期待と絶望
いやぁ……小説書くのってやっぱり、結構時間かかりますね
1日に2回も投稿なんて、私にしては珍しいです。
……なんだ……どうなってる。
体が何かに引っ張られる感じ。
少し風圧が強いが、目が開けられないほどではない。
ゆっくりと目を開ける。すると
「…………星……?」
何億、何兆もあろう星が見えた……気がした。
そして――――
バタン!
シュルルルルルルルルルルル
「う……! い、痛ってぇぇ…………え?」
理解出来なかった。
「は…………? こ、ここ……何処……?」
目を開けるとそこには、前の光景から打って変わって
全く知らない。
別の景色に様変わりしていた。
さっきの森とは全く違う。木の色……というか、森全体が⦅濃い緑⦆に覆われている。こんな森見たことない。
「よ、よし……1回冷静になろう…」
状況を整理する。
俺は暇つぶしに母さんに勧められた池に行こうとする。 その際……
「そ! そうだ、よく分からない感覚に襲われるんだ」
そして森へ入り、小走りで小屋まで行く。
中に入って、机に……
「……!!! あのスイッチか!」
そうだった。俺はあのスイッチを押した途端、
チューブが現れて、謎の黒紫色の物体に
吸い込まれたんだ!
全てがハッキリした。あのスイッチのせいでこんな見知らぬ地へとやってきたん……
「……は?」
いやいや、まてまてまて、あの物体に吸い込まれて、
ここにやってきた?…………???
そんな馬鹿な!! だって今は2020年だぞ!?
人間の如何なる技術を使っても
そんなことは出来ないはずだ!
状況の整理をしてもこんな結果になるとは……
「…………」
頭がフリーズした。これは現実なのか?
もしかすると、俺はもう……死んでいるのかもしれない。
いやしかし。
試しに呼吸してみる。
「息はできるな……」
ますます頭が混乱した。
「…………とりあえず、ここから出ないと」
そうでないと何も始まらないと思った。
少々危険かもしれないが、
こんな辺境地……かは分からないけど。
森で待ってても、何か始まるとは思えない。
少し痛むが、足を立たせる。
「ぅ……いてて」
さっきの……転送? の勢いで足を打ったのだろう。
「えーっと、まずは」
周囲を見回したところ、下へ下る道は何本かあった。
1……2……3……8……
「どれを通ればいいんだ……」
慎重に選ばないと変な所へ着いてしまうかもしれない。
どうするか……神頼みにするか……? と悩んでいた。
とりあえず体を一周させて、下り道を見る。
その時
ポケットの中が暖かくなった。
ポケットの中を探ると
「あ! これって、小屋で見つけたアクセサリーじゃないか!」
思い出した。そういえば、
輝く赤い宝石に魅了されてポケットに入れたんだった。
取り出したアクセサリーは
「……光ってる」
この宝石に、発光性なんてあったんだ。少し驚いた。
どういう原理で光っているんだろう。
そう疑問を抱いた。
「さっきまでは光らなかったよな…」
そしてハッとした。
「もしかして…」
俺は向いてる方向を変えてみた。
俺の向いてる方向から見て、
斜め右の下り道の方向に変えてみる。
そうすると、今まで光り続けていた光は消えた。
試しにもう1回、今度はゆっくり、ぐるんと一周回った。
反応無し……
反応無し……反応無し……
反応無し……反応無し……反応無し…………反応有り。
「やっぱり!」
確信がついた。
この宝石、道を示してるっぽい!
本当かどうかは分からないが、
一周して光る下り道はここだけだ。なら……
「ここを……降りるか」
正直不安ではある。
もしかしたら偶然光っただけなのかもしれない。
でも、こんな状況なんだ。信じられるものは、とりあえず信じて進まないと、道は開けない。
「……ふぅ……よし、行くか」
覚悟を決めて、歩き始める。
何もかもが未知の場所なんだ。少しは覚悟しないとな。
……にしても、本当にここは何処なんだろう。
海外なのか?
いや、海外でもこんな姿の森なんて、あるのか?
まるでファンタジーの世界。
モンスターでも出てきそうな森だ。
「俺は……チューブを通ってきたんだよな」
チューブを通ってきた結果。
この存在自体がなんとも信じ難い森に辿り着いた。
…………え? なら、なんで……
「俺の後ろに……チューブが無かったんだ?」
そうだ。もしチューブを伝ってここに来たのなら、俺の後ろ側にチューブの出入り口があるはずだ。
「……もしや……」
俺は小屋にいた時の記憶を辿った。
謎の黒紫色の物体に攫われそうになって、
咄嗟に棚を掴む。
でも吸引が強すぎて棚を離す。
そして結局攫われる。
その時に棚から手を離した反動で、
机の脚に手がぶつかる。
「そっから、えーっと」
俺はその時、恐怖心に駆られていた。
驚いて手に持っていたスイッチを……手放していた……?
そうだった。スイッチが手元にないってことは、
小屋に置いてきたってことだ。
でも、そうだったとしても、スイッチが
OFFにされない限り、チューブは……閉まらない思う。
でも俺を吸引するまでの過程で、
チューブは閉じなかったよな。
だからその間ではスイッチはOFFにされてない。
ってなると……
…………ん?……俺の前には⦅机⦆があったよな。
そしてどっかでスイッチを手放して……
「お、おい……まて、まさか」
もしもだ、もしも手放したスイッチが、もう一度机に乗ったのなら……
棚から手を離した反動で机にぶつかって
⦅机は揺れた⦆はず。
その揺れで机のスイッチが……
「床に落ちた……スイッチが…………」
もし落ちたスイッチが、
置く方じゃなくて⦅押す方に落ちた⦆のなら……
「あ……あぁ……あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
うううう!……嘘だろ!? そそそそんなぁぁぁ!?!?
そ、そんなことって!!!!!
「………………」
も、もしそうなのだとしたら、俺は……帰れない…!?
「ど、どどどうしよう……!! 俺は! ど、どうすれば!」
どうすることも出来ない。どこかも分からない。
俺は絶望の淵に佇む。
「…………………………はぁ……」
次から次へと起こりすぎて、
もう冷静に考えるどころじゃなかった。
「……進もう」
少し吹っ切れていた。
よくよく考えてみると、あんな謎の黒紫色の物体に
攫われてチューブを辿って、
それで生きてるのが不思議だ。
死ななかっただけマシなんだ。
ほら、このアクセサリーだって道を示してくれてるし。
無理矢理とも言えるが、ポジティブに考えた。
そうでもしないと、もう何も出来なくなりそうだからだ。
「…………母さん……父さん…………友佳……」
人が精神的に極限の状態に来た時、
幸せだった頃に戻りたいという思いから、
その場にいた家族や友人を連想するとは、
本当のことだったんだな。
「……う……うぐ……」
もっと色んなことを……したかった。色んなことをして、自分が続けられる、楽しめることをしたかった。
あぁ……無念とはこのことか……
もしかしたら、もう……死んでるのかも……
ここが地球とは違うと思うのはそのせいなのかもな……
「ならここは、天国なのかな……」
暗く悲観していると、突然俺の背後から
正面にかけて何かが通りかかったのが分かった。
「もしかして、天使ってやつなのかな……」
前を見ると、そこにはなんと
「……!! 狐だ」
その狐はこちらを数秒見つめた後、下り道を降りていった。
狐は地球の生き物だ。ということは
「ここって……まだ、地球……なのか!?」
一気に期待が膨れ上がる。
それもそうだ。辿り着いた先が地球とは似通らない場所で、死んだとまで思い込んだのだから。
「俺はまだ生きてる!! そしてここは地球!!!」
一気に気持ちが昂った。
その勢いで走り出す。
「早く抜けよう!! そして絶対……家に帰る!!!」
手を全力で振って、全力で足を動かす。
少し希望を持った侑人だった。しかしそのとき。
「ドオォォォォォォォォォォォン!!!」
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奥で何か聞こえた。音から察するに、多分
「べアレクイジーね」
あいつがあんなに大きな着地音鳴らしたってことは
「'ヒューマー'が、襲われてるってこと?」
でもなんで……あの森は猛獣のテリトリーなのに。
分かってて入るなんて有り得ない。
きっと何かの間違いで入ったんだ。
即座に'無窮'を腰に差して森へ走る。
「近くでよかった。でも、私の力で助けられるかな…」
不安であった。だって私は……
⦅落ちこぼれ⦆だから……
最後まで読んでくれてありがとう。
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参考にしたいので…