小さな集落:B
モズが買い物に行っている間三人は家の片付けをしていた。
ポプラは、三人をこき使いつつも手際の良さを賞賛してもいた。
「なかなかいい感じね」
「そりゃあどうも」
掃除の最中空が素朴な質問を問いかける。
「結局のところあんたは何者なんだ?」
「それ私も気になってた」
ポプラは一つため息をつくと簡単な回答を返した。
「科学者の娘よ」
「科学者ではないのか?」
「違うわ、それなりの知識はあるけど、父ほどまでには及ばないわ」
空は話を聞いて、一つ詰まっていた疑問を問おうとする。
「と言うことは、君の父って…」
疑問の答えを聞こうとすると、モズが帰ってきた。
『おや。タイミングが悪かったようですね』
「いや、いいんだ。俺も藪から棒にいろいろなことを聞こうとしていたからちょうど良かったよ」
空の中にその疑問は溜まって行った。
ポプラが、モズの買い物の中身を確認し再び椅子に座る。
モズは荷物を下ろすと帰り道で考えていたことや、伝えることを話した。
『ポプラ殿、肉屋の店主や雑貨屋の店主が宜しくだそうだ』
「あら、そんなことまでごめんなさいね」
『それはいいのだが』
「どうしたの?」
『このことは三人にも聞いてほしい』
「なんの話だ?」
モズが家の中の人を集め話を始める。
『ポプラ殿聞いてもよろしいか?』
「何よ、なんでも聞いてちょうだい」
『では遠慮なく。なぜこの集落は子供ばかりなんですか?それに、子供では仕留めることのできない動物の肉や、子供では作ることのできない物の数々、一体ここはなんなんですか?』
ポプラは、その質問を待っていたかのように答える。
「最初に答えるのはそうね、なぜここがそんなに質の良いものが置いてあるかって質問についてだけど。答えは単純よ、ここには達人や職人が揃っているの」
海斗はその答えに不信感を抱いていた。
「それにしてもおかしくないか?」
「そうだな」
「どう言うこと?」
リーチャオの疑問に空が答える。
「簡単に言うとだ、なんで達人や職人が揃ってるのに子供ばかりなのかってことだ、その域に達するにはそれ相応の時間がいるはずだからな」
リーチャオは、そうかと頷く。
その質問に対しポプラは返答する。
「その答えは、モズの質問とも結びつくわ。ここの人たちはね、元々それ相応の年齢だったの。でもね、ある時軍の襲撃があった、そこで大人たちだけがさらわれることに気がついたのよ」
「大人たちだけが?」
「そう、大人たちだけ。だから私は考えたのよ、だったら子供に戻れば良いってね、ちょうど若返りの研究もしてたし好都合だったのよ。それからしばらくして若返りの研究は成功、思ってた通り子供はさらわない様子だったわね」
「だが、なんで大人が何人かいるんだ?」
「それはね、私の研究を受け入れなかった人たち。その時子供だった人たちだね、私の研究は子供には適用できなかったからそれでね」
そのことを聞いて、三人にはまた一つの疑問が浮かんだ。
それはそのことをなぜミスト軍にいたモズが知らなかったのかと言うことだった。
ミスト軍にいたモズで有ればこのことを知っていたはず、しかしなぜこのことを知らないのか。
空は気になりモズに問うことにした。
「なあ、なんでお前はそれを知らなかったんだ?」
『それは、僕は直接的に何をしているのか知らないからです。あくまで僕は戦略を練流だけの仕事でしたから』
「なるほどな」
空が納得すると、ポプラは再び口を開いた。
「これも言っておかなきゃいけないわね」
『なんのことですか?』
ポプラがモズに指をさし一言放った。
「あなたは私が作った人工知能よ」
三人は一斉にモズの方へ目線をやった。
モズはその言葉にロボットながらにして腰を抜かしてしまった。
モズの正体は人工知能という以外自分でもわかっていなかったようで、彼自身も疑問だった。
ポプラが言ったモズは自分が作ったものだという発言に対し三人は動揺していた。
しかし、動揺しつつも契約通り食事を作らなければならなかったので空と、海斗は食事の支度を始めた。
「まさか、そんなことがあったとは。なあ、空」
「なんだ?」
「いや、ちょっと疑問だったんだが、ポプラの親父ってまさか」
「奇遇だな俺も同じことを考えてた所だ」
そんな二人を見てポプラが遠くの方から叫ぶ。
「ほら無駄口叩いてないでさっさと作る」
「「は、はい!」」
二人はポプラに弱かった。
二人が食事の準備をしている間リーチャオとモズは選択をしていた。
リーチャオは洗濯物が全て同じだということに驚いていた。
「ねえ、ポプラちゃん」
「言ったでしょ、私はあなた達よりも年上なの。だったらわかるわね?」
「わかりますポプラさん。それよりも、ポプラさんは同じ服しか持ってないの?」
「そうだけど」
リーチャオはポプラの肩を掴み顔を近づける。
「ダメよそんなんじゃ!女の子なんだからちゃんとした服を着なきゃ。全部白衣なんてダメよ!」
リーチャオの迫力に押されるポプラだった。
どうやらポプラはリーチャオに弱い様だった。
「わかったから離して」
「あ、ごめんね。今度私と一緒に服を買いに行きましょ?」
「べ、別に構わないわ」
絵に描いたようにふてくされるポプラだった。
料理をしていた二人の手際はよく、二人で店を出せるほどの実力を持っていた。
ポプラとリーチャオは、できた料理によだれを垂らしていた。
「さあ、食べて良いぞ」
「「「いただきます!」」」
ポプラは本当に空腹だってらしく、目の前の料理にがっついていた。
三人はそんなポプラの様子を見て喉を鳴らし、同じように料理を食べ始めた。
食事を終えた空がポプラに本題を突きつけた。
「で、だ、俺たちはあんたのいう通りに家事をこなしたわけだが、話してくれないか、俺たちの知りたい情報ってのを」
「いいわ、話してあげる」
ポプラは顔色を変え話しを始めた。




