そこはどうにか乗り越えようよの件
ヤンデレ2人と頑固者1人は一先ず置いときます!レクサスの悩みを先に。
今日もよろしくお願いします!
レオリオとルカの説得に約3時間、ハルクの説得に2時間、俺は今、凄く疲れた・・・・
あいつら、マジ、半端ねぇ・・・・
「お疲れ、シルフィーヌ、レクサス」
「わーん、バルト!ありがとう!」
宿の食堂の机に突っ伏した俺とレクサスにバルトは甘いミルクティを貰ってきてくれた。
「本当、シルフィーヌの事となると頑固だよね?みんな。おまけにハルク様までってさ?可笑しい」
ミルクティを飲みながらクスクス笑うレクサス。
かわいい顔してメチャ、タフだよな?
「愛されてるね?シルフィーヌ。ちょっと妬ける」
「え、レクサス、ルカと上手く行ってるのでしょう?」
「それ、シルフィーヌに凄く相談したかった事」
「え、まさか、レクサス、ルカの事・・・ルカ、プロポーズしたよね?レクサスに」
「そうなのか?レクサス?」
「あ、なんだ・・・驚かせたかったのに」
「なに?何かした?ルカ、レクサスに嫌な事?今から行って注意してくるわ!」
「あ、違う!違う!ルカはいつも優しいし、大事にされてる。本当、僕の方がワガママいってる方だよ」
「そう?そうよね?だってルカ、最後はレクサスの『僕もシルフィーヌと一緒に行きたい』作戦で陥落だものね?」
「そう言うシルフィーヌだって、最後はレオリオ王子に『一緒に居たい、一緒に居たい、レオと一緒がいいの!』作戦で陥落してたよね?」
「あれしかなかったもん。仕方なかったのよ、バルト!解って?お願い」
俺は脇で胸を寄せたお願いポーズでバルトを見上げるとバルトはちょっと赤くなって目を反らしああ、って言った。
フハハハハ、相変わらずチョロイぞ!レオリオにバルト!
「シルフィーヌ、それ、凄い」
「必殺技!!って、それは置いといてじゃあ、何?プロポーズの返事まだしてないとか?」
「・・・だって、そんな簡単な事じゃないよね?その・・・シルフィーヌだって嫁ぐし、アントワート家、後継ぎ必要だし・・・僕もまだハルマー先生からいっぱい習わなければならない事だらけだし・・・」
「そんなの、結婚してから考えればいいわよ?なんで?結婚してからが長いのよ?充分習う時間も考える時間もあるわ?」
「でも、ルカ、子供好きだから。僕じゃあ」
「ルカの側にいるのがレクサスじゃなくていいの?」
「・・・・・・・・ルカが幸せならね?」
そう言って寂しそうに下を向くレクサスを見て俺とバルトはお互い顔を見合わす。
そして頷く。
「レクサス、ルカはお前以外は無理だよ」
「そうよ?レクサス。ルカ、レクサスに振られたら自暴自棄になってオールウエイ国潰しちゃうわ」
「・・・・なにそれ?真剣に僕、悩んでるのに?二人共」
「悩むだけ無駄だ」
「本当、悩むだけ無駄よ?レクサス。ルカが手離すわけないから。レクサスの事」
「そこなんだよね?怖いんだ・・・僕が側にいることでルカは僕だけを愛してくれる。でもそれじゃあ、ルカの子供は望めないだろ?僕は構わないんだ。後継ぎがいるからって割り切って、その、女性にルカの子供を出産してもらうとか?よくあるでしょ?その方が僕も歳をとって二人の時に何もアントワート家にルカの手に残せてないなんて悩まないですむし。だから僕は構わないんだ」
「レクサス?」
「おい、何を言ってるんだ?レクサス?」
「子供を持つだけが幸せじゃあないわ?」
「そうだ、レクサス。ルカはレクサスに巡り会えた事が幸せなんだ」
「今はそれでいいよ?でも年老いた時にルカの横には僕しかいない。それって・・・寂しくない?ルカはあんなに素敵な人なのに。僕だけなんて」
「そんな話ここでするから聞こえたじゃない?」
食堂の入口にサロメが、立っていた。
「サロメ様」
「ダメよ?寝てなくちゃ?サロメ」
「喉が渇いたのよ?お水欲しいわ、バルト」
すると頷いたバルトが立ち上がる。
「ああ、バルト、塩一つまみに砂糖スプーンに2杯、あったらレモンも絞って混ぜてあげて?サッパリするからね?」
「ああ、レクサス。少しお時間をサロメ様」
「男性同士ってやっぱりそこが乗り越えられないのが悩みなのかしら?」
レクサスの向かいにサロメは腰かけると話に混じる。
「ああ、セルフィ様とフリード様?サロメ?」
「ええ。お互いやっとね?解ったみたい。私としてはやれやれ。多分、カルロス兄様も喜んでくれると思うのよ?でもね?やっぱり今のレクサス殿みたいに子供の事ではフリードが悩んでる。セル兄様の優秀な血を残したいって」
「そうか?まぁ、正直セルフィやレクサスの子供なら天使だよね?セルフィの二つ名は『帝国の守護天使』なんだよね?」
「リョウ、それ、違うから。その可愛い天使じゃないから」
「違うの?」
「闘う時のセル兄様は飛び回る様に相手を倒していくの。それも躊躇いなく笑いながらまるで羽根が生えてるみたいにね?速くて相手の血飛沫を浴びた事がないからよ」
「・・・・凄いね、シルフィーヌ、セルフィ様って」
「さすが・・・・実力No.2」
「ああ、話、レクサス殿、でもね?参考になるかどうかわからないけど、セル兄様は割り切っていて、私が子供産んだら一人欲しいから、沢山産んでって。それも私じゃなくて、その、将来の旦那様にね?手紙書いたのですって。ちょっと、笑えるでしょう?」
「レイモンド様に?」
「そう。それにハルクにも言ってる。アイリーン姉様の子供欲しいって。多分、カルロス兄様にも帰ったら真っ先に言うわね?絶体」
「・・・・・・・・シルフィーヌ」
「レクサス・・・まだ、産まれてないから。言いたい事は解るけどまだ産まれてないからね!?」
「レオリオ王子とバルトどっちに頼めばいい?」
「なんだ?レクサス?はい。サロメ様」
帰ってきたバルトが冷たいグラスをサロメに差し出す。
「ああ、バルト、」
「ちょっ!タンマ!解ったから、レクサス!解った。前向きにその件に関しては対処するし約束するから。お願い、特に二人には!」
俺は自分の口の前で人差し指を立ててシィ~!!ってレクサスの顔を覗きこんだ。
変な使命感をバルトとレオリオに与えないでくれ!
特にレオリオは危ないんだからな!!
「ルカには言っていい?」
ニッコリ笑ってレクサスがそう返した。
「・・・・・・・・」
「だから、なんだ?何の約束だ?教えろ、レクサス」
「解った、レクサス」
俺はウンウン頷いた。
お兄様なら大丈夫・・・多分、そう、多分・・・
「じゃ、バルト、内緒!」
「なんだよ?それ?」
「サロメ様、ありがとう」
「お医者様の貴方の方がそんな事簡単に思いつくでしょうに?」
「考えたけど言葉には出来なかった・・・だから・・・ありがとうございます」
「貴方のお薬良く効いたわ。それにこれもね?」
そう言ってサロメはグラスの水を飲み干した。
「ねぇ、サロメ、二つ名って、フリード様にもあるの?」
「『帝国の無双』、平民からの大将でしょう?皇帝の側に仕えて何でも出来る優秀なフリードは国民の憧れ」
おお!!戦国無○!!格好いい~ッ!フリード!!
「じゃあ?アレンは?」
「『帝国の稲妻』」
「え、なんだ。そのまんま?サンダーなんだ」
「『雷神』はレイモンドよ?」
「レイモンド様、お強いんだ?」
「まあ、普通の人としては一番?ダンも強いけど?」
「じゃあ、ダン?」
「『黒い彗星』」
「え、なに?ダン、一番格好いいんだけど?」
ガンダ○!すげぇ~!ダン!
「クシュッ!!」
「風邪ですか?ダン様、せっかくお戻りになられたのに」
カシューダ王国から最後に戻ってきたダンは子爵家の自宅の庭のあずまやで婚約者のマチルダ嬢とお茶を飲み休暇をゆっくり過ごしていた。
いつもハルクとアレンに付き合っていたのでこんなにゆっくり出来るのは久々だ。
「ああ、そろそろお呼びがかかりそうだな?マチルダは?」
「私も来週にはまた学会で出国致します。少し遠いのですが」
「お互い忙しいね?結婚もできない」
「仕方ありませんわ。でももう暫くで私の方は落ち着きそうですわ」
「なら、それが片付いたら式、挙げようか?」
「あ・・・・はい。楽しみです。ダン様」
頬を染めニッコリ笑ったマチルダの笑顔に癒されるダンだった。
ダン、書きたかったので。
ダンの婚約者のマチルダ嬢は考古学者です。
後々出て来る予定です。
今日もありがとうございました!!




