表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最初で、最後。  作者: 陽花瑠
第2章
9/12

ほんとの気持ち

「……き、なの」


「え?何?聞こえない」


「だからっ、好きに、なっちゃったの……」





言ってしまった。

もともと言うつもりだったけど。

自分の鼓動しか聞こえない。


「なに、言ってんの……」


聞きようによっては拒絶とも取れる宏翔のことば。

恐る恐る俯けていた顔をあげると、真っ赤な顔をした宏翔がいた。


え………!?



「宏、翔……?」



「俺も」

そんな言葉とともに、視界を奪われ……。


「んぅ……っ」


キスが降って来た。

「んんっ、……っゃ……」

角度を変えて落とされるキスに、あたしは酔いしれた……。



「俺、美緒には絶対嫌われてると思ってた」

「何で?……まぁ、確かに嫌いって言うか好きではなかったけど」

二人で手をつないで帰る。

実は初めてのことで、ちょっと緊張してる。

結局、宏翔は『好き』とは言ってくれなかったけど、『俺も』って言ってくれたから、もうそれで十分。

でも、いつかは言って欲しい。

「ほら。最初だって、俺めちゃくちゃ強引だったし。無理やり美緒にキスとかして。嫌われても仕方ないなって思ってた」

「でも好きになっちゃったもん」

あれ、なんであたしこんな恥ずかしいこと言ってんだろ。

「ん。ありがと」

そういって微笑む宏翔は、とっても綺麗だった。



このときのあたしたちは幸せで、忘れていたんだ。

しかも、一番忘れてはいけない、ファンクラブの存在を。

もし気づけていたら。

あんなことには、ならなかったのかな……?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ