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確かめたい事2の件

今日もよろしくお願いします!

「あの・・・セルフィ様・・・?」

額がくっつきそうな目の前に宇宙の様なセルフィの瞳が美しく広がった。


「ああ、やっぱり。リョウ君は僕の術にはかからないみたいだね?残念。シルフィーヌの『印』が見たかったんだけどな?」

「・・・・なぜやっぱりなのです?」

「リョウ君も人を惑わせる事が出来るだろ?」


まどわせる?・・・・あ、まさか、フェロモンお化け状態?


「うーん、その・・フェロモンが出るみたいなんですよね?どうして出るのかもどうすれば出るのかもわからない・・けどその状態のシルフィーヌを見るとなんか、その相手が言いなりみたいな状況に出来る?と言えばいいのか・・・うーん、ひょっとして声のせいかな・・?」

「僕が瞳で人を操れるように君は声で操るんだ?ますます興味深いよ。ああ、なら僕の『印』を見るかい?何か解るかもよ?」

そう言うとセルフィは俺の返事を待たずにサッサと上着を脱ぎ始める。

「あ、あの、セルフィ様!?さすがに二人きりでそれは!」

俺はセルフィが白のシャツのボタンを外しかけたその手を押さえる。

「サロメ!!サロメ!!戻って来て!お願い!」

俺は隣の部屋に消えたサロメに叫ぶ。


すると勢いよくドアを開けてバルトが飛び出してきた。

「シルフィーヌ!どうした!?」

「バルト!大丈夫なの?」

「ああ、サロメ様に背中を何度か叩いてもらったら嘘みたいにスッキリした。それより、セルフィ様!?」

その後ろからサロメも顔を覗かせる。

「何?シルフィーヌ?セル兄様、何もシルフィーヌにして・・って!何で脱いでるんです!セル兄様!」

「リョウ君とお互い『印』の見せ合いっこ!!」

「いや!そんな事してません!止めて下さい!セルフィ様!」

「シルフィーヌ?」

「ち、違う!バルト!そんな事しない!私の印は左胸にあってその・・胸が邪魔で・・その・・見えにくいのです。だから・・・無理です。セルフィ様」

「ああ、なら持ち上げてあげるよ?ハイ!胸出して腕上げようか?」

「セル兄様、触ったらお仕置きです。それもカルロスお兄様から」

俺の胸を掴もうと伸ばしたセルフィの手をサロメが素早く叩き落とす。

バルトも素早く俺を抱き上げると肩に担ぎ上げた。

「バ、バルト・・」

「カルロスに言わなければいいじゃないか?サロメ。見たい!」

「ダメ!!女の子、簡単に()かないの!兄様!!シルフィーヌ剥いたらバルトが宣戦布告するわよ!!」

バルトがセルフィをきつく睨み頷く。

「チェッ!みんな他の人は僕が言うと喜んで触らせてくれるのにな?・・・別に交尾し」

「セル兄様!!お仕置き決定!!」

「えっ?何で・・?サロメ・・・?」


・・・大人、怖ッ!!それにお仕置きってなに???



「ほら?シルフィーヌと同じ紋様(もんよう)はないかい?」

セルフィはどうせお仕置きならいいや、と笑って背中を向けるとシャツをサッサと脱いだ。

その背中はシミ一つない白い滑らかな肌で美しい双方の健康骨が羽の付け根の様に見える。

そしてその下にはハルクとあまり大きさが変わらない『印』がうっすらと浮かび上がる。


「バルト、お願い、下ろして?」

バルトが素直に下ろしてくれた。

「セルフィ様。見せて頂きますね?」

「ああ、じっくり見て僕に教えて?そうだねぇ・・・例えばシルフィーヌの『印』は僕と同じで6つの小さな紋様が円を(つかさど)りその6方向から中心に向かって交差する真ん中に何か模様があるかい?」

「ええ、ありますね。セルフィ様の渦巻のような紋様と同じ物があります。そして造りがよく似ています。ですが私は13の紋様があり外円が8個内円が5個なのです」

「13?二重で13だって?凄いな・・・ハルクでも9つで一重だ・・・僕のは『ブラックホール』その名の通り〝黒い穴”で相手を(ゆが)めることが出来る。まあ、これが人を操れる源なのかなって。じゃあ、リョウ君のは中心におたまじゃくしみたいなのが二体お互いのしっぽを追いかけているのもあるのかな?」

「両方有ります。と言うかおたまじゃくしが後から現れました」

「変化した・・・?まさか、交わったのか?」

「えっ!!そんな事していません!してない!本当に!バルト!信じて!」

「体の交わりじゃない。心の交わりだ」

「共鳴の事ですか?セルフィ様。なら俺ともレオリオ王子ともシルフィーヌはしています」

「変化する前は?その前はどんな・・?」

「変化と言うか・・・初めはセルフィ様と同じ。次は太陽と黒い三日月を重ねたのが増えて、その後がおたまじゃくし」

「凄いな!!太陽と黒い月ってのがハルクのと一緒だ!『シヴァ』だ!創造と破壊の神!!」

「ああ、ハルクは私の事『セクメト』と」

「ああ、そうだね?そうだ。リョウ君、子供好きだろ?」

「はい。大好きです。それになぜか好かれるし。ああ、子供から見ると私は見分けやすいそうです。5歳の子供に『光ってる』と言われました」

サングリート、リリアナを思い出す。参賀の時のロトの名を呼ぶ子供達の声が耳に響く。

「『セクメト』と『シヴァ』も善と悪を持ち合わせた神だがより慈愛が強いのは『セクメト』で子供の守り神でもある。僕も子供が好きだ。それに子供に異常に懐かれる。僕は光ってはいないけどね?やはり興味深いねぇ、君ら兄弟は」

「その事ですがセルフィ様。なぜ、ハルクと同じか分かりますか?」

「考えられるのは血をわけているから」

「兄弟だったのは前世のはずだよな?シルフィーヌ」

「ええ、バルト。だから血を分けたルカとは同じ紋様があるわ。セルフィ様、『印』が変化する条件は共鳴と血を飲むことなんですか?ホメロス王がしたように」

「確かに『印』持ち同士ならそれらで可能だよ。だが、ホメロスがやった事は『印』持ちを産める可能性のある者達を犠牲にした。だから彼の『印』は変化したのだが変化するまでに5年以上、どれだけの犠牲者を出し、『印』持ちが出来るこの世界の歴史を塗り替えて行く可能性さえも葬り去ったわけだ。許しがたい」

「・・・・私はハルクの血を飲んだのです。7年前、ハルクが私を迎えに来た時に。私はまだ前世の記憶が(よみがえ)っていなかった。だからハルクに抵抗し、手に噛みついたのです」

「その時に口の中にハルクの血が?」

「ええ。その後、気を失って飲み込んでしまったようです」

「なるほどねぇ?偶然とはいえ・・・いや、この世界、偶然はあり得ない、必然だな。面白い」

セルフィがシャツを羽織り考え込む。

俺は横に立つバルトの手をそっと握る。


「セルフィ様、おたまじゃくしが『ウロボロス』の『救いの印』なのですか?」


「ああ、そうさ?『勾玉巴』、『ウロボロス』と呼ばれたの男の話をしようか?バルト」


バルトが俺の手をぎゅっと握り返した。









いつも読んで頂きありがとうございます!

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