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京都奪還戦争④ ヌード対決!

 






 歌を聞きながらPDAに表示された逃走経路に向かっていると、300メートル先に敵性体、MITの反応が現れた。そして、突如としてPDAから警報音が鳴り出して、赤い光を発する。どうやら、かなり危険な相手みたいだ。しかも、それは悲鳴と共にやってくる。

 俺もどうするか、悩むが……金は後でも受け取れるのだから、戦ってみようと思う。


「パワーアタック」


 準備を行って、悲鳴の方に走ると、何人かのプレイヤーが襲われて、虐殺されている。その姿は豹の頭を有し、グリフォンのごとき翼を備える人型の女性のような肉体だ。そして、何より驚いたのがもう一つ有る。それは―――


「さあ、秘密は要りません。我が前に全てを、そう全てをさらけ出しなさい!」


「いやぁああああああぁぁっ!!」


「ぶはっ!?」


 女性は悲鳴を上げ、男は鼻血を吹き出す奴も居る。そう、男性、女性の例外無く、MITの命令によって装備を、服を脱いでいくのだ。下着を残していた女性や女の子も、嫌がりながら自ら脱いでいく。そう、真っ裸になるのだ。そして、手に持つ剣で斬り裂いて殺したり、喰って行く。


「いっ、いやっ、こないで……」


「さあ、食べてやろうぞ!」


 今もピンク色の髪の毛をツインテールにした裸の女の子が食べられそうになっている。流石に見知っただけとはいえ、可哀想なので接近して、女の子に噛み付こうとした瞬間、パワーアタックを頭部に叩き込んでやる。だが、流石にMITはフィールドでダメージを相殺して弾き飛ばせた程度で、ダメージは与えられてないだろう。だが、離す事には成功した。


「大丈夫か?」


「はっ、はい……あっ、ありがとう……ございます……」


 周りの男や女性プレイヤーも何人か生き残っている。なら、やる事は一つだ。


「おい、お前ら。男なら女を守るべきだろ。裸になろうが武器は持てるんだ。殺るぞ。少なくとも、女は逃がしてやろう」


「そっ、そうだな……」


 何人かの男達が立ち上がって、武器や盾を持つ。俺も上を脱ぐ。


「ひっ!?」


「ほら、これを持ってさっさと逃げろ。邪魔だ」


 言いたい事だけ言って、男達にパーティー申請を送りながら全力でパワーアタックを再度準備して、音楽の音量を上げつつBGMにして突撃する。


「ほらっ、早く逃げるわよ」


「はっ、はい! 気を付けてください!」


 女性が女の子を連れて逃げていった。だが、これで問題無い。


「男だけなら問題無い、殺るぞ!!」


「おうっ!!」


 起き上がりながらMITは当然の如く俺を睨むが、俺は鉄犬の牙を取り出して投擲する。適当に投げただけでも数を撃てばいい。他の男性からも矢や魔法が飛んで行く。


「雑魚どもが、調子にのりおってからに!!」


【解析率23%】


 解析にはまだまだ足りないが、そんな事は関係無い。コイツと本気で戦う。ただ、それだけだ。


「うぉおおおおおおおおっ、シールドチャージ!!」


 盾を持った1人が盾と裸体を光り輝かせて突撃していく。


「舐めるなっ!!」


 MITは剣をクロスさせて盾と激突するが、お互いに相殺してしまう。俺は背後に回って、背中のグリフォンみたいな羽に対して袈裟斬りを行う。


【解析率51%】


「ぐっ、また貴様かっ!!」


 パワーアタックの光が消える前にスラッシュを使って、さらに斬りつける。そして、即座にクロススラッシュを放って4連撃を放つ。なんとか、片翼を落とせた。


【解析率92%】


 俺が攻撃している間も多数の人が攻撃してなんとか解析率を叩き上げる。


「貴様らぁあああああああっ!!」


 MITの叫びと共にその場で高速回転を始めたので、片翼を拾ってステップを使って下がる。ふと、嫌な予感がして目の前をダークネスサイズで斬る。すると、変な手応えがあった。周りを見ると風の刃をランダムに放っているようで、慌てて建物の影に入り込む。風の刃は建物すら斬り裂くのであまり安心できない。


「隠れろっ!!」


「ちっ、本当に化け物だな……」


 生き残っている者達は全員隠れる。だが、別の問題として裸の男と近づくのは非常に嫌だ。


「さて、今の間に準備しておくか」


「そうだな……」


「俺は狙撃してくるわ」


 弓を装備した奴が建物を登って行く。戦士系の奴はパワーアタックを溜めて準備する。


「傷を癒します」


 神官系が回復や支援をしてくれるので、多少はマシだろう。


「もう、油断はしない……貴様らは皆殺しよ! 我が名はシトリー、性愛を司る魔神よ! 我がの翼を取った事、覚悟なさい!」


 シトリーってソロモン72柱の奴か。大分キレてやがるな。


「デスペナは受けてやろうぜ。解析データはそのまま使えるしな」


「まあ、そうするしかないよな」


「だな。それに倒せたらかなり美味い」


 俺の言葉に他の連中も納得してくれた。解析が上がった御蔭で弱点も判明した。やはりというか、胸の魔晶石と人体的急所は存在する。つまり、やってやれない事は無い。


「さて、どこに……」


『狙撃する。こちらが気を引いてる間に突撃よろしく!』


『『了解』』


 そして、シトリーが次々と飛来する矢に吹き飛んだ。アーツを使って限界まで力を高めた矢だろう。その上に多数の岩や火の玉などが落とされる。


「行くぞ」


「あいあいさー」


 俺達も攻撃の雨に隠れて突撃する。やんだ瞬間には盾約だシールドチャージで突撃して左右から激突する。だが、今度は剣を投げ捨てて、片手で盾系の中で攻撃力が高いシールドチャージを防ぎきってしまう。


【解析率100%】


 シトリーはさらに風の刃を翼から放ち、タンカーを攻撃していく。タンカーは必死で耐えながら、神官からの回復魔法を受けている。待っていたとばかりに、俺は突撃して攻撃目標だった首や足などではなく、もう片方の羽を狙う。羽が風の刃を出す事は確定している。あの鬱陶しい攻撃を排除する。


「また貴様かっ!!」


「そっちも貰う」


 下から振り上げの1撃を入れた後、即座にスラッシュで刃を反転させてもう1撃を入れたら、今度はきっちり落とせた。フィールドで守られない分、簡単だな。


「おのれっ!!」


 シトリーはその場で宙返りのようにして足を上げて、俺を蹴りにかかる。俺はステップで一撃を回避するが、2擊目が直ぐにくる。だから、クロススラッシュをぶつける。1擊目で軌道を変えて、2擊目でふくらはぎを斬り裂いて、急いで羽を持って転がりながら逃げる。


「あぶねえ……」


 どうやら、シトリーの本領は格闘戦のようで、盾に対して猛烈に殴る蹴るを繰り返して盾を変形させながらタンカーを吹き飛ばす。

 月夜の激闘はまだ続きそうだ。周りは既に暗いが、俺達は最初から暗視が出来るので問題無い。


「ん? アイツ、魔晶石を何個持ってやがるんだ……」


 胸だけじゃなく、足にも斬り裂いた場所から確認できた。だが、これはチャンスでもある。


「魔力はまだ平気か?」


「回復はなんとか」


 神官は魔力を回復するポーションを飲みながら、答える。他の連中も大丈夫そうだ。今も上から攻撃が続いている。


「舐めるなよ……人間……ふんっ!」


 シトリーは、地面が揺れる程蹴って、矢と魔法の中を飛び上がって、両の手で弾きながら後衛が陣取っていたビルの屋上へと入り込みやがった。


「ウワァアアアアアアアアアアッ!!」


「ギャァアアアアアアアアアッ!!」


 屋上から裸の男達が馬鹿みたいに降ってきた。そして、潰れて死体を残す。どうやら、このままだと上は全滅するみたいだ。


「上に行くぞ」


「だな」


 俺達は急いでビルを登って上へと行く。そして、到着したそこは血まみれになった床で、手足が散乱している。どうやら、全滅したようだ。


「うぉおおおおおおおおおっ!! 仇討ちじゃあああああああっ!!」


 タンカーの1人が突撃し、それに続いて前衛組も突撃する。俺ももちろん突撃するが、シトリーの周りを回って、隙を待つ。


「ふはははは、その程度っ!」


 蹴りで盾が破壊されたタンカーが、盾を貫いたシトリーの足を掴んだ。この瞬間、次の攻撃を行う前に俺はシトリーの現在主軸にされている傷ついた足に思いっきり斬りつける。


「無駄じゃ、もはやその程度……っ、なんじゃと!!」


 予定通り、ダークネスサイズの刃は足の魔晶石へと命中し、魔晶石を吸収した。


「おらあっ!!」


 そして、吸収された事でバランスを崩したシトリーに蹴りを叩き込んで吹き飛ばす。タンカーの1人はいい笑顔で倒れたが気にしない。即座にポイントを見ると、300ポイントも入っていた。即座に攻撃力に全部振る。シトリーを見ると、明らかに吸収した足が細くなっている。


「今度は俺の番だっ!!」


 突撃するもう1人のタンカーを今度は両手で受け止める。どうやら、片足しか馬鹿みたいな馬力がでないようで踏ん張れていない。つまり、魔晶石がエネルギーの源。それを奪えばいいのだ。


「そのまま押していろ!」


「おうよっ!!」


 パワーアタックをチャージしながら突撃し、体勢を低くして、必死にに耐えている片足へとダークネスサイズを叩き込む。先程とは圧倒的に攻撃力が違い、通常攻撃にラッシュを合わせると斬り裂く事が出来た。そして、魔晶石を攻撃するついでにクロススラッシュを放つと、吸収しながら斬り飛ばせた。


「よっしゃああああああっ!!」


「おのれええええええええええっ!!」


「馬鹿、逃げろっ!!」


 雄叫びを上げて油断した俺に、シトリーは倒れ込みながら両手を合わせて倒れ込みながら振り下ろしてくる。直撃コースだった。


「ち、カバーリングっ!!」


 タンカーの最後の1人が叫ぶと同時にむさ苦しい裸体が光って、俺に迫って来る。それは別の意味で恐怖を誘った。そして、俺とシトリーの間に割り込んで俺を弾き飛ばした。その後、シトリーの攻撃を盾の上からとはいえ、まともに受けたタンカーの人は文字通り弾け飛び、それでも殺ぎ切れなかった威力はビルの屋上を粉砕し、崩落を巻き起こした。

 俺は何とか飛び上がって、別のビルへと逃げる。他の人は2人程助かったようだ。さっきまで居たビルより低いビルがあって、少しのダメージで助かった。ダークネスサイズを起動すると、こちらも300もあった。減るはずが減っていない。流石は魔神という事か。今度は魔法攻撃力に300を振る。すると、ますます禍々しさが増した。心なしか大きくなっている。というか、紋章が刻まれた小さな宝玉が生えて来た。


「終わったのか……」


「おい、それってフラグ……」


 そう、残っていた奴が言った瞬間。瓦礫を弾き飛ばして手だけで、こちらに飛んできた逆さまのシトリーに2人は頭を掴まれて、着地してから潰された。俺は瞬時に隠蔽を使って接近する。


「よくもやってくれたな……残りは貴様1人……」


 シトリーは俺が居た方向を振り向くが、俺は既にいない。2人の背後にいる。そして、やる事は一つだ。


「クロススラッシュ」


 シトリーに潰された首ごとシトリーの腕を2連撃で斬り裂いて、ダークネスサイズに吸収させる。


「貴様っ!!」


 残った片手でシトリーが攻撃をしかけて来るが、俺は倒れるようにしながら残っていた死体を思いっきり蹴ってシトリーにぶつけつつ、片手でバク転を行い、足が着地したと同時にステップを使って距離をとる。そして、ステップを使いつつ即座に逃げる。シトリーは死体を放り投げてくるが、なんと回避して物陰に隠れる。


「やべぇ……どんだけだよ。化け物め」


 吸収したポイントを今度は攻撃力に振る。これで物理攻撃力700、魔法攻撃力358で、合計1058だ。そのせいか、先程の宝玉が大きくなった。はっきりと紋章が見える。その紋章はシトリーが持っている紋章と同じだ。


「出てこい人間っ、殺してやるっ!!」


 隠れている場所にとてつもない力で瓦礫を投擲して破壊してくるシトリーに覚悟を決める。深呼吸を整えた後、石を右と上に投げる。


「そこかっ!!」


 シトリーがそちらに反応した瞬間に踊り出て、突撃する。こちらに気付いたシトリーも瓦礫を投擲してくる。その軌道を予測しつつ、ステップを使いながら回避し、時には斬り落とす。集中力を発揮していないと無理だ。そして、なんとか接近し、ダークネスサイズで斬り掛かる。


「我が方が速いわっ!!」


 だが、シトリーの速度の方が速く、俺に振るわれた拳は俺に命中し、命を吹き飛ばす。そのはずだった。だが、シトリーの拳が勢いを無くしてそれた。


「がっ!?」


 だから、胸に全力の4連撃で斬りかかった。胸に4連撃を叩き込むと、ようやく魔結晶……いや、宝玉のような物が出て来た。


「うぉおおおおおおおおおおっ!!!」


「くそがぁあああああああああっ!!!」


 シトリーが再度攻撃を仕掛けてくるが、今度は俺の方が速く、ダークネスサイズを胸の宝玉へと叩きつけた。ダークネスサイズはドクンッと震えて、漆黒の禍々しい霧を作り出して、宝玉どころかシトリーの身体を吸収していく。その霧は俺身体も包んでいく。


「え?」


 その時、一瞬だけシトリーの目に刺さっ“矢”が見えた。だが、この辺にはプレイヤーや運営どころか、MITの反応が無いというのにだ。つまり、少なくとも300メートル以上の狙撃を弓で成し遂げた存在が居るという事だ。普通では有り得ない。


「気のせいか……?」


【№12シトリーを撃破しました。シトリーのデータに対する完全解析を開始します】


 取りあえず、問題無いようだ。霧も消えたし、運び屋を呼ぶか。PDAを操作して運び屋を呼ぶ。理由は簡単だ。この辺の装備を持って帰って上げた方が良いだろう。美味しい所は全部貰ったのだから。


「ん?」


 俺が居る場所の近くに水滴が落ちてきて、落ちた場所から煙が上がっている。不思議がって、上を見ると……そこには巨大な鉄製の蜘蛛、鉄蜘蛛がこちらに上から振って来ていた。脳内のマップには鉄蜂や鉄犬なんかよりも巨大な反応だ。シトリーよりは圧倒的に小さいが、魔神と比べたらダメだろう。雑魚にしては鉄蜘蛛は大きさが3メートルは有るのだから。足の先は刃になっているみたいだし、討伐代が1体で10万というのも理解できる。


「ちょっ、何これ……」


 マップを見ると、周りにはかなりの量の赤い点……MITだらけだった。流石にあれほど暴れたら仕方無いのかも知れない。


「やばっ」


 俺は慌てて、ダークネスサイズを振るうが、それより先に涎がかかって、溶けた。そう、服を超えて肌に。


「みぎゃあああああああああああっっ!!!」


 即死が上がったとはいえ、俺は1400%のダメージ上昇が入っている。つまり、即死だ。正に勝負に勝って、戦に負けたとかそんな感じだ。



【ステータス】

 体力:20

 魔力:30

 肉体:30

 速度:30

 頭脳:12

 精神:30

【戦闘能力】

 攻撃力:30+1058(700+358)

 魔法攻撃力:12+1058(700+358)

 速力:26

 防御力:30+10

 魔法防御力:30

【職業】

 死神見習い

【技能スロット6】

 暗黒魔法Ⅱ

 大鎌修練Ⅴ

 即死Ⅱ

 索敵Ⅲ

 魔法適正Ⅰ

【スフィアスロット2】

 ステップⅣ→Ⅴ

【装備】

 無名のデスサイズ(攻撃力700 魔法攻撃力358 耐久力無限 暗黒属性 装備解除不可 成長する魔器 残りポイント800)

 初心者用迷彩服(防御力10 魔法防御0 耐久力3→0)

【ステータスポイント】

 0

【所持金】

 100,000Yen



(ステータスポイントのシトリーの分は解析中)







女のヌードが多いと思った?

残念、男だらけでした!

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