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すきの気持ち
今日は宏翔に来なくていいって言われた金曜日。
朝からなんか気持ちが沈んでて、集中できない。
「美緒ちゃん、どうかした?なんか、顔色悪いよ?」
クラスの友達に心配されるくらい。
「ん、ちょっと寝不足でさぁ。保健室行ってくるよ、ごめんだけど先生に言っといて」
「おっけ。美緒ちゃんがサボって寝るなんて珍しいね」
「ちょっと。人聞き悪いこと言わないでよ」
なんて言ってる間も、どんどん気持ちは沈んでいく。
「失礼しまーす……。真奈ちゃん、いるー?」
実は、うちの学校の養護教諭はあたしの親戚の真奈ちゃん。
「美緒。あれ、もうすぐ始業だけど。珍しいね、サボり?」
「もう、真奈ちゃんまで……。頭痛いから寝にきたのー」
「そっか。ならいいけど。2時間目には出なよ?」
「うん。ありがと」
夢を見た。
宏翔と付き合ってる夢。
あたしの願望が見せた、夢。
これが現実だったらいいのに。
あたし、決めたよ。
月曜日、宏翔に会ったら、すきって言う。
もう、迷わない。




