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サロメ&レイモンド来襲の件

今日もよろしくお願いします!

「貴女じゃなくてよ!貴方よ!ダン!」

「はっ?私ですか?サロメ様?」

「そうよ!まだ私と踊ってないでしょ?」

「えっ?いや、これから私は」

「ああ、ダン、私、何か疲れちゃったから後でお願い。先にサロメ様と踊ってらっしゃーい!」

ってサロメにダンを付き出した。


「えっ、いや、姫!私は、姫と」

ダンが俺を振り返るが俺はごめんと手を合わせる。


「早くしなさいよ、早く!ダン!踊ってあげるって言ってるでしょ?」

「いえ、サロメ様、私は今からシルフィーヌ様と」

サロメがそんなダンの言葉は無視し手を引っ張ってサッサと歩いて行く。


「姫~!!」


すまない、ダン・・・・お前の犠牲は無駄にはしない・・・・





「シルフィーヌ様」


ん?

後ろから声を掛けられたので振り返ると先日のアイリーンの護衛が立っていた。

ああ、えっと確かこいつは・・・


「レイモンド様・・・・?」

「あ、これは。光栄です。名前、覚えていて下さったのですね。はい。アイリーン様のお付きのレイモンドです」

ニッコリ笑うそのアイスブルーの瞳はとても魅力的だ。


あれ・・・・?誰かに似てるな・・・?


「今日はお一人ですか?アイリーン様は?」

「あちらに」

レイモンドが右手を差し出す先にアイリーンがハルクに手を引かれ躍り出るところが見えた。

なんだ、上手く行ってるじゃないか?

二人共見つめ合って凄くお似合いじゃん?


「綺麗ね?アイリーン様」

「ええ。ハルクなら安心して姫様を預けられます。シルフィーヌ様もそのお色とても良くお似合いですよ?先日の軍服姿の姫も素敵でしたが今日はとても可憐な一輪の百合のようだ」


うわっ・・・・・!!

よく、歯が浮かないな?

まさか、昨日の催眠術がかかったままじゃないよな?・・・大丈夫か?こいつ・・・


「・・・・・・・・あ、どうも」

「姫、よろしければ一曲お相手願えませんか?」

とても紳士的に腰を折る。

「はぁ、えっと・・・・」


バルトは?あ、ダメだ、凄い数のお姉様に言い寄られてるよ・・・

あ、じゃ、アレン・・・・って、同じか!?お前らやっぱり凄くモテるんだな!

 

俺の視線に気付いたのか、レイモンドが口を開く。

「アレンは私の弟なんです。あいつ、貴女様に無礼を働いてませんか?」

「えっ・・・?あ、そうなんですか?そうなんですね?あ、なら喜んで。レイモンド様」


なんだ、アレンの兄ちゃんか。なら安心だ。そうか、そうだよね?確かにアレンと顔立ち似てるや。


曲が始まる。

あ、比較的優しいワルツだ。良かった、話出来そう。


「レイモンド様はずっとアイリーン様の護衛を?」

「はい。私は近衛兵第一部隊長でアイリーン様は近衛兵長ですので私の上官なんです」

「えっ?アイリーン様が?アイリーン様が部隊長を?まさか、アイリーン様、お強い?」

「ある程度は嗜まれますよ。普通の男なら互角に戦われます。サロメ様も陸軍第二部隊中将ですし」


あれっ???兄貴のゲーム、ヒロインってパーティに入って戦うなんて設定なかったよな?

本当に俺が守ってあげなきゃオーラ全開の可憐な美少女だったよな???


「そうなのですか?・・・では皇帝陛下もお強いのですね?」

「総督ですからね。軍を率いるのは陛下とハルクが中心です。皆が二人のその実力に納得しておりますから」


ハルクと互角って事か?それ以下ではなさそうだな・・・そうか・・・それであの自信。


・・・ヤバイな・・・下手すると俺、危ないな・・・


「シルフィーヌ様も『印』をお持ちなのですね?」

「えっ?ああ、はい。女性では珍しいそうですね?」

「ええ、とても。ですのでお一人には絶対なられませんように」

「あ、それで・・・・ありがとう、レイモンド様」


ひょっとして俺を心配してくれた?


「いえ、私はアレンがシルフィーヌ様に嬉しそうに接していましたので是非ともアレンから姫を奪いたいなと」


ん?


「はい?レイモンド様?」

「冗談ですけどね。シルフィーヌ様、アレン、ハルク一筋なバカな弟ですが見捨てないでやって下さいましね?」

「レイモンド様?さっきの、私を奪うとか本当に冗談ですよね?」

「さぁ?」


あ、悪い顔で笑うな?こいつ。

でも、その笑いは凄くルカと似てる・・・そう、企んでるよね?兄ちゃん!!

まあ、いいか・・・・アレンの兄ちゃんだしな。


「アレンがハルクを好きなの知ってるんですね?」

「あれには家を継いで貰いたいと思ってますので正直早くケリをつけて欲しいですよ」

「・・・・・レイモンド様ご結婚は?」

「いやぁ、恥ずかしながらアイリーン様を慕っているのですが・・・・」


ゲッ!!兄弟で横恋慕かよ!!


「ハルクが申し訳ありません!!」

思わず頭を下げる。


「いや、嘘ですけど。フフッ、どうしてハルクの事でシルフィーヌ様が謝るのです?」

凄く優しい顔で俺の顔を覗き込みニッコリ笑う。


・・・・・・・・うわぁ、ヤバイぞ、ちょっと魅力有るぞ・・・

こいつ、絶対、タラシだ、絶対、彼女があちこちにいるタイプだ。


「・・・・いえ、ハハッ!レイモンド様、私、遊ばれてますよね?」

「可愛いいので構いたいのですよ?レイモンドと呼んで下さいね?シルフィーヌ姫様。ああ、宜しければシルフィーヌとお呼びしても?」


・・・・・兄ちゃん、アレンと全然違うな・・・メチャ、軽いんだけど・・?


「ええっとですね・・・・・・?・・・ハハッ」


踊り終えるといつの間に来たのかアレンがレイモンドから俺の手を取り上げた。


「レイ!シルフィーヌに手を出すなよ!」

「何だ、アレン?可愛いい姫を一人占めするなよ?どうせお前は興味ないのだろう?俺もようやく廻りあったようだ。運命の相手とやらにね?」

「はぁ???何を・・・・レイモンド様?」

「愛しいシルフィーヌ、レイでいいからね?」

「来い!!シルフィーヌ、こいつに寄るな!!孕む!!」

「えっ!やだッ!アレン!なに!?それ!やだッ!」

「失礼だな、アレン。それはちゃんと段取りを踏んでからだ。ではシルフィーヌ。またね?」

レイモンドがニッコリ笑って投げキッスだ。


うわぁ!!


俺とアレンは同時にそれを避けた。

アレンは俺の手をグイグイ引っぱり猛然と歩き出す。

「バカか!お前は!レイなんかに目をつけられたらほんとに孕むぞ!!」

「ええっ!!やだぁ!大人怖い!」




「きゃっ!」

「バルト!!ちゃんとシルフィーヌ捕まえとけ!!」


「ん?シルフィーヌ?なんでアレン?ダンはどうしたんだ?」

アレンはバルトを見つけると俺をいきなりバルトの胸に押し付けた。

バルトもそんな俺をしっかり抱き止め腕の中に閉じ込めた。


ちょ、バルト、みんな見てるから!


バルトの回りにいたお姉様方からちょっとなによ?みたいな声が上がる。


「ああ、お嬢様方、申し訳ないがバルト殿はこの姫の許嫁だよ。良かったら家の兄のレイモンド、慰めてあげてくれないか?今、姫に振られて傷心気味なんだ」


アレンがニッコリ笑って周りのお姉様方に言うとみんな頬を染めながらまぁ、アレン様が仰るならねぇ?ねぇ?仕方ないわねぇ?なんて言いながらもいそいそとレイモンドの所に向かう。


「うわ、露骨・・・・」

俺はバルトの胸に抱かれながら唖然とした。


「ふん、いい気味だ。レイモンド、年増に喰われろ」

アレンが毒気づく。


いや、兄ちゃん、案外、嬉しいんじゃないかな?ああ、お持ち帰り決定だな。


「助かったよ、アレン。次から次に話かけられて参っていた。それにすまなかった、シルフィーヌ。ダンがいたからって安心していた」

「別に何もなかったけど。それにアレンが来てくれたから大丈夫だったし。それよりあの?バルト?それ、お酒?」

「ん?ああ、お前はダメだぞ」

「ダメよ、飲んじゃ。もう!帰りましょ?バルト」

「バルトはもう15だろう?なら飲んでも構わないはずだろ?」


この世界は15歳から喫煙・飲酒可だ。


「ああ、アレン、シルフィーヌは自分が酒に弱いから心配してるんだ。大丈夫だ、酔ったりはしない」

「・・・・もう帰りましょ?ハルク戻ったら帰るわ、アレン」

「ああ、俺もダンが戻ったら帰るとしようか?バルト、飲み過ぎるなよ?」


何か自分が弱いからバルトが酔ったりしたら凄く不安だ・・・


「姫!酷いですよ!」

「え?あ、ダン!!さっきはごめんなさい!って・・・」


ゲッ!サロメ!!何でまたダンと来てるんだよ?


「次、貴方がいいわ。踊って下さる?」


サロメがバルトに真っ直ぐ手を差し出した。








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