名無し
これで最後だよ
キスのような言葉を
伝えたくて歩きだしたんだ
もうあの夜に戻りたくない
そのために死ぬんだ
辛いことから逃げるために
この拳を固めたわけじゃない
そうだろ?
鼻歌が聞こえた気がする
ただそれだけでいい
君が映った写真だけじゃ僕は
まともにコーヒーも注げないよ
世界には賞をとったり
簡単に人の手掴める人がいる
でも僕は…
何にもできないから
名前を呼んでくれた君さえ
夢みたいに忘れてしまうんだ
このままくたばるわけには
いかない!
だからさ、最後なんだ
名前もないような僕だけど
「さようなら」くらい言わせてくれ
もうあの気持ちはうんざりだ
そのために逝くんだ
嫌なことから弱音呟くために
この剣を手に取ったわけじゃない
そうだろ?