことも無い」
京都を……知らない?
そんなことあるのか? 外国人なのか……?
いや、どう見ても日本顔だし、日本語だって
スラスラ話しているじゃないか。
「でも、それ……日本語だよな?」
「日本語……? これはZF語だよ?」
え……ZF語……? 何言ってんだ……なんだよZF語って……
「あ、ちなみにここね、貴方の部屋」
そこには138号室と書いた番号表札があった。
すると彼女は自動ドアからその部屋に入り
「早く来て」と言った。
俺も続いて入る。
中はさっきと変わらず、ベットが4つあり、
横にはテーブルライトらしきものと、窓が1つある
「貴方のベッドは右奥。はい、さっさと寝る」
指で俺のベッドを示す。
しかし俺は寝てる暇なんてなかった。
というより、こんな状態で寝れる訳ないと思い、
俺は遂に溜まりに溜まった謎を全て質問することに
した。
「なぁ、ちょっと質問していいか?」
「え? 質問?」
「ああ、なんかもう、よく分からないことが多すぎて
混乱してるんだ。だから頼む」
立ったままの状態で頼む。すると
「はぁ……まあ良いけど、手短に頼むね」
「ああ…………えっと……」
いざ質問するとなると、息詰まる。何から質問すればいいか分からないからだろう。
「えぇと……ああ! あの太陽、なんで……なんで
あんなに青いんだ?」
「……太陽? なにそれ?」
「え、た、太陽だよ? 地球を照らし続けてる……」
「地球……聞いたことないって。さっきから
意味わかんない事言い過ぎだよ」
え……地球じゃ……何言ってんだ……!?
「ぁ、あの……熊みたいな生き物は?」
「くま……? あぁ、べアレクイジーのこと?」
「べあれくいじー……?」
「え!? 知らないの!? PTVとかで見たことないの?」
「PTV……?」
謎を紐解くために彼女に質問したが、謎が1つも明かされなかった。
「そんな……じゃ、じゃあここは……ここは何処だ……?」
日本じゃない……なら、海外か!?
「ここ? ここは⦅ジールファタン⦆だけど……」
……じーるふぁ……たん?……聞いたことないぞ……
「何処だ……何処なんだよ!!
なんだよジールファタンって!?
なんで太陽がないんだよ!?
ここは地球じゃないのかよ!?
なぁ! どーなんだよ!?」
思いのまま心の内を全て吐き出した。
こんなに人に本音をぶちまけたのはもしかしたら初めてかもしれない。
「はぁ……はぁ……す、すまん……」
彼女の顔を見ると、心配そうに俺を見ていた。
「う、うん。大丈夫。やっぱり疲れてるんだよ……もっとベッドで休まなきゃ」
「そ、そうだな……休むよ」
きっとこれは夢だ。こんなことあるはずない。
きっと……きっともう1回、もう1回寝れば……家に、家に
帰れるはずだ!
そう思い込んで、俺は右奥のベッドに戻った。
「電気消す?」
「ああ、頼む」
そう頼むと彼女は、手を扉枠の横にあるセンサーの
ようなものに手をかざしてかざす。
「とりあえず、良くなるまでゆっくり休んで」
「ありがとう」
電気がゆっくりと消えていく。
なんだろう……不思議と、眠気が出てくる。
「すっげぇ……居心地良い……」
そのまま目を瞑り、俺は電気を消してから1分も立たずに眠ってしまっていた。
読んでくれてありがとう!




