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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

イケメンな俺のモテモテ男子校生活日誌

作者: T

 俺の名前は高橋優甫。穂村学園に通うごく普通の男子中学生・・・・・ なはずだ。


 しかし中学に上がってから、周囲の反応がおかしい。俺は平穏な学園生活を望んでいるというのに、周りがそれを許しちゃくれない様なのだ。


 「高橋様〜、お弁当作ってきました!昼休み一緒に食べましょうよ」

 「何だよ、てめえふざけんな!俺と食べるよな」

 「フン、貴様らの様な品性下劣な人間と高橋様が一緒に食事をとるはずなかろう。我と来るがいい、美しき愛しの人よ」


 こいつらは俺のストーカー三人衆、全員男性だ。一人目は郷田源五郎、とにかく名前と実物の差が激しい男だ。身長150cm、体重39kg。中性的な見た目と相まって、初見だと女と勘違いするやつも少なくないだろう。


 「てめえらうるせえぞ。高橋が迷惑しているのがわかんねーのか」


 この一番うるさくて迷惑な男は安川友和。イケメンだが粗暴で、少し乱暴な面がある。身長170cm体重64kg。中学一年でこの体格だから、かなりがっちりしている。この体格の男に付きまとわれているんだから、たまったものではない。


 「貴様の声は耳障りだ、消えうせろ。我と高橋様の愛の巣からな」


 この妄想癖爆発の厨二病男は神居半斗。こいつの中ではすでに俺とこいつは付き合っているらしい。この妄想力には吐き気を覚えるが、いかんせんいい奴なので無碍にもしづらいという、ある意味一番厄介な奴だ。


 

 「はあ〜。高橋様いい匂い」


 いつの間にか郷田は俺の背中に顔を擦り付け、匂いを嗅いでいる。あまりの気持ち悪さに俺は思わず郷田を弾き飛ばしてしまった。


 「いやーん」


 オカマ全開の声を上げながら、郷田が吹っ飛ばされる。少しやりすぎだったかなと思いながらも、申し訳ないが気持ち悪いなとも思ってしまった。


 「全く、郷田にも困ったもんだ。なあ高橋」


 そう言いながら安川が俺の肩に手を回し、さりげなく肩を抱き寄せてきた。男臭い汗の匂いが鼻をツンと刺激する。


 「なあ、お前臭くないか」

 「そうか? つい三日前に風呂に入ったけどな」

 「ふざけんな」


 俺は渾身の力を込め、安川を投げ飛ばした。そういえばこいつも郷田同様匂いフェチの気があり、前に体操着を盗まれたことがあるのをすっかり忘れていた。これからはこいつの半径4メートル以内には近づかないようにしようと、俺は固く心に誓う。


 「奴らのような下賎な者共に関わることもなかろう。これは高橋様の分の弁当だ。一緒に食べようぞ」

 

 神居が俺に弁当を渡そうとしてくる。三人の中では比較的害悪度が低く、宿題を見せてくれたりもする神居だが、俺はこの後用事がある。神居の弁当の誘いを断り、用事のある体育館裏に向かおうとした時だった。


 「そうか、いつまでも待っているからな。ダーリン」

 「いや、俺はお前には一切興味ないからね」


 最後の「ダーリン」を聞いた瞬間、首筋に寒気が走った。やはりこいつらは危険だ。特に悪意がない分、こいつが一番の癌なのかもしれないとすら思ってしまった。一方的な愛情は時に殺意以上の恐怖となる。俺は奴らから逃げるために、体育館裏まで走って逃げ回らなければならなくなってしまった。


 「ハァハァ」


 なんとか目的地の体育館に着いた。心臓の鼓動は早まり、汗が額から滲む。


 「よ、なんか用か。久しぶりだな、元気してたか」


 3年生の先輩、竹内先輩だ。彼とは小学校時代からの付き合いで、いつも一緒に遊んでもらっていたのだが、彼の中学進学以来、連絡が途絶えていた。俺は彼と久しぶりに話をするために、こうして体育館裏に呼び出したのだ。


 「あの、その」

 「どうした、息が荒いぞ。走ってきたのか」


 竹内先輩はいつもの美声で、俺を心配してくれる。俺は深呼吸をし、話を切り出した。


 「あの・・・ ずっと前から好きでした。付き合ってください」

 「本当か・・・ 実は俺も・・・・ 。お前のことずっと可愛いなって」

 「先輩」


 俺たちはその場で抱き合い、愛を確かめ合う。俺はついに愛の障害となるストーカー共の妨害を乗り越え、真実の愛を得たのだった。


 


 


 

 

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