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ヒロインは僕だの件

今日もよろしくお願いします!

「ハルク、セルにも言ったのだが昨日買い出しに行った時、聞いた噂が気になる」

「サンタクラークにつながる情報か?」

朝早くの食堂で朝食を並んでとるフリードがハルクに話しかける。


「ああ。『河が滅し死の灰が舞い上がる業火に涙が流れる時天使は舞い降りる』この土地に古くから伝わる伝説だ。多分、いや、その天使が降ってくる場所がサンタクラークだと思う。ただ、地図を差し出すと誰もが場所はここら辺りだとバラバラなんだ。それを教えてくれた肉屋の親父は『そこに行けば死が待っているから天使が舞い降りるのだ』といい、宿屋の主人は『その場所は何も無いのに目がくらみ息が出来ず、灼熱に焼かれるそうだ』と言った。馬を売ってくれた娘は、『綺麗な白い砂漠で恐ろしく寒い』といい、食堂の他の客は『岩の守り神がいて通してくれない』『人が(かつ)げない巨石が勝手に動くのだ』とも言ったのだ。だから、もう少し調べてから行く方が良いかもしれない」

「岩が動く・・・?一人でにか・・・?ん・・?白い砂漠に灼熱・・・目がくらみ息が出来ない・・」

ハルクがフォークを握り締め考え込んでいる。

「ハルク?」

「まさか・・・?『河が滅し死の灰が舞い上がる』・・・河が干上がる?死の灰・・・」

「ハルク?いいか?もう一日、時を貰うぞ?」

「あ・・・ああ、わかった。もう一度、昼に報告をくれ。こっちも確かめたい事がある。ああ、フリード、食堂などに出入りする食べ物を(おろ)してる奴、特に調味料関係を扱ってる奴から聞いて欲しい事があるんだ」

「調味料?」




「ありがとう、紗理奈。サロメと一緒に着替えさせてくれたんだって?」

朝、目覚めると俺のベットに頬杖をついてミシュリーナこと紗理奈が俺の顔を覗いて笑っていた。

「もう一日、発つの遅らせるそうよ?サロメとレオリオの具合の事も有るしそれにもっと調べて準備するって、セルフィも言って達たわ。それに一馬が私と亮に聞きたい事があるんだって」

「あ、じゃあ、一緒に今から行くよ。ちょっと待って」

俺はぐっすりと眠っているレオリオを確認すると着替えを済まし、紗理奈と食堂に向かった。


「フフッ、亮がさらわれてたら大変だったわ。本当に困ったものよね?レオリオには」

「アハハ、ごめん・・・」

「亮が謝る事ないわよ?」

「うん・・・あ、それで凄い事わかったんだけど・・・紗理奈、覚悟して聞いてくれるかな」

「あ、聞いた、聞いた、一馬から。今回の事はレオリオ王子の中にいるダグラス王がやった事なのでしょう?ご愁傷様、亮。やっぱりダグラス王がアーサー王でレオリオは先祖帰りだったなんてね?」

「ああ、それはそうだったんだけどさ。うん、それはそれで大変なんだけどさ?」

「ん?それじゃないの・・・?あ、わかった。最悪よね?利己主義者(エゴイスト)なんだって?ダグラス王。レオリオ、ただでさえヤンデレなのに先が思いやられるわね?」

「確かにレオリオがエゴイストでヤンデレになるんだけどね?って、改めて確認させないでよ?言葉にすると心折れるわ」

「うんッ?その事じゃないの?ん・・・?あ!そうか!そうだよね・・・うん、うん、わかるよ、亮、ガンバッ!!」

「って、今度は何?何を頑張れって?その握り締めた拳を振って、下から目線で言わないでよ?それにそれ、可愛いから。凄く癒されるんだけど」

「えっ?だって、亮はオールウエイ国の為にとうとう覚悟したのよね?、ダグラス王に処女をささげ」

「ええいッ!!シャラップ!!紗理奈!!何、いきなり、俺の眉間、撃ち抜くような事、言ってんだよッ!違うわッ!ヒロインだよッ!ヒロインの事!」

「ヒロイン?」

「そう、『永遠の誓いを君に』のヒロイン!」

「いまさら、何?ヒロインは」

「レオリオだったんだよ!!」

「・・・・・・・はいっ?」

「だから、レオリオだったんだよ!」

「何が?」

「ヒロイン!!」

「・・・もう一度初めから説明してくれる?何の話だっけ?何か、レオリオがヒロインみたいな事聞こえたんだけど?」

「だからさっきからそう言ってんだけど!?ヒロインはレオリオだって!!」

「・・・まさかッ?ここに来てアダルト版?・・ここに来てシルフィーヌ、モブッ!?」

「いや、シルフィーヌが攻略対象者だっただけ。俺が『永遠に私は貴方のものよ』ってレオリオに誓わなければいけないみたい」


oh!myGodオゥッマァイゴゥゥゥッ!!超、マジか~ッ!!」


「ありがとう、ありがとう、紗理奈。目一杯、叫んでくれて。けど、そうなんだわ・・・俺がレオリオに絞らなきゃダメみたい」

「ひえぇぇぇ~、バルト捨てろってッ!?ムリムリ、私ならバルトと逃げるわ」

「あ、その案、ルカに勧められました~」

「おー、さすがルカ。凄いな?妹の幸せの為なら国潰すんだ。マジでシスコン野郎だ・・・けどそれ、メチャ羨まし~」

「あ~、それはそれでルカなりに凄く悩んでた。あ?紗理奈、今のルカは過去のルカ達とは違うでしょう?だってミシュリーナの頭撫でてるよね?」

「うん・・・凄く優しい・・・だから余計に羨ましい。ほら、アントワートのお母様にもお父様にもこの間会ったじゃない?その時もいつでも遊びにいらっしゃいと凄く優しく接してくれた・・・ルカも私にシルフィーヌと姉妹のようだね?って笑った顔が・・・」

「ああ、いい。いいよ?無理しないでよ?紗理奈」

「スッゴく、カッコいい~!!やっばり、ルカ兄様、神!!」

「・・・いや・・・ルカは魔王なんだけどね?・・・何?心配して損したわ」

「ん~?まぁ?断罪場面のみんなは過去七回とも最悪だから思い出したくないわ。お母様も死んじゃうし、ルカもお父様も忙しいからあんまり構って貰えなかったし。全然、アントワート家にはいい思い出はないし。でもね?断罪の後はいつもルカとお父様が処罰が軽くなるように、トマと結婚出来るようにしてくれるの。まぁ?ゲームのミシュリーナほど私、ワガママじゃなかったからね?ルカにもお父様にも辛く当たられる事はなかったわ」

「そうだったんだ・・・良かった・・・ゲーム通りのルカやお父様だったら俺でもへこむよ」

「心配してくれてたんだ・・・亮。ありがとね。嬉しいよ?フフッ。だけどさ、今は目の前のレオリオ、ダグラス王よね?ヒロインってレオリオが?こっちの方がややこしいな?頭、組み換えなきゃね・・・」

「やっぱり攻略する側とされる側が入れ替わった?」

「そうね?それってバルトとシルフィーヌの立ち位置が同じって事よね?」

「じゃあ、俺がレオリオにOK出さなきゃ、レオリオ、バルトのところに行くんだ?」

「本来のゲームなら有り得る事よね?けどそれすら出来ないようにダグラス王が逆にシルフィーヌを押えにかかってる・・・?んんッ?って事は、ん?ここはアダルト版のレオリオが他の攻略対象者襲って無理矢理」

「んなわけないじゃん?!ヒロイン、狂暴って!危なすぎるだろ?ホラーゲームか!?」

「そうよね?逆に襲われてたもんな・・・アダルト版のレオリオ。また、その顔がセクシーなんだわ、これが!だからクセになるのよねぇ・・・どうせなら亮の声が良かったわ・・・」

「・・・出たよ。腐女〇発言・・・俺、まだ、その時学生だったからね?で?紗理奈は攻略したんだ、アダルト版も」

「当たり前!!任せなさい!私、〇女子だけどプロゲーマー!私に越せない山はない!」

「いつから登山家?じゃ、ヒント下さい。ゲームの女神様、ミシュリーナ様、紗理奈様!ヒロインレオリオを手に入れてバルトも救うにはどうすればいいのでしょーうかッ?」

「おぬし、強欲よのう?まあ、良いわ。このプロゲーマー紗理奈様に掛かればそんなのはお茶の子さいさい!ではでは耳をここに。苦しゅうない、近う、近う」

「お茶の子さいさいって・・・古いよ、紗理奈。それに何で悪代官・・・」

俺がそう言って屈むと紗理奈が耳にこそこそ話だ。


「え?マジ・・・?それは・・・ちょっと・・・ハズいし、危ないよ?紗理奈」

「ここは潔く決めてよね?本編、シルフィーヌなら得意でしょ?レオリオの為、バルトの為、一肌も二肌も脱ぐ!亮」

「マジかよ・・・やってらんねぇ・・・」



「何、廊下でじゃれてるんだ、二人とも?ハルク呼んでるぞ?」

「お嬢様、ミシュリーナ様、おはようございます」

後ろから声を掛けて来たアレンと一緒にサルトもいた。

「あ、おはよう。それに昨日はありがとう、二人共。朝ごはん食べた?良かったら今から一緒に」

「もう俺とサルトは済ましたんだ。なぁ、サルト?」

「これからアレンと一緒に街に出てサンタクラークの情報を集めてきます。ハルク様とルカ様のご命令です」

「ああ、だから旅立つまでお前達は体力温存しとけよ?じゃ、行こうか、サルト」

「ええ、アレン」

そう言って頷き合うと二人は仲良く話しながら廊下を歩いて行った。



「・・・・・・」


「じゃあ俺達も行こうか?紗理奈。ご飯!ご飯!」

「ねぇ?亮、サルトって何歳?」

紗理奈が笑いながら歩いて行く二人の背中をじっと見つめる。

「ん・・・?俺より10歳上だから22・・・ああ、アレンやハルク、トマ王子とも同い年だよね?多いな・・22歳」

「彼女いるの?」

「え・・・?いないけど何で?そういや、何でいないんだろうな・・・?凄く優秀なんだよ、サルト。それに俺が言うのも何だけどさ?なごみ系だろ?いわゆる、おとなしそうなにこやか系。だけど、凄く強いし、頼りになるんだよね、これが!だから、サルトとカレブはアントワート家の自慢の家臣なんだよね?」


「ふーん、ふーん、ふーん」


「ちょ、ちょっと、紗理奈さん?」

俺が紗理奈の肩を掴んで顔を覗き込むと


「え?幸せになるならみんなでならないとね?んふっ!」


そう笑って俺を見た紗理奈の瞳はルビーのようにキラキラだ。


何でそんなに興味深々なのかな・・・?なんか腐〇子的な事、企んでない?紗理奈!?











さあ、さあ、上手く回収できるかな・・・伏線。

とっても不安なのは紛れもなく作者の私です・・・ひゃぁ~!!



今日もお読み下さりありがとうございました!!

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