表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/9

6、総合組合



翌朝外に出ると騎士隊の姿は無かった、どうやら元集落に向かったようだ、千尋達も商売用の馬車に切り替え、鉱山の町トラシュを目指す。


千尋達は魔物に出会う事無く、無事トラシュに辿り着く事が出来た。

門から100m程離れた地点に物々しい数の兵が、道の脇に旅人や商人を魔物の襲撃から守る様に壁になって立っている。

門では門兵が旅人、冒険者、傭兵は門兵にタグカードらしき物を見せて入っていく、護衛を柵と手すりの付いた屋根の上に乗せた駅馬車と、馬に乗った護衛を連れた商人の馬車、門兵が不審な物がないか荷物を検めて(あらためて)いる様子が伺える、千尋達の順番が来る。


門兵A)「通ってよし次の者、ん?大きな馬車だな、馬も立派だ、どこぞの大商人か?美女が護衛も連れずに街まで無事に渡り来るとは珍しい、余強そうには見えないが、もしやお2人は腕に覚えがあるのか?」


千尋)「ええ、それなりですが戦えますよ、資源が豊富な日ノ本に最近引き継いだ本店がありまして、15歳を迎えたので総合組合に登録する為と、まだ駆け出しなので新規開拓の為に行商をしています。

商品にはかなり自信がありますよ、暫くは街にいるのでその間は総合錬金魔道商店バニーラを利用して頂けると嬉しく思います。」

「荷物検ためでしたね、出来れば中を見て驚いて大きな声出さないようお願いします。」


門兵B)「それはどう言う意味だ、まさかご禁制の危険な薬でもあるのか?まぁ、中を見れば分るかでは検ためさせて貰う・・・・・。」

「錬金拡張・・・・何だこの品揃えの数は、見た事が無い物まで在るな、おいお前も来て見ろ。」


門番A)「なんだどうした、こ、これは凄いなお前達は何者なんだ。」


千尋)「私は店の番頭、店長の保科千尋と言います、こっちが私の従者でメイドのライアネです、自称ですけど凄腕の魔法使いであり錬金術師です。」

「品物の半分以上はダンジョンで手に入れた品ですよ?残りは日ノ本の人達が加工してくれた物ばかりです、私達だけでこの量の商品を、作ったり用意したり出来る訳無いじゃないですか。」


門番A)「確かにその通りだな、1人では商いは出来ん、しかし見慣れない品が多すぎるのだ、出来れば用途の説明をお願いしたい、これは食糧が大量にあるな、これだけあれば食糧問題が解消される、この街に来てくれて有り難う。」


ライアネ)「用途の説明でございますね、貴重な紙を使った商品の説明書きの写しがありますのでどうぞご確認下さい。」


更に1時間、確認の為付き添う、勿論商品を盗まれない為。


門番B)「素晴らしい品揃えだ、かなり高い物も在る禁制品は一切無いようで安心した、まだ組合には登録していないのだったな。

入場に銀貨3枚だ、登録すれば大銅貨3枚になる、徒歩で来る旅人や冒険者、傭兵は銅貨3枚だ、馬車はデカイし場所を食うだから割高になる。」

「この説明書きはこちらで保管しても問題ないか?、他の者達にも見せておきたい構わないだろうか?」


千尋)「一枚では足りないと思いますので宜しかったら5枚ほどお持ち下さい、それと銀貨3枚です、この街の総合組合はどちらにありますか、始めてこちらに来ましたので道が分らなくて。」


門番A)「この道を真っ直ぐ行った街の中央の角に総合組合がある、そこに立っている案内板に詳しく彫ってあるから見るといい、この街の治安は余りよろしくない、粗野な冒険者や傭兵が多い、特にスラムには行かない事をお勧めする、スリや強請り、奴隷にしようと誘拐し闇奴隷に売る者が多くいる、気を付けろ、通って良し、ようこそ鉱山の町トラシュへ。」


千尋達は案内板を確認し総合組合に辿り着き、馬車を預け見張りをどうするか考えていると、この寒い中で開けたボロ着の状態で、虚ろな目をした10歳位の痩せた少女姉妹が、建物の壁に背中を預け地面に座っている、良く周りを見ると道の端に寄り添う様に地面に座っている者達が多かった、道を歩く人々は見向きもしない、治安が悪い所の話ではなかった、 


ライアネ)「トラシュの治安は相当に悪いようですね。」


千尋)「ようこそと言われたけど、この治安の悪さではね~、何をするにもまずは登録と拠点捜しが必要ね、ライアネ悪いけど馬車の見張りお願い。」


千尋は組合のカウンターへ行く。


受付)「ようこそ総合組合へ、本日はどのようなご利用目的でしょうか?納品ですか?商品の引取りですか?それともご新規登録ですか?」


千尋)「私は保科千尋、15歳になったので新規登録しに来ました、どのような職業が在るのですか?初めてだからわからなくて教えてもらえます」。


受付)「新規登録ですね、申し遅れました総合組合受付担当のレシィ・キャニスと申します、では説明をさせていただきます。


レシィ)「まず冒険者は、周辺地域の魔物やモンスター狩り、クエスト(依頼)をこなしたり、トレジャーハンターの様に一攫千金を求めてダンジョンに潜ったり、商人の護衛もします、配達のお仕事も請け負ってますよ、冒険者の最大PTは10名までと決まりがあります。」


レシィ)「傭兵は冒険者とは少し異なります、傭兵は10人からなる護衛や調査、盗賊の討伐。

国、領主、騎士に協力する形で治安維持に貢献しています、砦や重要視されている場所でも傭兵が雇われています、そちらが主な仕事になりますね。」

「傭兵は救援クエストが無い限り基本的にはダンジョンに潜りませんが、潜ってはいけないと言う事はありません、大きい傭兵団は500人までとなています。」


レシィ)「商人は彼方此方あちらこちらの集落や村に売り物を買いつけに行ったり、商品を売ったりと色々やっていますね。

他にも集落や村から、作った日用品や、育てた農作物を運んで来て、卸売りに来る人もいます、渡り歩いて高く買ってくれる所を捜して回る事がありますよ、見かけたら交渉を持ち掛けて見るといいと思います。」


レシィ)「魔法使い、錬金術師こちらの職業のお仕事は引く手数多です、クエストをこなす上で必要不可欠な人材です、特に魔法使いは冒険者や傭兵のPTには欠かせません、錬金術を嗜む人は更に重宝されます、MP回復や解毒、呪い等も解けます、お店を営なんで居る人もいますよ。」


レシィ)「鍛冶建築はその名前の通リ、鍛冶屋さんのお仕事と、家を建てる建築のお仕事です、鍛冶屋ですから武器屋の販売、建築に必要な部品も作って売っていたりします、自分で家を建てる方も多いですね。」


レシィ)「最後にクランと言うのがあります、組合にとって有難い存在です、なんとこの職業全ての仕事が出来ます、要するに何でも屋さんです、ダンジョンにも潜ります、こちらも傭兵と同じく500人が最大ですよ。」


千尋)冒険者と商人、鍛冶建築でお願いします。


レシィ)「冒険者と商人、鍛冶建築ですね、登録出来ますから大丈夫ですよ、このカードを盗難、紛失等した場合再発行に銀貨2枚頂きます、こちらの皮のタグをお付けします。」

「こちらの貴重な紙にお書きください。」


書き始める、ペンでスラスラと記入して行く、千尋の持つボールペンを凝視しているレシィ、他の受付と職員も同じように見ている。


千尋)「書き終わりましたお願いします?・・・あのレシィさん?」


レシィ)「コホン、失礼致しましたでは、少しばかりお待ち下さい。」


紙を水晶の板に当てると淡い緑色に光る、すると下の取り出し口から定期サイズのカードが出てきた。


レシィ)「こちらがカードになります、ランクと総合組合のルールを説明します。

まずはランクから、I、H、G、F、E、D、C、B、A、AA、AAA、S、SS、SSS、X、XX、XXX,Ωとなっています、これに+と-が付きます、最初はI-から始まります。」

総合組合は争い事に関与しない、総合組合が被害を受ける場合は規定にのっとり、決闘で両者は決着を付ける事。

決着が付いたにも拘らず、何者かの関与、復讐等行われた場合本人及び関った者は奴隷落ちとする。

斡旋したクエストを辞退反故した場合、総合組合に報告両者の意見を吟味し調査を行う、ランクに見合わないクエスト、又は辞退、反故には違約金が発生する。

総合組合が最後まで全力を持って調査を行う、妨げる者は調査が終わるまで騎士団の詰め所にて投獄、必要に応じて尋問拷問を行う場合がある、事態が解決せず迷宮入りした場合のみ解放す。

指定されたクエスト失敗、期日に間に合わない場合、違約金が発生する。

違約金が払えない場合、総合組合が仕事を与える、期限を2ヶ月設けるので期日内に払う事。

違約金が莫大な金額、又は期日内に払えない場合奴隷落ちとす


傭兵、クランを立ち上げる、抱える人達が住めるだけの土地を所有し拠点を持っている事。

傭兵、クランは1人からでも立ち上げる事が可能。

傭兵、クランは組合が斡旋するクエスト以外でも受ける事が可能だが、必ず総合組合報告する事。

以上になります。



千尋)「有り難う、早速なんだけど塩5壺、胡椒5壺、砂糖5壺、後紙5千枚、ボールペン100本と付け替えインクを500本、売りたいんですけど買い取って貰えますか?あ、これユニークスキル無限倉庫です。」


レシィ)「えええええ!?ユニークスキル!えっと駆け出しなんですよね?この品揃えは一体?」


千尋)「登録上は駆け出し扱いですね、私は、国家日ノ本から来ました、そちらに今は亡き親から引き継いだ本店バニーラ商会、錬金魔道商店バニーラを構えています、そういった意味では大商人ですね。」


レシィ)「それなら納得です、商品の確認を致します・・・・・な!?何ですかこれ!?塩が!、まさか他のも!胡椒も綺麗な粉末になってる、・・・砂糖も雑味が無く純度が高い、紙に至っては真っ白、更に書き安い様に罫線けいせんが薄っすらと引かれています!?こんな品質の良い物は始めて見ます!?大商人・・・・あの護衛はいらっしゃら無いようですが?まさかお一人で渡り商人なさっているのですか?」 


千尋)「1人じゃないから大丈夫頼りになる相棒がいますから、私の後にライアネが登録しに来るからよろしくお願いします、基本的は2人で渡り商人する予定でいます、他にも色んな商品を取り扱っていますよ。」


レシィ)「お2人だけでですか?・・・・良く襲われませんでしたね盗賊に、一般の商人は大体冒険者か傭兵を雇い護衛して貰うのが殆どなんですよ!?しかもこんな品質純度の高い物を乗せて、たった2人で行商なんてありえません、どなたか雇うことをお勧めします、商品の方ですけど組合長に確認して来ます少しお待ち下さい。」


商品の各種一部を持って3階組合長の所へ行くレシィ。


ーーーーーーーーー


3階の扉がノックされる


女組合長「)入れ、何か問題でも起きたか?」


レシィ)「はい、錬金魔道商店バニーラと言う親から譲り受けた大商会の娘が、15歳を迎えたので登録に来ました。

見た所かなりかなり仕立の良い服を着ていますし、大変綺麗で美しい方でした、どこぞの国の貴族の様な振る舞いも見受けられ名前は保科千尋と言う方でした、この名前の貴族に心当たりありますか?出身国は日ノ本と本店もそちらにあると伺いました、それと組合に持ち込んだ品を売りたいと持ち込んで来ており、商品は破格と言うか品質や純度の高い品物ばかりでした、見た事の無いこちらのボールペンと言う品物まで取り扱っていましたこちらがその一部です。」


女組合長)「な!?なんだこれは!?一体何をすればこの様になるのか!?これは幾つある!このボールペンと言う物は書き安い!、インクを付ける必要も無いなんて便利なんだろうか!紙も白くザラザラしていないな。」


レシィ「)今の所塩5壺、胡椒5壺、砂糖5壺、書き安い罫線の付いた紙5千、こちらのペン100本と付け替えのインクが500ありました。」


女組合長)「何だその数は!一体何処の者だ、そんな名前の貴族は知らないし、そんな国聞いたことも無い、そう考える小さい国が近くに出来たのかも知れんが一体何処に在るのやら、情報が少なすぎる直接会って見よう、此処へ呼んでくれ。」


ーーーーーーーーーーーーーー


レシィ)「お待たせ致しました、千尋様、組合長がお呼びです3階へおこしください。」


千尋)「余り長くは馬車から離れられないんだけど?いま私の仲間が馬車を見張ってるのよ、護衛か冒険者、どなたか受けないかな?馬車の見張り護衛クエストを発注するので、報酬は金貨2枚と食糧、魔装又はマジックアイテム1つでお願いします。」


ガタッと音がして周りに居た冒険者や傭兵らしき者達が、ヒソヒソと話し出す。


レシィ)「分りましたではさっそく。」


男)「おう!待ちなレシィちゃん、そのクエスト、俺達傭兵団銀の鷹が受け持つぜ~、見張りで金貨2枚に貴重な食糧に魔道具が付くんだ喜んでやらせて貰うぜ。

俺は団長のアーベル・モンド、今時珍しく豪気だね~気にいったよ、その礼といっちゃ何だが今日一日護衛に付いてやるよ。」


先を越された他の冒険者や傭兵は意気消沈している。


レシィ)「アーベルさん!あ、千尋様この人達は傭兵団銀の鷹、200人を抱えるBランクの皆さんです、各国の組合でも信頼の厚い方々ですよ。」

「ただ数日前に貴族からのクエストを、途中辞退したせいで今は仕事にあぶれていますね、傭兵団は信頼が大切なので辞退したりすると仕事が来なくなる事もあります、今回がその例ですけど。」


アーベル)「レシィちゃんよそれは言わないでくれ、あのクソッタレ、あんなクエストこっちから願い下げだっての、俺達は犬猫じゃねぇ~Aランクのレッドオーガに突っ込めだぜ、アホかっての勝てるわけがねぇ。

こっちだって命あっての傭兵団だ、そりゃ人は何時か死ぬだろうよ、だが蛮勇と無謀を履き違える馬鹿に付いて行きたくないだけだ、文句が在るなら初めからAランクかSランクを雇えってんだ。

契約の報酬すら出し渋ってる奴だって分ってりゃ、誰もあんなクエスト受けねぇよ。」


レシィ)「そんな背景がありまして、今は開店休業状態ですね、恨みを持つ貴族の方達が良からぬ噂を流したのが原因です。」

「組合の方でもランクを越えるクエストを、傭兵に求めた事で規約違反、国王と貴族に抗議し違約金と迷惑料を払ってもらいました、組合を敵に回すと、その国で行われている組合の営業を停止、他国へ撤退する事があるんです、過去に他国で6回位でしょうか?そんな事がありました、今は運営しています。」


千尋)(組合を敵に回さないほうが良さそうね)


アーベル)「しかも運の悪い事に、そのクエストを発注した貴族が、ここの領土の領主モルブ何だからよ、厄介なもんだぜ、しかも奴等このトラシュへの食糧すら出し渋ってやがった。

奴等貴族のお陰で他国へ移動したくても、クエスト蹴っちまってから噂が流れてクエストが来ねぇ、なにより懐が心元ねぇんだ。

トラシュは食糧は高ぇし、武具の手入れだってしなくちゃならねぇ、はっきり言って詰んでんだ、だから穣ちゃん出すクエストに飛びついた訳だ報酬もいいしよ。

つっても傭兵団からしたら、大した金額じゃねぇが無いよりゃましだ、飯の種位にはなる、ま、そんな訳でよろしくな!」


千尋)「ええ、こちらこそよろしくお願いしますねアーベルさん、私の事は千尋と呼んでくださいね、馬車は組合の入り口傍に停めてあります、大きいので直ぐ分ります。」


馬車の元へ行く。


千尋)「ライアネ登録済ませちゃいましょ、馬車の護衛はこちら傭兵団銀の鷹団長アーベルさんが引き受けてくれるわ、組合長さんにも呼ばれているから一緒にいきましょう。」


アーベル)「傭兵団銀の鷹のアーベルだ、千尋の姉さんに今日1日雇われたよろしく頼む。」


ライアネ)「アーベル様ですね馬車の方よろしくお願致します。」


アーベル)「あ~固っ苦しいの苦手なんだ、様なんてむず痒くていけねぇ、気軽にアーベルって呼んでくれ。」


ライアネ)「諦めてください、私は千尋様以外基本デスマス調丁寧語です。」

「それから千尋様に害をなすなら例え誰であろうと排除しますからそのおつもりで、私は千尋様の従者でメイドのライアネと申します以後良しなに。」


アーベル)「お、おう、このライアネって姉さん、綺麗だけどめっちゃおっかねぇな、馬車の護衛は任してくれ組合長呼ばれてるんだろ、余り待たせると拗ねるから早く行ってやりな。」


千尋達は組合長の元へ行った。


ーーーーーーーーーーーーーー


アーベル)「ベッソン!ザック!護衛に付くぞ、カレン他で燻ってる奴等呼んで来い、このデカイ馬車空間拡張が使われてやがる、今回のクエストは大きな山になるかも知れねぇ。」


カレン)「いつもの団長の勘って奴かい?団長の勘は何時も当たるから怖いねぇ。」


ベッソン)「今回は受動的に動いた方がいいかもしれない、どんな事をやらされるか皆目見当も付かないからな。」


ザック)「そうっすね、団長の勘はとんでもないっすから、しっかしデッカイ馬っすね、あれぺルシュロンっすよ、あれなら買ったら1頭赤金貨3枚は軽くするっすね。」


この世界では速い馬より馬車を引く力強い馬が大変重宝される。


アーベル)「あの着ている服、それにこのデカイ馬と改造されたデカイ馬車、普通じゃまず手に入れる事すら難しい、この国の大商会ですら3件位しかいねぇ、他国でも似たような物持ってる奴はソコソコ居たが。

只の見張りに報酬に金貨2枚、魔装や魔道具なんて聞いた事すら無い。

15歳でこれだけの物を預ける親なんてのもまずありえねぇ。

ありゃ異質だもしかしたら凄腕のアルケミストか、ウィッチの可能性が濃厚だ、すげぇ当たり引いたかもな。」


カレン)「おや?そんなにかい?貧乏くじかと思ったら、こりゃ楽しみになって来たわねぇ、ちょっと気合入れたほうがいいかもね、分ったよ今から呼んでくるよ。」


-----------------


3階の扉がノックされる。


女組合長)「入りなさい、始めまして保科千尋さん、私は種族エルフィナス、ハイエルフ更に上の最上位種だ、名はリンデル・マルラス、トラシュを担当する総合組合の組合長をしている。

で?レシィから話は聞いたが日ノ本の国出身だとか、聞いた事の無い国だね、この近くに在るの?私が知る限りではこの辺りに国など聞いた事は無い。」


千尋)「さる方に報償として土地を賜りまして、最近建国したばかりの国なので知られていないのは仕方ないですね、錬金術を使って人里からかなり遠く離れた地から、空間移動転移でこちらに来ました、我が国と違ってこの土地に住まう人々の技術はかなり遅れていますね。」


リンデル)「馬鹿な!空間移動転移だと!?・・・・・まさかそれ程の技術が発展した国とは思わなかった、しかし何故この国へ?」


千尋)(良し誤魔化せた、これで何処に在るかは特定されないぞ)


千尋)「見聞を広める為の行商です、なれば店舗を増やして行きたいと思っていますし、いい物を売って誰かの役に立てばいいかと思っています、後は簡単な事で良ければ技術の提供も視野に入れていますよ?。

そうですね例えば、食事事情の改善この料理スキルブックは、日ノ本の料理と調理技術も詰まっています、お近付きの印に差し上げます、私も最近調理技術が含まれている事に気が付きまして。」


リンデル)(他の技術も少しでも手に入れば儲け物なのだが、これらを真似るには相応の努力が必要になるな、明らかに技術力の違いが大きく出ている、これから利用して貰えるなら全総合組合としても得る物がとても多く在る、損は無い筈多分)


リンデル)「いいのか?貴重な物だぞスキルブックは、折角の申し出だ貰おう、使って見ても構わないか?」


千尋)「どうぞ、必要なら穀物や野菜も販売してますよ、スキルブックに料理のレシピと調理スキルはありますが、残念ながら調味料のレシピは載っていませんでしたので、私達で作り出した調味料を売ります。

後は自力で試行錯誤しながら同じ物を作っていくしかないですね、調味料レシピは売りませんから諦めてください。」

「他にも日用品、武具装飾、魔装は威力と守備が主ですね、抗魔装備バニシュメント系はゴースト、アンデット、感染や呪いを防いで切り裂いて砕きます、光迅装備素早さ重視になります、かなりお値段が張りますが空間拡張したマジックテントも売っていますよ。」


千尋)(殆ど調味料、日用品、腐葉土、農作物の種の半分は課金購入なんだけどね)


リンデル)(調味料レシピは諦めるしかないか、早速本を開いて見るか。

な、なんだこの料理に対する情報量は、進んでいるなんて物じゃない、これは飛躍だ!なんて美味しそうな料理レシピの数々、スキルブックから得た調理スキルそして弱鑑定。

ゴクリ・・・これだけでも十分過ぎる価値だ、やはりこれは全総合組合が全力で支援しなければいけない案件だそして保護しなければ、知らない野菜もかなりある様だ、そうなると野菜の種も売っていると見てもいい、それらを植えて育てる事が出来れば、フフフ夢が広がる。)


リンデル)「千尋さんは食料品や作物の種も売っていたりしないかな?」


ライアネ)「売っていますよ、只、土壌の問題もありますので腐葉土含めた抱き合わせ販売になりますが、構いませんね?」


リンデル)「そうか有難い、変わりと言っては何だけど、全総合組合は千尋さん・・・いや千尋殿と錬金魔道商店バニーラ商会を保護対象とする。」

「これは通信用の魔法水晶板で全総合組合に伝えておくから大丈夫、今後貴族や国が難癖付けてきたら総合組合に報告してくれ。

お店を持つなら総合組合の加盟店として守る。」


レシィ)「商人ランクと鍛冶建築をΩランクに上げてしまいましょう、こっちは魔物やモンスターを討伐する訳ではないし、扱っている商品の品質や、品物の取り揃えによって決まりますランクアップは緩い方なんですよ、それもあって本部の方でもΩランク許可は下りるでしょう、ただ冒険者と傭兵、クランは諦めてください、実績とそれに見合った強さが無いとランクが上げられませんから。」


千尋)「あの何故、品質と扱ってる商品だけで?、Ωランクに上がってしまうのは申し訳ないんですけど。」


レシィ)諦めた方がいいですよ、私から見てもこのボールペンと紙が手に入るだけでも、とんでもない規模でそれらの商品を求めて商人がやってきます、更に申し上げるとマジックテントは、まだ誰も錬金術で作られた事が無い品ですよ?、ダンジョンでも小さい物しか手に入りませんから、特に空間拡張したテントともなると国宝級になります、そんな物を売っているのですからΩランクになるのは当たり前です。」


千尋)(あ、だから第3騎士隊の人達は家宝にするんだね納得、う~作ったんじゃなくて課金で買ったんだけどねなんか申し訳ないです、期せずしていきなり商人と鍛冶建築が最高峰のΩランクになっちゃったけど良いかな、守って貰えるし余計な虫が寄ってこなくなるし、期待を裏切らない様にしていきますか。)


千尋)「分りましたこれからよろしくお願いします、差し当たってトラシュで店舗となる店を開きたいのですが、家か土地を売って頂けませんか?」


リンデル)「トラシュに店を開きたいと、ふむむ~~在るにはあるが、スラムやかなり危険な街の外位しか

残ってない正直お勧めできない、西や南の草原の方に町を広げていく予定ではいる。」


千尋)「ならこちらが西と南の草原側約1キロですが、土地を購入し防衛用の外壁と言うか、大きな城壁になっちゃいますけど作っても問題ないですか?勿論その土地は売っていただきます所有権は私で、管理は総合組合でお願いします、此れなら国も文句言えませんよね?」


レシィ)「なるほど、バックに私達組合が守れば良い訳ですね、向こうも強く言え無い、難癖付けたら組合が他国へ撤退し、モンスターパレードが起こっても助けないと言えば引っ込むでしょうね。」


リンデル)「千尋殿達は防衛用城壁?を作る事が出来るのかな?」


ライアネ)「出来ますねその城壁は、街の外とダンジョンの在る内側の両方に魔物モンスターを感知して迎撃し殲滅する機能があります、モンスターパレードが起こっても射程距離内なのでダンジョンの入り口で殆ど殲滅されます、直ぐにでも錬金魔法で作れますよ、日ノ本の城壁と同じ威力を持っています。」


リンデル)「なんだって!それなら直ぐにでも契約しようじゃないか、土地も直ぐ国に申請し組合管理地として千尋殿に売却すれば問題は無い、王都に連絡して土地を買い付けるので、2日程待ってもらえると有難い3日後に千尋殿に土地を売るので後は好きにして構わない、税の方は組合と千尋殿で1割ずつ余り税を重くしても旨味は無いからね、契約だけしておくから代金は後で構わない、私からは以上だ、何か質問が在るなら受け付けるぞ。」


千尋達とリンデルは契約書を交わす。


千尋)「第4騎士隊の猛将カルロス・ヴォルダー様にお会いしたいのですがどちらにいらっしゃいますか?」


リンデル)「猛将老のカルロス殿にか?」


ライアネ)「実はトラシュの町に来る前、調査に向かっていた第3騎士隊のルイス様と出会いました、夜になり支給されている物を拝見して驚きました、食事も碌な物が無く、夜を過ごすのにテントと毛皮だけでは凍えてしまいます、なので千尋様が破格の値段で商品を提供しました、結果的にカルロス様にも商品を売る事をお願いされましたので受ける事にしました、こちらがカルロス様への紹介状になります。」


リンデル)「剣碗のルイス様とお知り合いですかなるほど、確かに私の目から見ても、あの2つの隊は貴族達から嫌われている、嫌がらせも相当な物だ、まさか支給品にまで手を加えるとは、ロクデナシの貴族共め威張る事しか出来んのか!?。

おっとすまんつい力が入ってしまった、残念だがカルロス殿は今北の山岳地帯の調査に行っている、帰って来るのは1週間後になる、帰って来たら千尋殿に連絡を入れよう。」


叩かれたテーブルは真っ二つに割れている。


千尋)「有り難うございます、住まいの方なんですが、街の外南の門近くにマジックハウスを設置しますから御用の際はそちらへお願いします、あ、一つ浮浪者やスラムの人達をこちらで引きとって従業員にしても問題ありません?ついでに幾つかのお店と宿屋を勧誘しますが構いませんか?」


リンデル)「ほう?ハウスも在るのか、それはこちらとしても願っても無いがいいのか?。

皆仕事に溢れてな、こちらの方からもお願いしたい位だ、出来る事なら彼等彼女等にも普通に生活できるだけの食糧と仕事、金を保障してやって欲しい。」

「何せ鉱山は奴隷ばかりだし、組合登録は15歳からダンジョンはE-ランクに上がらないと入れないしな、店や宿屋でも雇える人数に限界がある、基本働けるなら歳は関係ないが、そんな理由もあって仕事が無い、浮浪者が増えてしまった、色々考えが千尋殿にはありそうだね。」

「ああそうだ!言い忘れていたよΩランクは王に意見できる程の地位だから、貴族程度は退けられるよ、理不尽にも手を出してくるなら反撃出来るから、大義名分とした理由があれば大抵の事は問題ないよ。」


千尋)「そうですかご配慮に感謝いたします、ではこれで失礼します」。


ーーーーーーーーーーーーー


リンデル)「レシィ~~・・・・君はとんでもない人材を連れてきたね、恐ろしいほどの技術大国かもしれない、城壁が魔物やモンスターを殲滅出来るなんて聞いた事がない、それに彼女達の強さは多分人外だろう出会った悪党共に同情するよ、まさかマジックハウスまであるとは思わなかった。」

「Ωランクにしておいて正解、下手な枷は付けないほう懸命、暴れられても良い様にしておくのが一番です。

本部もこれらを見せれば納得するだろうと思う、馬鹿でも分るこれだけの物を持っている等、今の時代ではありえないんだよ、羊皮紙程度ならまだ良かったんだが」。

「あ~良い忘れたけど千尋殿達がこの街に居る内は、専属担当として今後レシィ君がやりなさい、ほらさっさとライアネ殿の登録をして差し上げなさい下で待っているよ。」


レシィ)「えええ!?心労で倒れます、持ちません、お給金上げてください!?」


リンデル)「却下すると言いたい所だが、君が千尋殿の傍で、手伝いをしながら情報を流してくれるならお給金を大銀貨2枚上げよう。」


レシィ)「組合長腹黒いですよ?しかもお金に汚い・・・はぁ~ワカリマシタヤリマスヨ、デモナニカアッタラタスケテクダサイネ。」


リンデル)「何ですかその棒読みは、お金に綺麗も汚いもないのだよ、だから領主と国に適当な理由を付けて土地を買って渡せば、後のリターンは大きいんです王にも文句は言わせない、レシィさん頑張ってください。」


レシィ)(うわ~ん目が$になったロリ鬼がいるよ~。)




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ