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帝国軍第一部隊の件

今日は2話投稿、帝国編はじまりです。よろしくお願いします!


帝国軍の軍用船に乗り込むとだだっ広い甲板には第一部隊の強者共が規則正しく整列をしている。

ハルクと俺とバルトが高台から見下ろすと号令が掛かり一斉に敬礼する。


ほう?良く、手なづけているな。


ハルクが声を張り上げる。


「本日よりお前らの上官となるシルフィーヌ中将並びバルト中将だ。若いからとくれぐれも舐めない様に。こいつらの実力はこの私に次ぐ物だからな!」


「シルフィーヌ・オールウエイ、その名の通りオールウエイ国より一年、そなた達と寝食を共にする。よろしく頼む!」


ハルクに負けじと俺も声を張り上げた。小娘だと舐められてはいけないからな。


「バルト・シュナイダー、シルフィーヌ中将の臣下だ。俺からは一つだけだ。シルフィーヌ姫は俺が守る。手出しはするな。以上だ」


ハルクがバルトを見てククッと笑う。


「さあ、お前達!姫に挨拶だ!」


一斉に俺に敬礼し、イエッサー!!と叫ばれた。


お!ちょっと、爽快!!



「バルト、いきなり喧嘩売っちゃダメでしょ?」

「全然聞いてないさ。軍人なんて自分の認めた奴の言う事しか聞かないからな」

「ああ、あいつら単細胞だからな?俺の注意すら身を持って体感しなければわからないさ」

ハルクが自分の執務机にふんぞり返り俺らを見て笑う。

ここは軍用船の中のハルクの部屋だ。

俺とバルトは明日からの仕事のレクチャーを直にハルクから受けている。


「兄貴、俺達、働いていいの?」

「何で働かないんだ?俺のところに来たからには働いてもらわないとな?宝の持ち腐れだろうが?」

「俺達に怪我させたらヤバくない?」

「怪我しないだろ?お前もバルトも」

俺達を見つめてフフッと笑う。

「何だ?知ってたのか」

「ああ、お前らにもあるだろう?『印』が」

「バレバレか?バルト、知ってるって?こき使われそうよ?」

「構わないが・・・中将とはな?いいのか?俺まで、ハルク?」

「構わない。俺の補佐だ二人とも。それにバルトはシルフィーヌを守ってくれ」


兄貴はバルトを気に入っている。

本人感想だが俺を(さら)った時のバルトの救出劇が凄く面白かったらしい。


「何で『王の印』があるのを知っている?」

俺が明日からのスケジュールに眼を通しながら兄貴に尋ねる。

「さあ?何ででしょうか?今夜俺のベットで手取り足取り教えてやろう、亮。ほら、来い」

両手を広げて満面の笑みだ。

「兄貴それ!止めろよ?昨日俺、あの後レオリオ王子からとばっちり受けたんだからな!ハルクの嫁はない!って言っても信じてくれなくて凄く、苦労したんだからな!いいか?バルトの前でもするな!勘違いされるのは本当に迷惑だよ!それに部下の前でもするな。威厳台無しだからな!」

「なんだよ?いいだろうが?やっと会えた兄弟じゃないか?お兄様にハグ!来い!亮」

「あのなぁ?五歳の時も思いっきりっ!俺の事、殴っただろう?それも怒ってるんだからな!!すんげぇ、痛かったし!ぶっ倒れて要らない記憶は甦るし!」


「感謝してもらいたいな?俺がいたからお前の大事なお母様は死ななかったんだろうが?本当なら死んでるはずだよな?まあ?お前の未練断ち切る為に皆殺しって手もあったけどな?お前があんまりお母様、お母様って泣き叫んだから、まあ、いいか?って気が変わっただけだがな。それにお前、あの時、俺の声聞いても全然反応無しで連れて行こうとしたら手を噛んだのはお前だろ?止めろ、亮!俺だ!一馬だ!って言ってもガブガブ噛むからついな?俺だってな?親指千切れそうだったんだぞ?」


ってハルクが左手を広げ親指の内側を見せたら、あ、確かに何かキズの後みたいな引きつりがあるわ。


「それ、俺が!?噛んだ?俺、噛んだの?」

「そうだよ。まあ、おかげでお前も『印』持ちだと早々に検討がついたがな・・」


「俺は何で知ってる?ハルク?」

「知りたいか?バルト。あと、王と王子、それに亮、お前の今の兄も持ってるよな?」

レクサスは入ってないな・・・?

「どこを見て判断しているんだ?」

バルトがそう聞き返す。

「ククッ、まあ、すぐ見分けが着く様になる。それより亮、一緒に帝国落とすか?」

「いや、兄貴がそのまま帝国にいるならそれでいい。タダな?一年後、バルトは国に帰してくれ」

「シルフィーヌ、帰る時は一緒だ。それにその約束だろう?なあ、ハルク?」

「一旦、一年だよな?兄貴。その後はどうするよ?その返事次第では帝国は俺が落とす」

「クッ、相変わらず物騒な奴。だからお前はほっとけないんだよ?」

「どっちが物騒なんだよ?ほっとけよ?俺なんかほっとけば良かったんだよ?何で迎えに来るかな?」

「シルフィーヌ、何を・・・?お前・・・」


「ああ、バルト。こいつはお前達がシルフィーヌと呼んでるこいつな?策士だからな?国を落とすのはお手の物だ。俺でも危ない危ない」


兄貴、それ、ゲームの話だろうが?まあ?国盗りゲー得意の兄貴でこれだけ出来るのだからそれ以上にサバイバルゲー得意の俺は間違いなくやれそうだから言ってるだけだけどな?


「亮、一年後、お前の働き次第だ。まあ?本当に俺の家族にする事は諦めないがな?」

「止めろよ?それも。バルトがマジになったらヤバいのは兄貴だからな?それに俺が皇帝と話をして直談判するよ」

「相変わらず、お前は・・・。まあ?いずれにしても一年後、帝国を落とすなら俺に言え。俺がお前にやるよ?この世界ごと」

「兄貴、違うよ?俺はオールウエイ国にバルトと帰りたいだけだ。この世界の俺、いや、シルフィーヌの居場所はオールウエイ国だ。それは一年後もこの先も変わらないよ」

「一年後、同じ質問をお前に問う。さあ?お前はどう言うかな?フフッ。ああ、バルト、シルフィーヌの目を良く見てみろ?何か気が付くか?」

「!?・・・光ってる・・・?それも黄金色・・?」

「ああ、怒ってる奴の顔なんてまともに見ないだろうがな?この『印』持ちは瞳が光るんだよ。なかなか、陽の光の中ではわかりにくいがな?」


ああ、そうか・・・。だからこの間わざと俺にキスをしてレオリオ、ルカ、バルトの様子を伺ったわけだ。おまけに王に対しても何回か無礼な態度で接していた。

静かな怒りを湛えていたな・・陛下。

そうだ、そうだよ・・・確かにレオリオもルカもバルトも怒ると瞳が揺らぐ。

あれ、光ってたんだ・・・・


「だがな?亮?お前みたいに瞳の色が変わるのは初めて見たぞ」

ハルクが頬杖をついて俺を見つめた。



続けてどうぞ!

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