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彼は俗にいう巻き込まれ平凡脇役主人公

脇役主人公、最高に矛盾していて大好きです。


さて、転入生の取り巻きと成り果てた生徒会役員を含む阿呆たちは、阿呆ではあったが学園内での支持率はかなりのものだった。


何故なら、美形だった。美形だった。


これで不細工だったりしてたら単なるうざい金持ちボンボン、みんな避けて通るだろうに、全く持って美形とは得な生き物である。同じ我儘も、見た目が良ければ許されるのだ。

そしてその顔の良さゆえに、親衛隊の規模はそれなりにデカかった。

親衛隊は、言ってしまえばファンの集団である。腐男子曰く「チワワの集団」らしいが、とてもそんな癒し系にはみえない。と思ったが、親衛隊=チワワというテンプレの話らしい。あんなのの例えに使われるチワワ可哀想、とはどっからみても土佐犬なヤンキーの友人の談である。

その親衛隊のチワワたちは、美形の近くには美形しか許さない。

そんなどこの女子だと言いたくなるような思考回路でもって、親衛隊は美形以外が美形の傍によるとさんざっぱらいびり倒した。

ついでに抜け駆けして近づこうとする者も許さなかった。抜け駆け禁止とかどこの女子だと以下略。


そしてこの学園の悪習、同性愛の蔓延のために、例えその美形と友誼を結んでいたとしても、そいつも美形でなければ崇拝者に媚を売る淫乱と貶められる。それなんて昼ドラ。

それでも権力者たる崇拝対象に抱かれたいと願い、美に磨きをかけ、あざといポーズを身につけ、日々牽制し合い、しまいにはセフレになってみたり。

そうまでして崇拝対象の寵愛を受けるのに必死なんて、大奥も真っ青だ。


化粧を施し美容に気合を入れお目当ての美形の男に媚を売り抱かれ優越感に浸る。


そこまでいったらもうオカマとかなんじゃないかと個人的には思うのだが、そういったら夢が壊れるからやめてと腐男子の友人に泣かれた。



まあ、そういった集団が背後に控える美形たちの寵愛を一身に受ける転入生は、同室となった和虎に、初対面にもかかわらず親友の称号を贈ったらしい。解せぬ、と首を傾げる友人の中、腐男子だけが「やっべえテンプレすぎる!」とはしゃいで和虎に殴られていた。

そして称号を贈られた我らが笹生和虎さそうかずとらは、転入生の取り巻きには「可憐な花に付き纏う虫けら」、親衛隊のチワワたちから「転入生を利用して美形の方々に近づこうとする淫売」と認定された。


聞いた瞬間爆笑してしまったのは、笹生和虎がどういう男であるかよく知っている身としては無理からぬことではあるが、笑えないのが当事者の和虎である。

一瞬で、親衛隊からのいわれのない制裁のターゲットと成り果てたのだ。


爽やかくんはともかく、他の人間はすこぶる金持ちの家の我儘坊ちゃんばかりである。

下手に接して不興でも買ってみろ、家なぞあっさり潰れてなくなる。

そんなリスクを冒してまで、彼らと仲良くなりたいと考える普通の人間が、一体どこにいるだろう。

和虎はもちろんその口であったが、彼らの周りで媚を売る人間、もしくは盲目的に崇拝する人間にとっては、和虎は彼らを狙う淫売でしかない。


結果、「淫乱」やら「泥棒猫」やら、昼ドラも真っ青な台詞を聞くことになった。


ここは男子校ではなかっただろうか、なんて常識的な疑問を挟んだのは友人のクールな優等生だが、腐男子はBLはファンタジー!これは現実だけど!とよく分からないことをほざいていた。


BLはファンタジー。

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