未知の生物
ふわぁ………眠い。小説書いてると眠くなります。
『カイア! もうこれで何回目!? どれだけ失敗してるのよ!』
『す…………すいません……』
あぁ…またダメだった。
前の時と何も変わらない。
『はぁ……もう呆れ返ったわ。
スラヘドが出来ないんじゃ、もう何も出来ないわよ。
モンスターが出てきた時どうするの!
またダリア達に助けてもらう羽目になるわよ!』
木影ら辺からクスクスと笑い声が聞こえる。
『…………はい……』
何をやってもダメだ。私は変われない。
私はずっと……弱い……ままだ……
あんなに……あんなに練習したのに……
ヒューマーよりも、何倍も何倍も努力したのに……
『辞めた方が……いいのかなぁ……』
マスターも仲間も、みんな私に対して、否定的……
そうだ。努力したって、報われないこともある。
でも……でも……!
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森の入口に着く。'無窮'のスピードパワーで駆けてきたから、
流石にまだ喰われてはないと思いけど……
「'無窮'! バリア リムーバル!」
ピピ!「コンセンサス」
そう言うと'無窮'で森のバリアを解除し、
ゲートを潜る。
またもや急いで走る。
「……私に出来るかな」
憂わしげにそう呟きながら急ぐ。
すると突如
「く! くるなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
大声が聞こえた。
「……やばい!」
'無窮'のスピードパワーで、森を駆ける。
音の方向から察するに
「左の道か…」
すぐさま方向を変え左へ向かう。
何処だ………何処にいる…………!!!!
これで……これで少しは…………!!
「…………!! 見えた! '無窮'! ロックオン!
リムラス!」
ピピ!「コンセンサス」
狙いが定まり、大きな体躯を飛んで、手を狙う。
「はあぁぁぁぁぁ!!!!!」
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「ガルルルルルル」
…………………ん? え? まて、いやいやいや、
なんだこいつ? 目が疲れてんのかな?
…………多分幻覚だな。さっきのことで疲れたし……あれ?
まだ消えない。いい加減消えて欲しいのに…………
え……? おおおおおいまてまて、ここは地球なんだぞ? 俺がいつも暮らしている星。今まで一時も地球を離れたことなんてあるはずない。
それにこんな怪物が地球に生息しているのならただ事じゃ済まない。
試しに目をよく凝らして見てみる。
ピントが段々あってきて、ハッキリと姿が見える。
皮膚は茶色と青で、熊のような……じゃないような……
「………………」
そこには、まるでライオン、いや、それを遥かに上回る
形相の獣がこちらを睨んでいた。
「ガルルルルルルルルルル」
「う! うわぁぁ!!」
睨んでいた獣はついに足を動かし始めた。
ドスン! ドスン! ドスン!
なんて大きな跫音なんだ。
俺はその姿とその跫音に、腰を抜かした。
こんな生物がいるのか……こんな獣が生きているのか……
俺は獣の存在を否定した。存在が……怖いから……
「な……なんなんだお前……」
獣は躊躇なく近づいてくる。
ドスン! ドスン!
大地を鳴らす音で、後ろに下がり続けていた手も、
恐怖で動かなくなった。
ドスン! ドスン!
「く! くるなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
もう何も出来なかった。しようとしても、
体が感情に支配されてる。
一体なんだったんだろう。ここは地球なのか?
それとも違う……星……なのか?
あのチューブはなんだったんだ?
多くの謎を抱えたまま死ぬなんてな……
希望が見えたと思ったらこの仕打ちかよ。
「酷くねぇか……神様よ……」
絶対家に帰るって決意したのになぁ……
せめて死ぬなら、家が良かったなぁ……
下に俯いていた俺は、失望しかけていた。
何もかもに、ところが、俺はまた、⦅あれ⦆に助けられる。
「……あれ……? また……」
急に何かを握っている手が暑くなった。
開けると、それは俺を正しい道に導こうとしてくれたアクセサリーだった。
「な、なんで今光ってるんだよ……」
俺の理論でいけば、アクセサリーは
正しい道を教えてくれる代物。
たった今襲われる最中なのに、なんで……
すると突然。俺の体が巨大な影に覆われた。
そして獣は、唸りながら右手を勢いよく振って来る。
「ウガァァァァァァァァァァ」
「う……!!」
終わりと思った次の瞬間
ピカ――――――――――――
「え!? うわ!!」
アクセサリーが突然閃光を放つ。
「ガ……ガウゥゥゥ……」
…………弱った?
このアクセサリーの光で、獣の………攻撃を防いだ……
愕然としている暇もなく、獣は興奮して暴れ出す。
「ウゥゥゥガァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
は……! 早く逃げないと……!
そう思い、立ち上がった瞬間
「はあぁぁぁぁぁ!!!!!」
シャィィィキン!
甲高い声と共に、鋭い刃を持った物で、
何かをぶった斬る音が聞こえた。
そして俺の頭上に何かが飛んだ。
「……ふ、吹っ飛んだ……」
後ろを振り返って見てみる。
それはなんと、獣の切断された腕だった。
「……え?」
「ウゴァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!」
それと同時に、血のようなものが飛び散った。
その血の色はなんと……黄色だった。
獣はふらついていた。
「大丈夫!? 奥に下がってて!」
「え!?」
「無窮! ファイアアトリビュート!」
ピピ! 「コンセンサス」
「あ…………えぇ…………」
駆けつけてきたと思われる彼女の姿は、
ポニーテールで……白と……オレンジの柄のものを
纏ってて……凛とした、
すげぇ綺麗な目を……して…………
「ロトングスフレイム!!!」
……………バタン!
最後まで読んでくれてありがとうございます。
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