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『王の印』の件

よろしくお願いします!

「レオ、ごめんなさい」 

「いや、シルフィーヌが謝ることはないから。僕が悪かったんだ。あ、赤くなってる・・痛くしてすまない」

「えっ・・・!えっ、わぁ・・」


ちょっと、キスマーク胸の谷間に二ヶ所も着いてるし!


「すまない」 


って、いいながらなでるな、そこを!


「レオ、止めてもうっ・・・・恥ずかしいから」


こらこら!もう、しないんだろ?


俺は胸を急いで隠して下を向いてしまった。顔、赤いわな。


「・・・・かわいい」

レオリオが俺をぎゅっと抱き締め直す。

「可愛すぎる、シルフィーヌ」 

「・・・・レオ・・あの・・・・」


こらこら?反省してんのか?本当に?


「法律変えてやろうかな?」

こらこら、何一人で企んでる・・・


ちょっと体を離しレオリオ顔を見つめた。

「レオ、本当にやりそうだから止めてね?」


まったく、こいつは・・・・


「あの、レオ?あのね?その、結婚について色々教えて貰ったんです。シュナイダー伯爵家のユリア様に。お友達になったの。ユリア様、同じ歳なのに私より色々わかってらして。私、考え違いしていたみたいで。その・・結婚式が済まなければ貴方の本当の妻にはなれないって思っていたのね?違うみたい・・・・その、その・・・えっと」

 

うわ、やっぱり勇気いるわ。恥ずかしい・・やっぱり無理・・何か顔、熱すぎ!


「シルフィーヌ、シルフィーヌ、わかった。わかったから、そんな可愛いい顔で僕を困らせないでくれ」 

またギュウギュウに抱き締める。


「レオ、お願い、苦しいから放して?話聞いて?ね?」


お前の目にはどんな恋愛フィルターが掛かってるんだ?


「あのね、シルフィーヌ?君の気持ちは嬉しいけど、やっぱりわかってないよ?男の事情ってものを。君を今抱いてしまったら離せなくなるよ?心も体も」

レオリオが俺の耳に囁く。


「わかってます。だから・・」


「わかってない。そんな可愛い声で言わない。本気にしてしまうから」


「・・・・レオ・・・・本当に我慢できるの?」 


「僕を試すの、シルフィーヌ?」


「そんな事しない!!ひどいレオ!試すなんてしない。一緒にいたいだけなのに!」


レオリオが俺の頭に顎を乗せる。


「うん。そう思っとくよ。フフッ、かわいい」


「違うの、レオ。そのね?その・・・その・・・我慢しなくてもいい方法とかあるでしょ?あの・・」

レオリオが俺の口を手で塞ぐ。


「シルフィーヌの口から聞きたくない言葉のような気がする」


俺、真っ赤だよね?察してくれてありがとう。けど話しなくちゃ。

両手でそのレオリオの手を包み込んで離し、モジモジその手をこねくり回す。そしてちょっと深呼吸する。


「ん、レオ、恥ずかしいけど話をしましょ?だってまだ結婚式まで長いもの」


「やっぱり、法律を変えるとしよう」


だから!企むなよ!


「あのね、レオ?」


「避妊の事を言ってる、シルフィーヌ?」


「そう!何で分かったの?そう、私良く知らなくて・・・んぅ?」


また口を押えられた。


「王家は避妊出来ないんだ」


「むぐぅ?」えっ?


「シルフィーヌ、黙って聞いてね?僕もシルフィーヌとこんな話をするとは思ってなかったから、途中でシルフィーヌに何か言われたら立ち直れないかもしれない」


えっ?何?何かすごい話なの?生々しい話とか?・・・


あれ?凄く後悔し始めてる自分がいるんですけど・・・素直に頷けないんですけど・・・・


「むうっ!」

俺はレオリオの口を両手で塞いだ。が、片手で軽々外される。

じゃあ、自分の耳塞ぐしかない。


「シルフィーヌ、遊んでる?」


キスしそうな距離で言われた。頭を振る。止めとく。聞いたら自分から自主的に去りそうな気がする。


「聞きたくないんだ?」


もう一度レオリオの手を口から離す。


「申し訳ございませんがその・・・・・止めて構いませんか?」


「何で避妊出来ないか、気にならないの?」


「では、そこだけ手短にお願いします」


「省けない」


「・・・・・・・わかりました。黙って聞きます」


俺は自分の口を両手で塞いだ。



俺また絶対、地雷踏んだわ。聞いたら受け入れなければダメなんだろ・・・きっと。本当、俺って馬鹿だ。



「王家は避妊は出来ないんだよ、シルフィーヌ。僕に兄弟がいないのは何故かわかる?今の王である父上にも先王にもいない。代々王家は男子しか生まれないしその代はその一子のみなんだ。王妃教育で歴代の王は分かっているだろうけど全て一人っ子って気が付いてた?一代に一人だけ。しかし生まれたら病気もせず丈夫に育つ。生命力が驚異的なのだそうだ。不思議と大きな不幸にあって命を落とすこともない。それだけ体力も桁外れなんだ。君ならわかるだろう?この意味が、シルフィーヌ?」


解りたくないです。解りたくありません。絶対解りたくないんですけど・・・・


俺は無駄とわかった上で頭をふるふる振った。



「多分、察してくれたと思うけど君を抱いたら最後、離してやれない。それに(つがい)となる相手を妊娠出来る状態まで身体を慣らさなければならない。だから体力のある女性でなければ出産まで体がもたないんだ。母上は大柄で結構体力があったほうなのに僕を産む時は命がけだったらしい。ここまで理解したかな?」


俺はこっくり頷いた。

そんな設定初めて聞いたんだけど?ノーマルにもアダルトにもゲームにはそんな設定なかった。


「シルフィーヌは背が高いし、体力も相当あるからそこはそんなに心配してないのだけども・・・その」


「むぐぅ?」


何?もう大抵のことは驚かないと思うよ?

俺、抱かれたら最後、抱き潰されるんだよね?

レオリオ絶倫なんだよね?わかった。理解したわ。

凄く心折れそうなんだけど。


「その、身体を慣らすのがその、結婚式の後」

結婚式の後って新婚初夜だからあたり前だよね?


「初めてのシルフィーヌに神殿で一週間繋がりっぱなしで」


急いで俺はレオリオの口を塞いだ。


何か凄く恐ろしい事言ったぞ?聞き間違えか?聞き間違えって言ってくれ!


「もう、もう、理解しました。本当、理解しましたから言わないで?それ以上言わないで?」


何か俺、泣き声になってない?


一週間って?

一週間ってなに?ずっと、そんな事しなくちゃダメなの?

それ、しなくちゃ本当にレオリオの子供産めないの・・・・・?


俺の手がレオリオの口から外された。


「聞いて、シルフィーヌ。出来るだけ無理はさせない。約束する。僕にとって君が一番大事なんだ。本当だから。君の身体が無理なら僕は子供は望まないよ。君に負担がかかるようなことはしないから。普通の人である母上のような苦痛を君に敷く事は絶対しない」


「普通じゃない陛下やレオって何なんです?レオは私と同じですよね?男か女かの体力の差ぐらいですよね?私、体力は王妃様よりあると思います。でも」


「シルフィーヌ、見て欲しいモノがある」


レオリオが俺を抱いた膝から降ろす。

そして背中を向けて髪を纏めているリボンをほどき口頭部の髪の毛を掻き分けた。


「怖くないから。見て」


レオリオの後頭部の髪の毛の中にちょうどレオリオの手を広げたくらいの魔法陣のような青い(あざ)のようなモノが髪の中に見え隠れしている。

その髪をそっと俺も掻き分ける。

すると皮膚の下の血管がその型を形成していて生まれつきのものだという事がわかる。


「『(おう)(いん)』。この(しるし)のある者はさっきも言ったけど体力・知力・運が桁外れらしい。我が国代々の王が生き証人だよ」


俺はためらうことなくその印の型を人差し指でなぞった。


「シルフィーヌ・・・?何を・・怖くないのか?」


すると青い血管が太くなり盛り上がって、ドクドクと波打ってきた。レオリオの印が浮かび上がってきたのだ。

さっきから俺の左胸も熱を持ち始め、激しく波打ち始めていたのだが一気に体じゅうの毛穴が開いた感覚に陥る。


「何だ?・・凄く熱い・・シルフィーヌ?」


「レオ・・・・いいって言うまでこっち向かないで。大丈夫だから。ちょっと待っていて」


「シルフィーヌ?」


俺は急いで上に着ている服を下着類も全て脱ぎ去り、長い腰まである金髪(ブロンド)も纏めて上半身裸状態の右胸を隠す。そして左胸を手で覆い隠した状態でレオリオに声を掛けた。


「レオ、いいわ。こっち向いて」


レオリオが怪訝な顔で振り向くと俺の恰好を見て固まってしまった。


「レオ、いいから見て?私のここ」


俺は右手で左の乳房を持ち上げながら左手を上げ左脇から左胸にかけて乳房で見えにくい部分をあらわにした。


「シルフィーヌ!!・・・まさか・・・まさか君にも・・?まさか!!」


そう。

俺にもシルフィーヌにも同じモノがあるのだ。

それも普段は真っ白な肌に薄っすらと分かる程度なのに今はハッキリと青い血管を浮かび上がらせ熱を帯びて波打っている『王の印』が。


「私も生まれた時からあるわ」


「なんてことだ、まさか・・・こんなことが・・・・!!」


「でもね、レオ?こんな事は初めてよ?こんなに浮かび上がって、ハッキリして、凄くドクドクしてる。まるであなたの『王の印』に反応したみたい?いえ、共鳴してる・・・?」


レオリオが俺を抱き締めた。


「ああ、僕の印も波打ってるよ。凄く興奮状態だよ」


「ああ、だから苦しいのね。レオ、熱いの・・・・」


やはり共鳴しているのか・・しかし、何で苦しいんだ・・・?


「君はやはり僕の運命の人だった」


「えっ?」


「先祖でもこの印のある女性に巡り会えたのは一人しかいない。初代王アーサーだけだ。僕の印は歴代王の印の中でも特にアーサー王に似ているんだ。シルフィーヌに巡り会ったのは正にその証拠だよ」


「そう?そうなのかしら?」何だ・・?この設定は・・?


「そうだよ!シルフィーヌ、こんなに嬉しい事はない。アーサーだけはその妃との間に五人の子供に恵まれている。嬉しいよ。早く連れて帰りたいよ」


「えっ?」

見上げるととろけそうな顔で見つめられた。

うわっ、色気半端ないんですけど・・・


「あの!レオは苦しくない?大丈夫なの?」


「ああ、苦しいよ。でも君と共鳴してる証拠だろ?」


そう言って俺を自分の膝にまたがらせ顔を裸の胸に押し付けられ、印にキスされた。


ドクッ!!っと心臓が跳ね上がる。

血が、全身の血が音を立てて身体を駆け巡る。

肌が泡立ってきた。


うわぁ!苦しい!熱い、()けそうだ!凄い興奮状態だ!


俺は背中を支えられ胸をレオリオの顔の前に突き出している格好になっていたが苦しくってぐったりレオリオにもたれ掛かる。


「止めて、レオ・・・・お願い、苦しいの・・止めて・・・・」


「ああ、すまないシルフィーヌ、もうしないよ。嬉しくて・・・・愛してる、愛してるよ、シルフィーヌ」


「ええ、レオ。私も・・・だから・・・・」


「だから今日は君を王宮に連れ帰るよ」


えっ?・・・・何言ってるんだ??












やっと話の主軸になる『王の印』が書けました。

話はこの『印』がある人物中心で動いて行きます。もう少しお付き合い下さい。

今日もお読み頂きありがとうございました。




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