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Notorious Virgin - 奇形種に愛された少年 - (R-15ver)  作者: 樋口奏
BASE1 ハラユイ
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プロローグ

 どこまでも広がる荒涼とした砂地の海を、一台のバイクが疾走している。


 時速70㎞。乾いた風と舞い上がる砂塵をゴーグルひとつで切って避けながら、赤髪をなびかせ走る若い女の名は、ミチカ。

 この時代では珍しい、いや現存する機種はこれ一台のみと言っていい太陽光発電式オートバイは、亡き祖父が彼女に残した”時代錯誤”な遺品のひとつだ。


 ハラユイの村まであと数㎞地点に差し掛かった時だった。

 真っ赤な合皮のバイクスーツに包まれたメリハリボディの視界の先に、何か人のような物体が転がっていた。

 ブレーキレバーを引いてスピードを緩め、近づいて見てみると────やはり人だ。


 生きているのか死んでいるのか、砂粒にまみれたまま全く動かない。だがそんなことより一際彼女の目を惹きつけたのは、その髪の毛だ。ミチカは生まれてこの方、これほど真っ黒な髪をした人間を見たことがなかった。

 色は跨ったバイクの車体とほぼ同じ。形状は限りなく直毛。まだ彼女が幼い頃祖父が聞かせてくれた話によれば、遠い昔に存在していたという高度なテクノロジーを誇った島国とその周辺に住む人々が、こんな髪の毛をしていたらしい。


「おーい、生きてる?」

 声をかけると、うつ伏せで転がっている黒髪が微かな呻き声を漏らした。

 バイクから降りて抱き起こすと、なんだか着ている物も奇妙な、まだ幼い子どものようだ。

 拾ったところで荷物になるだけかしらと思ったが、ミチカはこの行倒れの珍しい風貌に興味をそそられ、村まで連れ帰ることにした。


 漆黒のメタルボディが再び爆音を轟かす。

 シャドウファントム────砂地でも泥地でも難なく走れるよう、エンジニアだった祖父が改良を重ねて作り上げた愛車の原型は、数百年前の第三次世界大戦で滅んだという、小さな島国の技術が生んだものであった。

こんにちは、樋口奏です。ムーンライトノベルズで連載していたものをなろうR15verに修正してアップさせていただくことにしました。ちょっとボーイズラブ入っていますが気にせず気にしつついろんな方に読んでもらえると嬉しいです。至らない点も多々ありますがよろしくお願いいたします。


( ´∀`)日本の科学技術が何百年先も世界の先端を走っていることを祈りつつ

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