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最初で、最後。  作者: 陽花瑠
第2章
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強がりの軌跡

……え?


なに、これ。うそでしょ?


『あなたが宏翔くんと歩いてるの、見たわ。今日のお昼休み、一人で校舎裏に来て』


差出人の名前はない。だけど、この文面から察するに、ファンクラブの子だろう。

昨日、時間が遅いから誰もいないと思って、宏翔と一緒に帰ったのがまずかったみたい。

うーん。

一人で、って書いてあるってことは、たぶん誰かに相談するところ見られちゃだめだよね。

ファンクラブなんて何人いるのかも分からないし、どこにファンクラブの人がいてあたしの事を見てるかも分からない。

もし見られたら、その人まで巻き込んでしまう。ほんとは梨子に相談したくてたまらない。でもそうしたことで梨子まで何かされたら。

そんなの耐えられない。

だったら、あたし一人が傷つけばいい。

そう心に決めて、紙を握りつぶした。





--お昼休み。

梨子には先生に呼び出されたと言って、校舎裏に来た。

なにこれ、暗い……。

ていうか、校舎裏とかベタ過ぎない??いかにもこれからいじめますみたいな。

「遅いわよ。さっさとしなさいよ」

「っ!?」

いきなり後ろから声が聞こえてきて跳びあがるほどびっくりした。

恐る恐る後ろを振り向けば、美人と噂の先輩と、あたしと同学年の子数人が立っていた。

「すみません……」

「ねぇ。宏翔くんと付き合ってるんですって?それは私たちのこと、知っててやってるの?あなた、ファンクラブには入っていなかったわね?」

「ええと。宏翔と付き合ってるのはほんとです。でもそれを先輩たちに否定されるのは納得できません」

他人にとやかく言われるような恋愛はしたくない。

「宏翔くんはみんなのものなのよ。抜け駆けなんて、許さないから」

「もの」発言に、あたしの中の何かが切れた。

「私だって、負けません。抜け駆けは許さないって、先輩たちが告白する勇気ないからなんじゃないですか?それなら、あたしのほうが潔くないですか」

「なっ……。あなた、生意気ね。いいわ、そんなに制裁が受けたいならやってあげる。宏翔くんと別れるなら、やめてあげてもいいけど」

「そうですか、絶対別れません。失礼します」

そう吐くように呟いて、その場を後にした。

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