第1話 僕は祈る
プロローグ
僕の名前はアレク。
チェスター村の狩人だよ。
僕は明日18歳になる!
この世界で18歳になる事は特別な意味をもつんだ。
なぜかって言うと、それは神様から天職を与えられるからだ。
天職というのは、特別な力を持ったスキルが手に入る系統の事であり、可能性の方向を示す。
例えば、天職が魔法使いであれば、ファイアやブリザードなど、攻撃に関連した魔法を覚える。
もちろん、天職が全てでは無くて、他にもスキルを覚える方法はいくつかある。
しかし、天職がある方が遥かに有利なのだ。
そして、僕の天職は明日決まる!
第1話 僕は祈る
ついにこの日がやってきた!
今から神官さんの所に行って、天職を授かる。
何が貰えるのか、今から楽しみで仕方がない。
「おはようアレク。今日だよね!!」
幼なじみのメアリーがやってきた。
メアリーはお隣さんで、僕の両親が小さい頃に行方不明なってから、メアリーの家族が僕をずっと支え続けてくれた。
家族のようであり、妹のようでもある。
「おはようメアリー。今からアンさんの所に行くところなんだ。一緒に行くかい~?」
アンさんは僕もメアリーも良く知っている神官さんだ。
「うん!行く~!何が授かるのか今から楽しみだね!」
メアリーは自分の事のようにワクワクしている。
ちなみメアリーは16歳なので、もう少し掛かる。
小さな村なので、アンさんの暮らす教会は近い。
挨拶して中に入ると、アンさんが待ってくれていた。
「おはようございますアレク、メアリー。待っておりましたよ」
アンさんは優しく微笑んでくれた。少し年上の、美しい黒髪が特徴のお姉さんだ。
「おはようございます~。今日はよろしくお願いします!」
「では、今から天職を神様にお願いする天授の儀を行います。私が呪文を唱えたら女神さまに祈りを捧げて下さい。お祈りすると王錫が輝きますので、その輝きに応じてランクが決まります」
つまりはこうだ。
曰く、王錫の輝く色には種類がある
曰く、白<青<赤<金の4つ
曰く、天職は色に応じた4ランク
要はまさに祈るべし!!
アンさんが呪文を唱えると、一度しか訪れないこの天授を無駄にしないように、秘密のユニークスキル〈並行宇宙〉を発動して、頭の中で全力で神様にお願いした。
〈〈良いランクをお願いします〉〉
〈〈良いランクをお願いします〉〉
〈〈良いランクをお願いします〉〉
はい。
王錫は虹色に輝きました!!
アレク Lv1
ランク Lv6
クラス 魔王使い Lv1
クラススキル スライム使い
戦闘力 10
ユニークスキル 並行宇宙
スキル 射撃