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対戦終了

中古屋で「NARUTO」を集めて読んでるんですよ。めっちゃおもろいです。はい。

「俺が……あの人を……?」

信じられなかった。自分がこんなに女性を遠くへ吹っ飛ばすだけの力を持っていることに愕然とした。


目を前に向けると、鋭い目の女性が剣を降ろして立っていた。

女性の顔は驚きの顔から、しばらくしてニヤッと微笑みに変わった。


そして、女性はこう言った。

「やっぱりか……確信がついた」


確信……? 何のことだろう。

「剣魔生でなく、剣すら振ったこともない。

にもかかわらずその強大な力。オマケにその耳の短さ」

耳の短さ。確かにこの世界の人達と比べたら、

俺は耳が短い。


「おいお前……ブルグロ……青い太陽を見て、何か思ったか?」

初めて聞く言葉を言い直すように青い太陽と言った。


「青い太陽……」

青い太陽、俺が目にして気絶しそうなくらい驚いた

光る星。

鋭い目の女性はその青い太陽について聞いてきた。


「何も思わなかったか?」

沈黙の間が出来る。その沈黙の間は俺がそうか否かを

告げないと治まらない気がした。


「…………ちょっと……びっくりしました」

正直に言ってしまった。これで良かったのだろうか。

鋭い目の女性は明らかに俺の何かしらを推察しているに違いない。


「……そうか」

そう言って俯いた次の瞬間、顔を上げてこう言った。

「お前、⦅人間⦆だな?」


「……は、はい」

当たり前すぎることをを聞いてきたと思ったが、俺と

この世界の人じゃ類が違うことに気がついた。


鋭い目の女性は心の中が浄化されていくような痛快な

表情を浮かべ、手を合わせてこう言った。

「見つけた……ヘルシャフト様……これが貴方の言っていた……」


今この瞬間、願望し続けてきた願いが叶ったような

嬉々たる声を上げた。

ヘルシャフト、どこかで聞いたことがあるような……


「上官! まさかそのヒューマー……」

カイアさんが一声を上げる。


「ああ、体はヒューマーと似ていて、力と耳だけが

違う生命体。人間だ」


今の発言でだいたい分かった。ヒューマーとはなんなのか。

恐らく、ヒューマーとはこの耳が俺より長い人達……

⦅人⦆と呼んでいいのか分からないが、そういう名称なのだろう。


「そういえば、名前を聞いてなかったな。お前、名前はなんだ?」


「……侑斗です。林岡侑斗」


「ほう、ゆうと。それは下の名前か?」


「はい。そうですけど……」


「ということは、上は⦅苗字⦆ということか?」


「は、はい」


「…………そうなのか」

またもや驚きの顔に変わった。


「侑斗、違うとは思うが一応聞いておく、

お前はジールファタンが出自か?」


「…………ジールファタンって、この国の名前ですか?」

顔は驚きの表情で変わらないが、恐らくまだ驚いている


「……ジールファタンは、この星の名だ。そしてわたし達が今居るのは⦅バルディメス⦆という国」


「バ、バルディメス……」

如何にもゲームとかアニメで出てきそうな名前の国だ。


「侑斗、お前に来て欲しいところがある。着いてこい」


「え、また!?」


「ああ。なに、後はそこに行くだけだ。それで事は

ひと段落終わる」


ひと段落終わる。ということはまだふた段落もみつ段落もあるということだろうか。

「そうだ。お前はこの世界のヒューマーでは無いのだろう? 今から行く目的地はバルディメス城というでっかい城だ」


バルディメス城、これまた異世界の王様が住んでそうな名前の城だ。

「勿論、街の案内も兼ねてな」


「え、あの……この対決もう終わりなんですか?」


「ああ、今の対決はお前が、わたし等とは違う類の

ヒューマーかどうか確かめるため行なったものだ」


「……そうなんですか」

違う類のヒューマーかどうか確かめるため……

「なんで……そんなことを?」


「それは今から行く目的地に着いてから教える、というか教えてくださる」

教えてくださる? 誰か他の人が教えてくれるってことなのだろうか?


「よし、じゃ早速いくぞ」


「あ、はい」

そう言い、鋭い目の女性は修練場の中央から入口へと赴く。


ずっと思っていたがこの人達、何事にも行動が早い

気がする。俺を何かへと導くためなのかは分からないが、とにかく早い。自分の決断力も高まった気がする。


そんなことを思いながら自分も鋭い目の女性の背後に

つき入口へ赴く。

すると入口の少し横にカイアさんの姿が見えた。表情は変わらず、特に驚いた顔とかではないようだ。


「じょ、上官」

第一声は不安気で小さくも、その後の⦅上官⦆はかなりハッキリした声だった。

その一声から数秒たった時


「カイア、まだ分からないが、

もしかしたら…………辞めずに済むかもしれないぞ」

「え……」

意外な出来事に思わず小声が出てしまうカイアさん。


すると鋭い目の女性は

「ま、とりあえず着いてこい。可能性はある」

と言った。


俺はカイアさんを見る。気のせいかもしれないが少々目が輝いてるように感じた。

俺は出入口から出た鋭い目の女性の後ろを歩いて追う。そして俺の後ろをカイアさんが追う。


俺達は修練場から向こうの宿舎までの一本道を歩いて戻る。

反対を向くと最初に目立つように目に映ったのは、ギラギラとまではいかないが、青く光り輝いている青い太陽があった。


右に目を向けると、中世風の建物と柵を背景に、

あの弓のような武器を持って練習をしている人達がまた見えた。


やはり矢無しで弦を引っ張っている。そしてしばらくすると矢が生成される。そして放てる。

一体どういう仕組みなのだろうか。


…………とか、一応そういう風に考えてはいるが、内心

それどころじゃない。さっきの戦いの結果が俺は未だに

理解出来なく、引きづっている。


俺、というか人間があんな力を出せる訳が無い。今まで18年間生きてきてあんな力を出せたのも、出せると知ったのも初めてだ。


もしかして、この世界に来て、何か俺の体に異変が

起こっているのだろうか。

あのチューブを伝ってこの世界へ来たあの日から。









今回はあまり進みませんでした……次回は進むのでご期待を……!!!

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