自殺同然でスケルトン
文章力がどんどん落ちている気が
酷い誤字がありますがわざとです
逃げ出そうとしたら殺されて
目が覚めたらスケルトン
あたりは廃棄されたと思しき先人の姿がちらほら。肉は喰われ、骨しか残らない
そんな場所で私は目覚めた
―――――――――???の手記
今日も特に誰とも話すことも無く授業を終えた。
蹴られたり、机を荒らされたりといった事はないが
スルーと陰口はあった
まあ、自分でも底辺だと思う。
それを改善する気力も能力もないのでそのまま。
半分以上自業自得だ。
「今日は部活遊びに行こうぜ」
「最近良い店見つけてさ」
終わってすぐなので帰る準備をしているものはいるがまだ誰も教室の外にはおらず今日の予定を話したり部活の準備をしたり、イケメンだと評判だが女と男で明らかに扱いが違う、もっと言うなら可愛い女の子とそれ以外で扱いが違うと評判の英語教師の五十嵐も残っていた。
帰るか、と立ち上がったところで視界が白に染まり。気がついたら明らかに教室とは違う光景が目に飛び込んできた。
「は?」
と疑問の声がかなりの数重なって響き。
「皆さん! 突然のお呼び出し申し訳ありません!」
「わが国の危機を救ってください!」
ドレスを着た少女に唐突にそんな理不尽な願いを投げられた。
俺はと言うと夕方も近い一日の授業の疲れで意識散漫で周りの俺よりはまだ体力のある生徒よりも事態が飲み込めていなかった。
「あ、うん。何か麻酔薬でもかがされてクラスごと誘拐でもされたのか」
完全に頭が残念と言われても否定はしない。
「いや、何言ってんだ」
「可愛い」
「なんだこの美人……」
「伊勢回転生きた!」
「うわ……この子ちょっと頭おかしくない?」
「ねぇ」
「混乱されているのも無理はありません! きっと突然この場所に転移してきて不安に思っているでしょう。ですがこちらも必死なのです。お願いします! きっと元の世界に戻して差し上げますので我がベルベオン帝国を、邪悪なるメイメルア王国から救ってください」
一つだけ、自分には特技があった。才能ではなく単純に経験としか言い様がない。今まで自分に善意で接してきた相手は基本いない。100%愛想は合ったがまああれはプロ根性すげえなと逆に感心した覚えはある。
そんな自分は基本人を信じない。だからおかしいと思ったのだ。これはちょっと変じゃね? 呼び出してすまないといっているのに元の世界に戻して『差し上げる』と妙に上から目線。そこでふと気になって周囲を見る。教室では入り口側一番右の最後尾の席だった。授業終わりたてで同じ配置で転移してきたと思われるので隅にいるわけだがうん。
槍と剣構えた兵士が割りと沢山囲むようにいるんだよな。しかもこっちが視線向けたら睨み付けてきた。
元教壇があった位置辺りに立っていた五十嵐の右斜め後ろに立つドレスを着たたぶん地位が高いと思われる少女は真剣な表情で演説らしきものを続けている。
うん、これはまずい。何がまずいって貴方たちがわが国を救う救世主なんだって少女は力説しているのに周りの兵士はそんな扱いではないのがまずい。目の前の少女の語りかけるような様子とは裏腹に周囲で俺たちを囲む兵は明らかに逃げ出そうとするのを止めるかのように武器を構えている。
何かのアトラクションですかね、といえないくらいにゴミを見る目つきを周囲の兵士はしていた。
貴方達は救世主ですといった割に明らかに大人数の使用人部屋といった感じの部屋に閉じ込められた俺たちの間には奇妙な空気が流れていた。窓がねえ。これ罪人とか閉じ込める用の部屋じゃないか?
『すいません。思ったより大人数だったのっで用意していた装備が足りないのです。数日待っていただけませんか? その後、戦うための訓練を始めましょう』
……何がおかしいって男の殆どと少人数の女子がはいとか何故か受け入れている様子なのがおかしい。ひそひそと「何か南城様子おかしくね?」「男殆ど頭おかしくなってるんだけどやばいんじゃない?」とまだまともそうなのが固まってそんな話をしていた。俺はもちろん誰とも固まってはいない。
「すいません。用を足したいのでそとに出てはいけませんかね」
「駄目だ。まだ許可が出てはいない」
「そんな! 勝手に誘拐しておいて国を救えだとか頼んできてるのに扱いひどくないですか?」
「すまないな。明日になれば出れるようになると姫様は仰せだ。それまではここで大人しくしているように」
飯でねえ。あれか。飯を出さなければ出すものを出す確立が低くなるから節約にもなって丁度良いとか思ってるのか。
うん。仕方ないな。
おとなしくしていよう。
次の日準備が出来た。出ろ、というお前囚人扱いしてるだろ、というのがあからさまな態度に一部の不安そうな生徒とラリッてそうな五十嵐と男子と少数の女子は部屋からようやく出る事が出来た。
泣いている女子もいたし、夜中に鼻をポケットのティッシュで詰めて臭いを遮断する必要はあったがそこは気にしている場合じゃないだろう。泣いている数人の女子を慰めるようにそれぞれの友人らしき女子が優しく声をかけている。何より怖いのはそんな女子をゴミを見るかのような目でみている男子たちか。姫に洗脳でもされたのかもしれないな。
さて、と。
付き合っていたら明らかにスクールカースト最下位の自分は駒扱いで死亡確定の未来があからさまだったので近くの格子もガラスもない窓を軽快に飛び越えた。体力無いセンスも無いのに命がかかっているとどうもこんな芸当まで出来るらしい。
正直人生で一番上手く身体が動かせたのは間違いない。
すぐ下には一つ下の階の窓と思しき四角の穴が。
あると思ったよ! これで一つずつ手をかけて落ちていけば城の下にいけるな!
と思い窓の縁に手をかけた俺の頭上を何かが包み込んでいく感覚がした。
熱い。これは……火?
うん、無理があるとは思っていたんだ。
ただ、俺は絶対にやりたくなかった。
俺をハブっていたクラスメイトのパシリや身代わりは。
どうせ死ぬなら絶対に自分の意思で死んでやる。あれらの肉壁なんざ絶対にやらねえ。頭がおかしいのは間違いないがこのクラスの誰かの肉壁になるのは御免だった。
炎に包まれたまま身体は空中に投げ出され、衝撃が来る前に意識が途切れた。
?
目が覚めた。
どうやら壁に背を預けて地面に座っていたようで視界が低い。周りは薄暗く、地面は埃か黒ずんだ染みで不衛生そうだ。
とりあえず起きるかと伸びをしながら膝を立てようとしたところでふと気づく。身体の感覚がおかしい。腹に内臓がたまっているおなじみの感覚がしない。というより地面に座っているはずなのに尻に何の感触も覚えない。というよりも今腕を見たら。
ただの骨だった。全身を見渡してもただの骨だった。
直前の記憶を思い出す。
そりゃあれで死んでないとおかしいよな。と妙に冷めた感想が浮かんだ。混乱は無かった。たぶん死ぬだろうなと言う気持ちはそもそもあの脱走を試みた時点であったし、何よりも一番大きいのはこうやって物を考える事が出来たのが大きい。いや、一番怖いのは無に帰ることですし。アンデッドになってようがこうやって物考えられるのならまあ良いか、と思ったのだ。
次に大きいのは愛着はあっても惜しむよな容姿でもなかったという事。つまり生前だろうとこの姿だろうと大して魅力に変わりは無いな、いや、むしろ格好良くなったかという悲しい感想が浮かんだくらいだ。
最後にこれで死んだことになったわけだから自由になったなということ。ここがアンデッドの実験場と言う事が無い限りはまあ自由になったといっていいのでは。辺りを見回すと白骨死体の山。地面は人の手で舗装されているようだが壁は土丸出し。たぶんゴミ捨て場だと思われる。死体もゴミの一つと言うことだろう。
やはりというかあの姫ブラック企業の社長だったらしい。勝手に拉致しておいてその命はゴミ屑扱い。おそらくはあっちもろくな扱いをされていないだろう。
その点死亡扱いで骨にはなったが自由にもなった俺はまだましなのか。女は骨になったら泣き叫ぶだろうな。まあ骨のほうが女にとっては嫌か。
まあどうでもいい。安否を気にするほど互いに好意は全く無かったしな。
さて、どうしようか。
とりあえず奥に続いているらしき細いが何とか通れる道を歩いていこう。何か誰かが彫ったような感じの穴だが。
伊勢回転生きたはいせかいてんいきたの当て字です。主人公にはそう聞こえました。