友達何人できるかな 2の件
今日もよろしくお願いします。
「まあ、自分の妹傷つけられたらやっぱり怒るの無理ないよな。俺にも妹いるけど同じ目に遇わされたらやっぱり、容赦しないと思う」
「バルト、そこ、怒っていいところだと思うよ?・・・優しいんだね、バルトは。だからお薬持って来てくれたんだ」
「・・・・・まあ、治らなかったら責任を取ろうかと」
「ハハッ!ありがとう、じゃあ、私、傷物になっても大丈夫ね!」
「冗談じゃなくて。王子に何か言われるようなら俺が」
「何かみんなに私心配かけてるのね。大丈夫よ?バルト。今日もこれから王宮内のお医者様に見て頂くし、バルトがくれたお薬もあるから心配しないで」
「・・・・そうか・・・なら、心配ないか」
「うん。そうよ」
俺はバルトを見つめ微笑みながらもすっぱり言い切った。
バルトが優しく笑い返す。
ああ、背景にお花が見える!!すごい!さすが、攻略対象者!お花咲き乱れ!
それに今プロポーズまがいの言葉さらっと言いそうだったよね?
怖いわ。油断ならないわ。その笑顔は女はほっとけないわ。
あ、男も可か?兄貴-っ!って俺でも着いて行くわ。
話題変更
「さっき、妹いるって言った?」
「ああ、シルフィーヌと同じ10歳なんだ」
なんだと?同じ年とな!これはぜひぜひお友達にならねば!!
俺はバルトに両手を併せて頼み込む。
「お願い!!紹介してください!」
「いいよ。じゃあ、俺が何でも1つ聞くと約束した願いはそれでいいか?」
バルトが頬杖をついて答える。
「えっ?いや、それは私が負けたし。うーん、そうか?うーん・・・でも、お友達になりたいし・・」
真剣に頭を抱えて考えてる俺にバルトは
「いや、いいよ。シルフィーヌ、妹も喜ぶから。ククッ」
と可笑しそうに笑いながら言ってくれた。
「そう?そうかな?そうだといいな!うわぁ、すごく楽しみ!バルトに似てるの?」
「ああ、残念ながらそっくりだ」
「なんだ、すごく美人じゃない?そうなんだ!」
うおー!!メチャ会うの楽しみーっ!!
「シルフィーヌも綺麗だよ」
「またまたー、ハハッ」
ああ、攻略対象者恐るべし。さすが乙女ゲーム。サラッと来るわ、三次元では寒いセリフ。
うーん、こっちが照れるからダメなのか?
「じゃあ、一度シュナイダー領に遊びに来ないか?『太古の森』もあるから案内するよ」
えっ?なにそれ!凄く楽しそう!!
「うわ!いいな、それ!」
思わず身を乗り出してしまった。
だって、何か冒険の予感がするぞ!!
「では父上に頼んでシルフィーヌのお父上に招待状を書いてもらうよ」
「うわぁ、凄く楽しみだよ!バルト」
「シルフィーヌ」
えっ?この声、俺だ!
「レオリオ様?」
中庭のかかりにレオリオ王子が立っていた。
バルトが立ち上がり臣下の礼をとる。
俺もドレスを持ち上げるとレオリオ王子に駆け寄った。
レオリオもこちらに歩いて来る。
「迎えに来た。ああ、シュナイダー伯爵家の」
「バルトです。レオリオ王子」
「準優勝おめでとう。昨日はシルフィーヌが世話になった」
「大事なアントワート嬢を傷つけてしまいました。誠に申し訳ございません」
バルトが深く腰を折り頭を下げる。
「レオリオ様、バルト様は私の怪我の治療薬を届けて下さったのです」
俺は銀細工の貝型の薬入れを開いて見せた。
「そう。シュナイダー家の調合薬は良く効くと聞いている。僕からも礼を言うよ」
「本当にありがとう、バルト様」
俺ももう一度礼を言う。
バルトはもう一度深く礼をして
「それでは私はこれで失礼を致します」と踵を返すとスタスタと帰って行った。
さすが将来の側近、空気読むの上手いわ。
「シルフィーヌ」
「レオリオ様、わざわざ迎えに来てくださったのですか?」
「昨日みたいにレオでいいよ」
「あっ・・・レオ・・・?」
「ん、早く君の声が聞きたかったんだ。傷は痛まなかった?」
やっぱり攻略対象者恐るべし。ついでに昨日の事思い出したわ。
こいつも確か僕の勇者様って言ったよな?
はずい、俺、顔真っ赤だろうな・・・・
レオリオが俺の手を握る。
「はい。我慢できる程度でしたので。急いで支度を致します。もう少しお時間を下さいますか?」
「君の部屋で待っても?」
「ええ、どうぞ」
俺が繋いだ手を引いて先に歩き出すと突然後ろから抱き締められた。
そして顎に手を掛けられ持ち上げられる。
やばい!また、ディープキスされる!ええぃ!誰も見てないな!
俺の方から軽く触れるだけのキスをした。
そして正面から抱き合う格好でレオリオの耳元に囁いた。
「レオ大好き」
そしてレオリオの胸に抱きついて顔を埋めてやった。
よし!どうだ!完璧だろ?これでもうこれ以上キス出来ないだろ!!
「・・・・・・」
あれ?反応が返ってこないぞ?
「・・・・・・?」ん?
顔を上げてレオリオを確認する。
あれ・・・・?レオリオ、顔真っ赤・・・?あれ?俺やりすぎたのかな?・・・
でも・・・
かわいいな。
ちょっと俺ニヤケてしまった。
その顔を見てレオリオがさらに赤くなり顔をそらすと消え入りそうな声で言った。
「君が悪い」
えっ?また俺、自爆なのか?
言った途端にレオリオは片手で自分の顔を隠す。
「さっきまで他の男と笑ってた君が悪いんだ」
えっ?俺が悪いの?それって?
「衝動を抑えきれなかった・・・」
なんだよ?衝動って。
それって・・・・・・焼きもち・・・だよな?・・・
なんだ、バルトに嫉妬したのか?
かわいいな、レオリオは。
俺のニヤケは止まらない。
「ねぇ、レオ?レオは言ってくれないの?シルフィーヌ、愛してるよって?」
俺は悪乗りして手をレオリオの首の後ろに回して下から煽ってやった。
いつも俺だけあわあわさせられていたからな!お返しだ!俺の慌てふためいていた気持ちを味わうがいい!フハハハハハハッ!
その後、俺が後悔するのに時間はかからなかった。
「もちろん。愛してるよ、シルフィーヌ!僕には君だけだよ」
って思いっきりキスしまくられ耳まで甘噛みされたわ。
ハイ!自爆!
あんたバカーっ!?ってまたリフレイン。
はい、もう二度と煽ったりしませんです。はい。
ちょっと一段落です。
毎日読んで頂いた皆様感謝です。




