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譲れないものについての件

長い・・・すみません、今回長いです・・・

よろしくお願いしますです。ハイ・・・

ラーメン、あ、ダメだ、うどん、ああ、またダメだ、ギョーザ、ザ?ザ・・・ざるそば、ば?・・・バカ!ああ、バカだ!俺!、何やってんだ!バカ、バカ、バカ!

お腹空いたしこんな気持ちでは寝れないからしりとりして気持ちごまかそうとしてもこんな状態だし!!

こんなに疲れていても寝れないし!!


あの後バルトは素直に俺の部屋まで送ってくれたのでひとまずベットに潜り込み目をつぶったが無理無理!気持ちオタオタで頭グチャグチャでおまけにお腹グゥ~ッで眠れんわ!


いいや。ちょっと早いが太刀稽古をしてこの梵欲(空腹の事だからな!)を振り払うとしようか!


俺は練習用の白のブラウスと動きやすい黒のパンツスタイルに着替えて髪もポニーテールだ。

いつも思うんだけどこの世界ジャージ欲しいな?あとスポーツブラ、ああ、シルフィーヌ胸デカイからどっちにしろ無理か。練習時には胸が邪魔にならないようにできるだけ簡易なコルセットで胸抑えるけどまあ、今日はシルクのランニングまがいのインナーだけでもいいか・・・よし、やるぞ!


庭に下りると先客がいた。考えることは同じだ。俺は大きく息を吸う。よし!

「バルト!おはよう!」

ってあれからバルトも寝てそうにはないな。

俺は笑いながらバルトに駆け寄る。


「ああ、付き合うか?」

バルトが剣を構える。かっこいい!

「望むところだよ」


嬉しいな!バルトと勝負だ!


「行くよ!」

俺は早速、バルト目がけて剣を振り下ろす。


ガキンッ!!


まともに真っ向から受け止められた途端に軽々と押し返される。


やっぱり力では敵わないな・・・


素早く逆手に剣を持ち替え身体を反転させるとバルトの背後下から切り込む。

がこれも斜め上から振り下ろされた剣で受け止められた。


くそっ!本当に一刀一刀が重いわ!


力を入れて押し込むが俺の身体は後ろにズルズルと押される一方だ。

すると今度はバルトが身体を素早く引いたかと思うと剣を持ち替え俺の頭上から剣を振り下ろしてきた。


うわっ!ヤバい!速いって!


俺はすかさず身体を反らしギリギリでかわすと素早く態勢を立て直し剣を両手で持ち直すとバルトの頭上に飛び上がり上から差すように剣を打ち下ろす。

その剣もバルトは態勢を低くして一太刀で払いのけた。


俺は剣ごと飛ばされたが片手を着き着地した瞬間には下からバルトの脇腹目がけ切り込む。

寸ででこれもバルトの剣で受け止められた。


くそっ!!


「相変わらず瞬発力ととっさの判断が速いな!シルフィーヌ!」

俺は剣を素早く引くとバク転で間合いを取る。

「ふふん?お褒めに与り光栄ですわ」

舞台役者の最後の挨拶のように片手を胸に当て大げさに腰を折りニッコリ笑ってやった。


しかし気合いを入れて真剣にいかなきゃな?相手はバルトだ。やられるゾ?


俺はスッと剣を真っ直ぐ剣道のように構える。


おっ、バルトもまともに構えた?本気モード全開だ。


おい!隙がなさすぎるぞ!


「すっごーい!隙なさすぎで腕上げすぎ!キャア~!!かっこいい!バルト様!大好きだから私に倒されて!」

ウインクしてやった。


「お前、油断させても無駄だからな。お前こそサボってたんじゃないだろうな?」

「まさか!ふふん?余裕だね、バルト君?じゃあ、実力出してもいいかな?」


フフフ!俺は半年以上伊達に近衛兵達とチャンバラしてたわけじゃないんだからな?

どんな剣筋でも読み取れるよう洞察力と戦術を磨いたもんね。

あと動体視力と空間処理能力がいくらか上がったんじゃあないかな?

最近はルカも負かすからな?まあ、10本に1本取れればいいくらいだが。


「おうよ!」


バルトが返事を返したのと同時に俺はもうバルトに突進!!

バルトの前で宙返りをしてバルトの背後に回り込むと下から斜めに剣で切り込んでいた。


バルトも素早く振り返りざまにその太刀をどうにかギリギリで受け止めていたが膝を着いた。


くそーっ!結構速かったのにな!

「さすが、バルトよね?止められちゃったわ」

痛い、痛い、刃が当たった衝撃が凄くて手がジンジンするわ!


「お前、本当に武器持つと躊躇しないな?」

「ふふん?バルト膝、着いたから負けよ。もう・・・!わざと負けたでしょ?」


俺はわざと怒ったふりをして剣を引くと手を差し出してバルトを引っ張り上げ立たせた。


「どうもお前とやると本気になってしまう。もうお前を傷つけたくはない」

「あら?そんな心配無用よ?ケガなんて(まれ)なんだから。ん?・・・あれ?ケガしたのって・・・バルトの他って・・?え~と?ああ、手に軽く当たったあれはルカ?それくらい?ん?それって・・・ん?どういう事?ねぇ?バルト?ケガさせられた事ってある?」

俺は剣を下ろしてその場で考えこんだ。バルトも同じポーズで考えこんでる。

「ん~、そうだな?・・俺もケガした記憶がないな?グランドマッスルでルカくらい?・・だな」


まさか・・・・・・・・それって『王の印』のせいか?

まさか、『王の印』のある者同士しか相手を傷つけられない?・・・・・とか?

それって、俺を殺せるのはルカ、レオリオ、バルト、レクサスそして王のみ?



まさか・・・・俺を抱けるのも?

処女膜喪失ってケガだよね?

・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・


あれ?

ケガって言えば5歳の時に殴られたあれって・・・・・


「シルフィーヌ、俺と同じ考えか?」

「えっ?あ、うん。私を殺せるのは『王の印』を持ってる人だけかな?って」

「違うだろ。抱けるのはだろう」

バルトがニヤリと笑う。


えっ!今、印、触ってないよ?何で分かったの?

うわ~っ!顔熱い。きっと間抜けな赤い顔してるわ、俺。


「図星だな、ククッ。お前を抱けるのは俺か王子だけだよな?レクサスはその可能性は無いからな」

「え?ええ、そうね?そう。うん、レクサスは確かにないけど何でそう思うの?」

「レクサスには想い人がいるからな。ルカもそうなんじゃないか?」

「ああ、そうか、なるほどね。えっ?お兄様も?そうなの・・・?ふーん、そうね?なら『王の印』が共鳴しないはずね・・・?だけどいつの間に?二人とも?」

俺がブツブツ呟きながら考え込んでたらバルトがそっと腰を引き寄せ顎に手を掛け俺を抱き寄せる。

そして俺の眼を真剣に覗き込んだ。

「お前、分かってるのか?無意識でも俺に気持ちがあるのが?」

「ん?はい。分かってるわよ?これからはその・・・・・真剣に考えるわよ・・・何でこんなに多情なんだろ・・・自分でも嫌になるわ・・・」

俺は恥ずかしくて下を向いてバルトの手から逃れようとする。

「こら、下向いてごまかすな。ちゃんと言え」


「んんッ、もう!バルトの事ちゃんと考える!ちゃんと一人の男の人として考えます!きゃ!!」


思いっきり胸に抱き込まれた。


く、苦しい、苦しいから、バルト!


「シルフィーヌ、大事にするから」


わかった!わかったから!放してくれ!バルト!


俺はバルトの背中を叩いた。


「あ、悪い。つい嬉しくてな?」


「ケホッ、ケホッ、ん~、死んじゃうからホント・・・手加減してお願い」

「悪い悪い」


って今度は俺の腰を掴み思いっきり抱き上げると俺の胸に顔を埋めた。


うわぁぁぁぁぁぁぁ!何するんだ!今日はノーブラ状態なんだよ!止めろ!


「やぁぁぁ!バルト!バカ!下ろして!エッチ!」

「ん?それは随分な言われ方だな?恋人同士なら構わないだろう?」


そ、そんな、爽やかな目で訴えてもダメだからな!!いい加減、胸から顔、離せ!

俺の胸堪能してんじゃねえ!!


「そ、そんな事するならさっきの却下だからね!下ろしなさい!」

「ククッ、そんな真っ赤な可愛い顔で怒るな。余計したくなるだろ」

「いやぁ!」

俺はバルトの頭を両手で思いっきり押した。

「わかった、わかった、もうしない。本当に嬉しいだけなんだから」

やっと、顔、離してくれた。


嘘つけ!絶対俺のDカップはある胸堪能してただろ!


「そんな笑顔にごまかされないんだから!下ろして、もう!バルトのバカ!」

「下ろす前にもう一つだけ約束して欲しい。戦う時のお前の(いさぎよ)さ、俺のために捨ててくれないか?」

急に真剣な顔で言われた。

「なに?何の事?」

「お前、戦うのが楽しいのだろう?戦いの中なら殺しても殺されても構わないと思っているだろう?」

「・・・・当たり前のことだわ。そんな覚悟もなくて剣を構えるなんてことしない。だから例えばバルトと戦ってバルトに殺されるなら本望よ」

「俺が敵なら殺すのか?」

「バルトはもう敵になる事はないわ。だってバルトの事は解ってる。事情があってバルトが敵になるような事態になっても私はバルトを信じてるから殺すなんてない。でも敵は容赦しない。そう言う割り切りをしないと咄嗟の判断が鈍るわ。その方が死期を早めるわ」

「シルフィーヌ、戦っている相手もそう思っているんだ。特にお前と互角に戦う相手なら尚更だ。強い者はある意味孤独だ。それゆえ強靭な精神を持っている。だからどんな状況下に置かれても相手より優位に立つために人とは思えない残忍な判断を平気で下す。俺がお前に傷を負わせたのもそうだ。俺はお前を傷つけて初めて勝ち負けより大事なものがあることが分かったんだ。俺は勝利の一瞬の快楽と引き換えにお前を失いたくない。必ず俺のもとに帰って来る事を選択してくれ。必ず生きて帰る事だ」

「・・・・それは、私に戦うなって言ってるの?」

「違う。いや、出来るなら戦いは避けて欲しいがお前には無理だろ?だから死を自ら選ぶような戦い方は俺の為に止めてくれ」

「戦いは私のステータスよ。取り上げないで」

「ステータス?」

「ああ、そうか・・ん~、生まれながら持ってる今の身分とかではなくて生まれてから努力して掴み取り築いていく私の勲章のようなもの。その事に命を懸けるのはいけない事?」

「お前の譲れないものか?」

「そう。バルトにもあるでしょ?」

「今はお前だけだ」

「ダメ!そんな事言ってもダメ。私もバルトが好きだからバルトが死ぬなんて嫌よ?でもね、バルトが自らそれを選んだのならそれは尊重する。嫌だけど、頑張って尊重して見せるわ。だから、バルトも分かってほしいわ」

「俺はお前を守ると決めたからにはどんな無様な格好を晒してもお前の側に生きて帰る。決して死んだりしない。俺はお前の側にいてお前が天寿を全うするのを見届けるんだ」

「・・・・・・・・」

「これは俺がお前に誓う勝手な覚悟だよ。シルフィーヌが同じ覚悟を俺に誓う必要はない。ただ、自ら死を選ぶような事となった時には俺がいる事を思い出してくれ」

「バルト・・・・」

「愛してるんだ、本当に。お前だけだ、シルフィーヌ」


・・どうしよう・・・俺・・そこまでまだ覚悟無いよ・・・・

 

「ああ、そんな顔するな。お前は本当に分かり易いな。貴族とは思えないな・・・」

「・・・・だって」

バルトは俺をゆっくり下ろし俺の眉間を人差し指で抑える。

「ほら、ここの力抜け。かわいい顔が台無しだ」

「ん~、もう・・止めて。不細工で悪うございましたね」

バルトの手を払い顔を背けて誤魔化す。


だって無理。今そんな事、真剣に誓われるなんて無理。

バルトの人生背負う覚悟はまだ準備出来てないから・・・


「ズルいよ・・・・バルト。勝手に誓われる今の私の立場分かって困らせるんだから・・・私これでも人妻なんだから・・」

「止めろ。俺の前でそんな事言うな。奪いたくなる」


ちょっと・・バルトマジ顔だ。

ヤバいよ・・・・このまま行くとレオリオに二人とも八つ裂きにされるコース?


マジ勘弁。


「その事は出来るだけ善処するわ?ね?だから今はご飯食べに行こう!ね?お腹空いたの、お願い!バルト!ねっ?」


両脇で胸挟んで両手を併せてちょっと小首を傾げて涙目で鼻から抜ける声で下から見上げて言ってやった。


どう?かわいいポーズ頑張ったけど?

レオリオには効くんだけど?

どう?


目の前のバルトの顔が一瞬で真っ赤になった。


「お前、ズルいぞ・・・」


やりぃ!チョロイぞ、バルト!



長いのにすみません・・・もう一話・・・投稿します・・

すみません!レクサス書きたかったので・・・


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