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結託の件

今日は短め、宜しくお願い致します。

サロメのおかげでその日の夜は皆それぞれ、宿でゆっくり過ごせたようだ。


そう、俺を除いてはーー


俺とレクサスがレオリオ、ルカ、ハルクを必死に説得していたその日の午後、明日からの野宿に備えてバルトがカレブとサルト、アレンとフリードを連れ出し買い出しや馬の調達(レオリオ達はこれから船で移動する予定だった)をして来てくれていた。

その際、サルトとアレン、カレブとフリードが和気あいあいとして帰って来たのでバルトを含むこちらの5人は問題なく意気投合したみたいだ。


また眠るサロメの横でセルフィとミシュリーナ、トマ王子も地図を広げ野宿が出来る場所など、明日からの計画を立ててくれていた。


だからその日の夕方には皆で一緒の席での夕食となった。



レオリオ達の旅の目的は俺とバルトがオールウエイ国に戻るまでの1年間だけだが将来、軍事面、政治面、貿易面で協力を得られるように出来るだけ多くの国々を巡り色々な人々との人脈を作り上げることのようだ。

まさに今回のこの件はタマリ王国との国交を開く千載一遇のチャンスだ。

レオリオとルカはセルフィとハルクにその夕食の席で同じ達成目的を掲げこの旅に同行することを約束した。まあ、俺とバルトの帝国での生活や仕事の事も気になったようだが。


その際、怒りの根源になっていた俺の髪が短くなった事件だがこの件に関してはオールウエイ国で起こった事であり、逆にオールウエイ国を救ったハルクやアレンの事をバルトが上手く話をしてくれ、もちろん、ハルクのフォローもフリードがしっかりしてくれた事もあり、レオリオ、ルカ、カレブとサルトの怒りは一旦収まっている。


それに俺の髪型は結果オーライ!だったみたいなところもあったようで皆、気に入ってるようなのだ。

(サルトが俺の頭、撫でていいですか?っておずおず聞くので俺がはい!って頭差し出したらカレブまで撫でたのが可笑しかった。それにレオリオ、ルカは俺が近くにいる間はずっと撫でてる)


まぁ?レオリオとハルクだけが相変わらずお互い、上から目線なのがこの先思いやられるが・・・



それからは明日からの段取りを手短にハルクとセルフィが伝え終わると俺達は各々夕食に取り掛かった。


俺の向かいに座るミシュリーナとトマ王子は今日初めて会ったのに本当に仲が良い。

ほんと、凄い色男だな?トマ王子は。

アラブ系の褐色の肌に艶のある(ゆたか)な黒髪、とても高い鼻梁に澄んだ茶色の瞳。いつも微笑みを湛えている優しそうな口元。

ハルク、アレン、バルトミックス、肌、浅黒バージョンだよな?


おお!こっち見た。ああ、笑うとやっぱり、口元、キッラーン!!だな?


あ、そうだ!


「あの!サラート様!そうお呼びするのがいいでしょうか?それともミシュリーナと同じで」

「ああ、トマで構わないよ?シルフィーヌ様。そうだね?皆もそう呼んでくれて構わないよ?」

そう言ってトマ王子は皆を見渡しニッコリ笑う。

「あ、なら、私もシルフィーヌで」

「自分もバルトとお呼び下さい」

レクサスの横に座るバルトもそう言うとアレンが提案した。

「この際、皆、呼び捨てで構わないんじゃないのか?なあ?セルフィにハルク、フリードもな?そしてレオリオ王子にルカ、レクサスも?」



「ああ、セルでいいよ?」

「同じくフリードで構わないが?」

「ハルクで」


「レオリオで構わない」

「同じくルカで」

「レクサスでお願いします」

皆がそれぞれ、そう返した。


おお!!レオリオ!お前・・・やれば出来る子だったんだな・・・?

そんなに協調性があったなんて・・・両陛下、レオリオは成長してますよ!!

何か俺の横で黙々と肉を切り分けて口に運ぶレオリオの頭を撫でてあげたい気分だ。


「じゃ、決まりだ。何か記念して酒、皆で飲みたいよな?」

アレンがそう、フリードに振ると

「明日、早いしな?それにサロメが飲めないし。バルトも二日酔いになるしな?無事、事が済んでからな?」

「え?バルト二日酔いになるの?」

レクサスが隣のバルトに尋ねる。

「強い酒を飲んだ時だけだけどな?レクサスは?」

「案外、私もレクサスも飲める方だが?ああ、だが王子は」

「問題ない。飲まないだけだ、ルカ」


飲まないんだ。レオ。

良かった・・・ちょっと安心した。


「『印持ち』はアルコールに弱いそうよ?お兄様。ここにいる皆は飲むとはすぐ寝ちゃうのよ?」

「ああ、確かに私もレクサスもすぐに寝てしまう事が多いな?・・・」

「そうなんだ・・・」

俺がそう言うとルカとレクサスが考え込んでる。


「ああ、なるほど!だから私もお酒を飲むと記憶がなくなるのだな・・・?」

トマ王子が笑って言った。


「「「えっ?!」」」

皆が一斉にトマ王子を見る。


「ん?あ・・・?言ってなかった?『王の印』、あるけど?私にもね?」

そう言ってトマ王子は立ち上がり右手の袖を捲り上げるとそこにはバルト、レオリオと同じくらいの大きさの『印』がその二の腕をグルリと一周していた。


「え?・・・えぇぇーッ!!」

ミシュリーナが叫んだ。





「大丈夫よ、ミシュリーナ?何心配してるの?」

「そうだよ?サロメの言う通りだよ?紗理奈?『印』があるならむしろ好都合だよ?今回の事で貢献してエカテリーナ様に気に入ってもらえれば逆玉の輿コース、まっしぐら!」

俺はサロメの額に手を当てて熱の加減を見ながらそう、紗理奈に言ってやる。

「ああ、もうだいぶ下がったね?熱。大丈夫そうだ、サロメ。すまないが紗理奈の話聞いてあげてよ?」

「なんか・・・解らなくなってきた・・・本当に本当に私のトマなのかな・・・?だって過去のトマには無かったのよ?なのに・・・」

ベットをくっつけてサロメの横に転がる紗理奈は頭を抱えてブツブツ言っている。

「どこ行くの?って、ああ!ごめんなさい、リョウ。野暮ねぇ?私・・・フフッ」

「違うから。サロメ。その・・・話してくるだけだし。すぐ戻るから」

「いいわよ?ごゆっくり」

「あ、ゆっくりね?亮。でもレオリオ王子に奪われないでよ?純伯」

「純白って!!ミシュリーナ、純白って!今さら、リョウに、純白!!」

「なんでサロメ笑うのよ?純白でしょうが?あ、ハッキリ言おうか?亮」


「うるさいよ・・・?なんか勘違いしてない?二人共、シルフィーヌはまだ乙女なんだからな」


「「え!?まだだったの・・・?リョウ!?」」


え・・・なんで、そんなにマジ驚いてんだよ・・・二人共、まだ乙女のくせに!耳年増め!!




今日、お願いポーズで説得を終えた後にレオリオが俺に二人で話がしたいとそっと、耳打ちをした。

そう、今晩、部屋を訪ねる約束をしたのだ。

ああ、わかってる。

ああ、わかってるよ?俺、ひさびさ、地雷踏んだかも・・・

だけど、俺も凄く会いたかったし、話もしたかったんだ。

それはとても・・・だから・・・


レオリオの部屋のドアをノックする。

「レ・・オ?」

「開いてるよ?入って?シルフィーヌ」



ドアをゆっくり開けるとうす暗い部屋でベットに腰掛けたレオリオが腕を広げて俺に笑いかけた。


「おいで?僕のシルフィーヌ」




両陛下、ご子息はこの点はお変わりないようですーー








レオリオは相変わらず・・・シルフィーヌ、逃げおおせられるかな?

今日もお読み頂きありがとうございました!

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