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※仕上げの件※

今晩はです!

今回は残酷ですので苦手な人はスルーでお願いいたします。

読まなくても次話で解りますので。

怖いの大丈夫な方だけよろしくお願いいたします!

カシューダ王国宮殿地下にある石畳が敷き詰めてあるこの広い部屋は間違いなく普段から拷問や処刑を行う場所なのだろう。

とても据えた匂いが鼻につき、何とも言えない暗さの中に松明(たいまつ)の明かりがその殺風景な部屋の壁や足下に飛び散った血や肉を浮かびを上がらせていた。


その中でホメロス王とイムホテップ最高神官が対峙している。

いや、既にイムホテップは立つ力もなく、その場に膝を着け片手で握る剣はもう何の役にも立っていない。

自分から流れる血が目に入り、目前のホメロス王の顔も満足に見えていない状態だろう。

それでも無言で己の身体を切り刻むホメロス王に呪いの言葉を吐き続けていた。


そしてその言葉が途切れるとホメロス王はイムホテップのそのか細い首をためらいなく()ねた。

まるでバットに当たったボールのようにその首は軽く跳ぶと暗闇が広がる部屋の石畳みの隅に転がった。


全てが終わるとホメロス王は無言でイムホテップが掴んでいた剣を取り己の胸に突き立てると一気にその刃を押し込んだ。


その巨体が音を立てて床に崩れ落ちると一度大きく痙攣し静寂が訪れた。


血が、流れ出る大量の赤い血だけが床に広がりブーツの靴底を濡らす。


その一部始終を部屋の入口に立ち見届けた解放軍ホスと帝国軍ハルク、そしてバルトの足下を。



血生臭いその部屋を3人は出ると部下達が待つテントへと向かう。


「ホス、約束通り王の身体は帝国軍がもらい受ける」

「お約束ですから。我々は人神がこの国からいなくなったと言う確実な事実だけがあればいいのです」

「では王は処刑されたと皆に公示するがいい。そしてこの国にはもう人神などは必要ないのだと自分が指導者となる事を明日にも宣言するといい。お前がこの国の舵を取り新たな国を作り上げるのだ。帝国軍もこの国に必要な物資は支援し、組織作りなどの知恵も与えよう。ただし、イムホテップ側に着いていた貴族や神官は全て始末してもらう。軍事裁判に掛ける前に全てだ。そして残った貴族や神官は軍事裁判に掛け公平に扱え。まあ?基準はお前達の好きにすればいい。ああ、そいつらの財産は全て没収し、この国の再建の費用に当ればいいし、土地は国家の物とし公共公益の場として活用するのだ。例えば国民が同一に学べる場所とするがいい。しばらくは国民が方向性を見失い混沌とするだろうから帝国軍が整備を手伝うが、ホス、お前は遠慮なく自分の意見を言い、中心となって皆を引っ張って行け。俺の出番はこれまでだ」


「帝国軍はこの国を将来的にはどうする気なのですか?」

「どうもしない。今言った通りだ。お前達がどう再建してどんな国造りをするのか見守るだけだ」

「いままで時間をかけ、金をかけ、そして?この国を植民地にはしないと?」

「帝国軍が欲しかったのは〝王の身体″だ。それに悪いが国の基準が低すぎて傘下に組み入れる必要がない。だが、いずれ傘下には置けるように国民の教育と復興には口を挟ましては貰う。その基準に達するようにお前達が国民を導いて行くんだ。心の貧しい民がいない国作りを目指せ。まあ?簡単な事じゃないがな?だが何もないと言う事はどんな形にでも持っていけると言うことだ。そう考えると希望はあるだろうよ」

「・・・・心が豊かな民が多い国・・・ぜひ、そう在りたい・・・はい、肝に銘じます」

「これからがお前の正念場だがな?」

「きっとこの恩は貴方に返します。ハルク」

「恩だと思っている間に返してくれるといいがな?ククッ。まあ、いずれは帝国に、皇帝に返すといい。ああ、そうだ。管理官、なんと言った?バルト、あの管理官の名前?」

「トトとしか聞いてないが・・?」

「トト・ヴァシル管理官ですか?イムホテップの部下です。彼はこの国でも有数の有識者です」

「ああ、多分そいつだ。ホメロスの捕獲に一役買ったのだ。俺に恩を返すならそいつの命、一度見逃してやってくれ」

「我々もいきなり神殿やピラミッドを取り壊すわけには参りませんから管理官は必要ですし彼はとても明朗で穏やかな性格ですのでぜひ、国の復興に力を貸してもらいたいと思っていた一人です」

「ああ、その事は本人に了承済だしやる気になってるからな?お前の右手になってくれるだろう。頼んだ」









大丈夫でしたでしょうか?

今日は2話投稿。良かったら続きもどうぞ。

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