手紙
リーチャオに連れられ病院へ着いた一行。
海斗の怪我の容体もあり、この街に三日ほど滞在する事となった。
海斗を病院に置いていき、海斗を抜いた3人で街の観光をすることになった。
「まさか、海斗の怪我が其処まで酷いとはな」
「空、お前、車の中で海斗が痛いだの言ったの聞いてなかったのか?」
「全然、全く、考え事してて聞いてなかった」
ヘンリーは血も涙もないなどと心の中で思っていた。
そのことを察した空はヘンリーをなんとも言えぬ顔で見つめていた。
「あんたらって車で旅してるの?」
「おお、そうだが」
「ハイテクね〜、私なんて徒歩よ徒歩。足は疲れるわ荷物は重いわ。大変なんだから」
リーチャオがそんな愚痴を漏らしていると、一人の男がこちらへ近寄ってくる。
「あんたらかい?奴らと戦って生き残った旅の輩ってのは」
「多分そうだ」
「そうか、お前らか。実はな、この手紙を渡してくれと頼まれたんだ」
「一体誰に?」
「分からねえ、ただこれを渡してくれと言ったのは薄汚い服を着た男とその他大勢の旅の者だったな」
渡された手紙にはこう書かれていた。
空へ
よう!元気してたか?父さんは元気だ。ついでに美咲もな。ところでこの手紙を読んでいるってことはここの街に着いたってことか。ちょうど女の子でも一緒じゃないのか?宿もないだろ。宿のことは心配するな。一緒に入ってるこの写真を街の隅にある宿屋の主人に見せてくれ。きっと良くしてくれるはずだ。まだまだ俺のいるところにはたどり着けないだろうが、まあ、死なない程度に頑張ってくれや。
愛しの父より
「なんの手紙だったんだ?」
「父さんからだった」
「何だって!?で、内容は何だったんだ?」
ヘンリーに手紙を渡そうとすると、手紙の裏から一枚の紙がヒラリと落ちてきた。
「ん?なんだ?」
空がその紙を拾い上げ、何が書いてあるのかと確認するとそこには若かりし頃の父の姿と、母の姿、姉の姿、そして幼い自分の姿が写っていた。
それは、以前空の部屋に置いてあったのと同じ写真であった。
「なんで、この写真が…」
「どうしたの空くん?」
空の頬を流れ落ちる一粒の雫。
「泣いてるのか?」
「大丈夫だ二人共。ただ、父さんがこの写真をまだ持ってたことに驚いただけだよ」
「だが、何故この写真を見せるんだ?」
「分からない、とりあえず行ってみるしかない」
三人は空の父からの手紙に書かれた宿屋へと向かう事にした。
その事を病院に入院している空にも伝える事にした。
「なるほど、お前の親父さんからの手紙か、大丈夫だ俺の事は気にせずその宿屋へ行ってくれ」
「いいのか?」
「まあ、気にならないと言ったら嘘になるが。今は俺自身も怪我を早く治したいからな」
少し残念そうにする海斗の姿を後に三人は病院から出た。




