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再開、再悪の件

今日もよろしくお願いします!

捻りあげられていた腕が自由になったかと思うといきなり俺は抱き上げられた。


「本当にシルフィーヌなのか!?」


人が行き交う雑踏の中でそう言って抱き上げたその人を俺も見下ろす。


そこには驚いた顔のレオリオがいたのだ。


「レ・・・レオ!?本当にレオなの!?」


「ああ!シルフィーヌ!シルフィーヌだ!本当にシルフィーヌだ!!」



「「シルフィーヌ!?」」

周りで俺の名を呼ぶ声がする。


レオリオの胸に俺は思いっきり抱き込まれた。

そしてその大きな手が俺の髪をクシャクシャに撫で廻す。


「なんで?レオ、なんで・・・・?」

俺もレオリオの首にしがみついた。


「君こそ、君こそ、どうして、どうしてこんな北の果てで!?ああ、シルフィーヌ!!」


「顔、見たい。よく見せて、レオ」

俺が腕を解くとレオリオも手の力を抜き俺の顔を覗き込んだ。

そこには満面の笑みで笑うレオリオの顔がある。


「レオ・・・本当に、本当にレオだぁ・・・」

まだ信じられず俺は両手でレオリオの顔を挟み確かめた。


少し痩せただろうか・・?

引き締まって精悍な顔付きと言えば聞こえがいいがその笑顔は少し大人びてあまり余裕がないように見える。


そんなレオリオも俺の頬を撫でる。


「ああ、君こそ。ああ、シルフィーヌだ。間違いなく僕のシルフィーヌだ」


「「シルフィーヌ!?それにバルト!?」」

「「お嬢様!!」」

懐かしい声がまた近くで聞こえた。

「王子に、ルカ!?レクサス!!それに、カレブ、サルトまで!!」

バルトの驚きの声に俺は顔を上げるのと同時に俺は無理矢理レオリオから引き剥がされた。

そしてまた掬い上げられるとそこには満面の笑みのルカがいた。


「お、お兄様!!」


嬉しくって声をあげ、ルカの顔に手を伸ばすとルカは無言でその胸に俺を抱き締め頭を撫でる。

そして凄く低い声で

「シルフィーヌ、その髪・・・誰にやられた?」

「え・・・?お兄様?」


ルカが俺の顔を覗き込むと微笑みながらだがもう一度言う。

「誰がやった?まさか、ハルクか?」


ル、ルカ!?いきなり、魔王様降臨してるよ!?


「ちがっ!!お兄様!違うの、本当に違うから!これ、火事で仕方なく、」

「火事?・・・火事だって?危ない目にあったようだな?シルフィーヌ・・・許さん!」


「違うぞ、ルカ。ハルクは何度もシルフィーヌを救ってくれてる」

横からバルトが飛びついたレクサスを胸に抱きしめながらそうルカに助言してくれた。

「そう!そうなのよ!お兄様。本当に!ハルクにも帝国軍の皆にも助けて貰ったから今ここにいるのよ、私。だから」


「「何度も危ない目に合ったのかッ!?」」


目の前のルカと背後のレオリオが低い声でハモった。

ルカの背後に立つカレブとサルトも俺の短い髪を見て目が座っている。


「違うから、本当に。本当だから!!カレブ!!サルトも!!」






「確かに私の名はトマと申しますが、お嬢さん?どこかでお会いしましたか?」

抱きついたミシュリーナと目線を合わす為に体を離し屈んだトマ王子はそう言ってミシュリーナの顔を覗き込むとニッコリと笑う。


「・・・今、初めてお逢いいたしました。ですが、私は貴方をとてもよく知っているのです。初めまして。トマ様。ミシュリーナと申します」

トマ王子から離れミシュリーナはキッチリ腰を折りそう返すと真剣な顔でトマ王子を見つめ返す。

その様子にトマ王子は優しく笑いながら

「フフッ、初めまして、ミシュリーナ嬢。君のこのルビーのようなきれいな瞳は一度見れば忘れるはずがない。だからやはり、はじめましてなんだろうね?だけど、僕も前から君を知っているような気がするよ?不思議だね」

「いきなり抱きついてこんな事を言うなんて何て気味の悪い変な女だろうとは思わないのですか?」

「君の、その真剣な眼差しからはその様な不穏な空気は感じない。それに私の本名を呼んだね?だから嘘ではないのだろう」

「あ・・そうでしたね?今はサラート様」

「おや?その名も知ってるんだね?そう、皆にはそう呼ばれているね。フフフ、そうか?ミシュリーナ、君はトマでいいよ?」



「リョウ!バルト!ミシュリーナ!どこっ!!」


あ、サロメの声だ!


「こっちです!サロメ様!」

バルトが手を上げて答えた。



人をかき分け、サロメが顔を出す。


「もう!急になによ!?ミシュリーナは?バルトにリョウって!って、レオリオ王子!?」

ルカから俺を奪回しなおし抱き締めて離さないレオリオを見てサロメが声をあげる。


「ん?誰?シルフィーヌ?」

「え・・・サロメ姫だけど・・レオ?」

「サロメ?・・・姫?ああ、帝国の」

って、レオリオ?レオリオの中のサロメの扱いって!


「何だ?サロメ、いたか?」

「あ、アレン、ごめん、ミシュリーナが」

「ああ、シルフィーヌって、レオリオ王子か!?」


「誰?シルフィーヌ?」

・・・レオリオ、アレンもわからんか・・・やれやれ。


するといきなり、

「リョウ!トマ、見つけたの!!私の運命の人!!」



「「「運命の人!?」」」


そう言って手をつないだその人をミシュリーナは嬉しそうに紹介した。


とりあえず、そう紹介されたトマ王子とレオリオ、ルカ、レサクス、カレブ、サルトを連れて先程の食堂に戻る。

トマ王子がいたのは偶然ではなく理由があって途中からレオリオらと一緒に旅をしていたらしい。



「こんなに『印』持ちが集結するなんて!!凄いね!!とても心強いよね!?」

セルフィが興奮して声をあげる。


「まだそちらに合流するなどとは言ってはないが」

           

俺の横で腕組みをして座るレオリオがセルフィの言葉にそう答える。

「え、お兄様、ここで別れるなんて、ヤダ」

これまた俺の横で腕組みをして座るルカを俺は揺さぶる。


「別に構わんが?ただし、亮は我々ともう行くがな」

ハルクがこれまた腕組みをして向かいに座るレオリオを睨みながら答えた。


「か、一馬、待ってよ?」

「シルフィーヌをリョウと呼ぶな。シルフィーヌはシルフィーヌだ」

「シルフィーヌは私の妹だ。ハルク殿、間違えないで頂こう」

レオリオとルカがハルクにそう言って睨み返す。

「あの、あのね?何か、誤解があるみたいだから」

もう片方の手で俺はレオリオの腕を揺さぶる。

「誤解などない。ハルクは僕からシルフィーヌを奪った。返してもらう。今すぐこの場で」

「レオ?レオ、無茶言わないで?国同士が決めた事でしょう?」

「だからお前には亮は任せられないんだよ?レオリオ王子」

「何だと?」

「亮はお前の所有物じゃないだろう?それに今、シルフィーヌとバルトは任務中だ。俺の部下だ」


「勝手は許さない。レオリオ王子」

セルフィもそう答える。


「いくら貴方様でもわが王子に命令は下せない。セルフィ皇子」

ルカが援護だ。

「亮、兄上のルカ殿ならもう少し理解があると思ったのだがな?」


え・・・ここで俺に振る?一馬。


「セルフィ様、一馬、ちょっと待って。お兄様とレオリオ王子と話させて。時間がほしいんだ」

「あの!一馬!」

突然、ミシュリーナが手を上げ立ち上がる。

「何だ?紗理奈」

「トマと居たい!一緒に。トマにも協力して貰いたいの!」

「あ、私はその気だよ?だって、ミシュリーナに何かあったら心配だからね?」

トマ王子とミシュリーナは頷き合う。

おお、凄いね?もう、意気投合?


「あ、僕も」

「え、レクサス?レクサスも行ってくれるの?」

「って言うより、サロメ様、具合悪いでしょ?」


「「「えっ!?」」」


皆が一斉にサロメを見るとやけに赤い顔のサロメがいた。




「サロメ、言ってよ?こんなに熱あるなんて解らなかったわ」

「ふん!これくらい平気、って(にが)いわ、これ!」


結局、今日はこの街で宿を取ることをセルフィとレオリオが決めた。

そしてその宿の一室のベットの上でサロメはレクサスから薬を受け取り文句をいいながら飲み干す。

「疲れみたいだね。今日、ゆっくり眠れば大丈夫だよ」

そんなサロメにレオリオはお医者様対応だ。

「レクサスの薬はよく効くんだからね?サロメ。レクサスありがとう。本当に会えて良かったわ。それに薬、いつも常備してるなんてさすがね?」

「・・・・レクサス殿には礼を言う」

ベットの上でソッポを向きながらだがサロメは手の脈を計るレクサスにそう礼を言う。

「いいえ。サロメ様。『印』持ちといつも一緒は大変でしょう?たまにはハッキリ言えばいいのですよ。休みたいって」

ツンツンサロメにレクサスはニッコリ微笑む。

お?サロメ、顔が赤いのは熱だけじゃ無さそうだな。


「貴方に言われなくともセル兄様もフリードもちゃんと私の事は見てるわ」

「そう。なら今回はよっぽど急いでるんだ。ては余計に無理しないで?貴女は普通の女性なのだから。ミシュリーナもね?」

サロメが心配で一緒に着いているミシュリーナの頭を撫でながらレクサスはそうサロメに助言した。

「シルフィーヌに出来る事は私だって!」

「出来ない。そんな事言うなら今すぐ引き返して。今回の様に足手纏いとなる」

やけに厳しいレクサスの言葉にサロメは睨み返す。

「この私に、無礼な!!」


「サロメ、止めて。レクサスの言う事は本当の事だから」

「えっ!ひどい!リョウ、私の事、そう思ってたの!?」

「サロメ、俺は貴女の力も借りたいからこう言ってる。それにセルフィ様とフリードと一緒に行きたいなら約束だ。今回みたいに我慢しないで早目に言うって。じゃないと置いていく」

「そうだよ?サロメ様、言ってよ?私みたいに素直にね?じゃないと心配で任務遂行できないよね?リョウ?」

「ミシュリーナまで!もうっ・・・・」

「約束、サロメ。必ず守って」

「・・・・わかったわよ、リョウ」

「あ、今日はサロメ様の横で寝る!私。リョウも寝よう?ほら、ベットくっつけたら3人眠れるわ?」

「うん。そうしようか?でも明日からの事、先に話してくるわ。レクサス、協力して」

「任せてよ」


レクサス無しでは陥落出来ぬ!!ヤンデレ二人組!!

(レオリオだよ!ルカだよ!)


頼んだよ、レクサス!!




久々のレオリオとルカはやはりヤンデレ・・・

一馬は頑固・・・

まとまるのかな?こいつら・・・・


今日もお読み頂きありがとうございました!

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