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グランドマッスルが・・!の件

今日もよろしくお願いします!

バルコニーから手を振るレオリオの横でとにかく俺は微笑んだ。引きつっているのは許して欲しい。


王子!レオリオ王子!と歓声が上がる中、

「ロト様ーッ!!」

って聞こえた。それも子供の声。


えっ!?


「ロト様ーッ!!」


あ、やっぱり?


「ロト様ーッ!!」


あれ?また違う声?でも女の子?


俺は小さく手を挙げて振る。

とまた、ロト様、ロト様、とあちこちで聞こえる。


なんで?なんでロトってわかったんだ?なんでわかるんだ?それも子供達だよね?


言ってくれてる子供達を探す。


あ、いた!男の子。

お父さんに肩車されて一生懸命、手を振ってる!

あ、あっちも!手を振ってくれてるや。あ、あっちもだ。お母さん抱っこの女の子だ!

一生懸命叫んでるよ!それも家族で!


何か嬉しいや・・・・


思わず大きく手を振る。

するとロト様!ロト様!と大人も一緒に皆が口々に声をあげて叫びだした。


うわっ!!どうしよう、嬉しいや・・・・


レオリオが俺の肩にそっと手を添えて微笑む。


「レオ・・・・なんか、ロトって子供達が・・・・」

「ああ、君の事だよね?凄いよ。大歓声だよ?ほら、シルフィーヌ」


レオリオが俺の肩を抱いて二人で手を挙げて振ると観衆が一斉にワァーッ!!って叫んだ。


何か、久しぶりだな・・・・

こんな大勢に歓声受けるの。

前世のコンサート以来だわ・・・・


続いてルナ姫とユリアスが登場するとおめでとうの大歓声があがった。

その声に真っ赤になったルナ姫を肩に担ぎ上げ、ユリアスが大きく手を振ると歓声が止まらなくなった。


二人でニッコリ笑い合い、また観衆に手を振る二人を見て心が満たされる。


本当におめでとう。ルナ姫、ユリアス。幸せにね。



参賀が終わるとルナとユリアスは今度は神殿に向かい神官から神の祝福を受ける。

だから宮殿での俺の役目はこれで終わり。


「お疲れ様、レオ」

と着替えに向かう廊下で前を歩くレオリオの手を引いた。

「ああ、君も」

こっちを振り返ったレオリオにいきなりキスをした。


まぁ、なんだ、約束だし。この格好でしたかったから。


唇をそっと重ねるだけのキスだけどゆっくり離れた。

そしてレオリオを見上げて


「えへへっ、しちゃった」


って恥ずかしいのをごまかした。

顔、熱いや。たぶんこれ以上は無理って言うくらいには赤いだろう。

ああ、身悶えしてしまうほど本当にハズい。

すると目を見開いて固まったままだったレオリオの頬も赤くなる。


あ、ダメだ。また、俺、やらかした?


「可愛すぎだよ、シルフィーヌ!」

って思いっきり抱き締められた。


「王子!ドレス!シワに成りますから!シルフィーヌ様も!」

後ろでサバスに叫ばれた。









今年もやって来ました!グランドマッスル!

そう!俺のリベンジ復活戦!

但し、今回は俺、ルカ、バルトはアダルト級でのチャレンジだ!

兵士達を軽々倒す俺達の実力と『王の印』の事考えるとこっちだよね。

それにセミヤング級ではよりたくさんの将来有望な若者達に奨学金獲得して貰いたいしな。


アダルト級は年齢を問わない。賞金と名誉が掛かってくるので実戦経験者や他国の強者共が顔を連ねる。

まあ、お仕事探し(奉公先)と賞金稼ぎの場だから甘くないよね。

しかし殺してはいけないサドンデスゲームなのはセミヤングと一緒だからちゃんとルールは生きてるよ。


そして俺が今この競技場に居ると言う事は?

そう!俺、11歳女の子でベスト8入りだから!誉めて!誉めて!もう、俺、楽しくて仕方ないわ~!

本気でやれるしね!頑張るっきゃないっしょ!!

それに今年優勝したらレオリオに一つお願いを聞いて貰う約束しているんだ。まぁ、負けたら俺が聞くんだが・・・えっ?ハイリスクローリターン?確かに分は悪いよ?そうだけど頑張るからね!俺!


レオリオに今年も出る!って言ったら凄く、本当にすごーく嫌な顔をしてしばらく()ねられた。

仕方ないのでレオリオに衣装(コスチューム)考えて?の一言で機嫌が良くなり色々条件をつけられてなんとか許してくれた。それでも少しでも危なかったら即、棄権だからねってマジ顔で迫られたから俺の必殺お願いポーズで甘えたらあえなく陥落した。レオリオ、相変わらずチョロイぞ。

そしてまさか、フリフリメイドスタイルだったらどうしよう・・・・と後から凄く不安になった衣装(コスチューム)だがそこは王妃様が先に俺にも内緒でちゃっかり用意をしていたので白のアラビア人みたいなやつ(上はアラビアのお姫様みたいだが下が足首で締まったレースのパンツで凄く動きやすい!!)に有無を言わさず決定した。これはこれで似合っていたらしくセイラとユリアが抱きついて離れなかった。

それを見ていたレオリオは静かに微笑んでるけど目が笑ってなかった・・怖い・・絶対、終わったらしばらく迫られるわ・・・俺。

それと顔と身分はとっくにバレてるから今年はロトで素顔で出ている。反応は色々だがな。応援してくれてる子供達がいるのでちょっと図に乗ったのは許して欲しい。





「おい、お前」


ん?この声・・・・


次の試合に備えて武器の装備を考えながら選手控え室に行く途中の通路で後ろから声を掛けられた。

前をバルトとルカも次の試合の事を話し合いながら歩いて行く。

後ろを振り向くと黒マントが立っていた。


「あ、次の対戦相手の方ですよね?」


デカイ。2メートル以上有りそうだが体はスラリと細マッチョだ。黒いマントを頭からスッポリ被るこいつの顔は赤い目が見えるだけの黒のマスクに覆われていて表情が読めない。


「ハルクだ」


あれ?やっぱりこの声・・・・まさかな?


名前は超〇ハルクで格好はダー〇ベーダーだな・・・

だけどこいつ、メチャクチャ強い。今迄の相手は総て一撃の瞬殺。歳いくつだ?

こいつに勝ったら次はルカと戦えるのだが・・・一番危ない奴そうだ・・・・


「ロトです。お手柔らかに」


それでも俺は笑って右手を差し出す。

その手をハルクが握ろうと差し出した手が拳に変わり俺の鳩尾(みぞおち)をかすめる。


「なっ!」


俺も咄嗟に避けたがその避けた俺の体をハルクが逆の腕で抱え込み、肩に軽々と(かつ)ぎ上げたのだ。


な!


「ルカ!!バルトッ!!」


咄嗟に俺は叫んだ。


ハルクは肩に担ぎ上げた俺の細い腰をガッチリ片腕で固定するとクルリと方向を変え猛ダッシュし出した。俺は逆向きだからどこに向かうのかが見えない。


「たっ!」


うわっ、舌噛む!!くそっ!!なんだ!こいつ、人さらいか!?


思いっきりハルクの背中や胸に肘撃ちや膝蹴りを入れるがビクともしないで走る。



「シルフィーヌ!!」


二人がこちらに気づき走って来る。が、こいつ俺を担いでるのに速い!


「そいつを止めろ!!」とルカの怒声が通路に反響する。


周りを歩く連中が止めようとするがハルクは素早く腰の剣を片手で抜き取ると構えて飛びかかろうとする連中を威嚇しながら進んで行く。


くそっ!くそっ!何もできないのか!!


「シルフィーヌ!!受け取れ!!」


追いついて来たバルトが俺に向かって小刀を鞘に入ったまま投げつける。

俺は思いっきり反動をつけ背中を反らせると頭と両手を持ち上げ片手でハルクの頭を抑え、もう片方の手でその小刀をキャッチした。

そして小刀の鞘を口に咥え抜き取るとハルクの首元をめがけ、ためらいなく突き刺す。

が、もう少しと言うところで俺は空中にあっさり投げ出された。

ハルクは俺の腰をガッチリ固定していた腕を解き、後ろに放り落としたのだ。

俺はどうにか受け身の姿勢を取り、小刀の刃から身体を庇い転がる。

そしてハルクを追う為にとっさに顔を上げるとルカがハルク目掛け鞭を繰り出していた。

しかしハルクの首にもう少しと言うところでハルクが正面突き当りの窓を突き破って逃げおおせたのだ。


「くそっ!!」ルカの怒声が響く。

「大丈夫か!シルフィーヌ!」

バルトが転がってむせ返っている俺に掛け寄り助け起こす。


「お兄様!」

「ああ!バルト!王子の(もと)に急げ!!」

「承知!!」

バルトは立ち上がると速攻で来た道を取って返す。

「私も!お兄様!」

「来い!シルフィーヌ!」

掛け出すルカと一緒にバルトの後を追う。

「目的は!?王族なの!お兄様!」

「ああ!有り得るがラルバ公妃かもしれん!しかし今の奴は混乱に紛れお前も連れ去る算段だったんだろう!それだと王妃や王子も危ない!!」

「他にも賊が!?」

「ああ、多いぞ!!」


観覧用関係者席ではレオリオがさっきのハルクと同じ黒マントのデカい奴3人に剣を構え睨み合っていた。

レオリオの背後には王妃とラルバ公国公妃とセイラがいる。

また、レオリオの足下には負傷した近衛兵と黒マントが何人か倒れている。


バルトがまず、手前黒マントの背後から斬り込む。

それに気が付いたバルトの剣を受けた黒マントの横の奴も一緒にバルトに斬りかかるのをルカが剣でなぎ倒す。俺はその間をすり抜けレオリオと間合いを取っている一番デカい黒マントの首に鞭を繰り出し、巻き付けた。そして満身の力を込め後ろからグイグイと締め上げる。


「シルフィーヌ!!無事か!!」


レオリオが俺を見て叫ぶ。


俺は地べたに腰を落とし全体重を掛け黒マントの首をギリギリとさらに締め上げる。

そいつは片手で首にグイグイ食い込む鞭を必死で掴み、もう片一方の手に持った剣で切ろうともがくがレオリオが一刀両断でそいつを切り捨てた。

俺は素早く鞭から手を離すとそいつが落とした剣を拾いルカが戦っている黒マントの背後に斬りかかる。

するとそいつはクルリとこちらを向くと俺の剣を真正面から受けた。

が、その隙を見逃さず背後のルカが一突きで仕留めた。

続いてルカがバルトに加勢すると二人で最後の黒マントを切り捨てた。







読んで頂き感謝です!

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