京都奪還戦争③ ※書き直し
前のを消させて頂きました。この次からは※書き直しというのを入れません。
一応、保存してあるので、前のを読みたいという方が居れば、活動報告にでも載せさせて頂きます。
どうぞよろしくお願い致します。
ご飯を約3分で食べ終えて、ゲームにログインした。これは本当に手軽に小遣い稼ぎもでき、社会人にとっては嬉しい事だろうただ、接続する為のローディングが少し長いくらいだ。
さて、ログインした後の予定は、ソロをする事だ。その為にやる事は準備だ。資金は110万8千Yenもあるので、100万程使う予定だ。
時刻は18時なので、結構な人数がログインしている。そんな中を移動して、露店街に向かう。
露店街はプレイヤーが集まって露店を出している。中心には大きなホワイトボードが設置され、パーティー募集や情報が書かれた紙が貼られている。
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パーティーメンバー募集
募集形態:臨時
募集人数:4
構成:メイジ1、アコライト1、シーフ1、ファイター1
現在:ファイター1
皆でランク上げをしませんか??
俺は盾型なので、ファイターの人は攻撃でも盾でも構いません。
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こんなのが沢山貼ってある。ただ、ボス情報は有るみたいだ。例えば、京都タワーに巨大な蜂がおり、そのお尻部分が巣になっていて、そこから大量の鉄蜂が出ているし、接近するとその女王蜂が襲いかかってくるらしい。まあ、ソロでボスに挑む気は今のところ無い。それよりも目的の品物を探す。
「すいません、魔晶石って売ってますか?」
素材屋と書かれた場所を見つけたので、そこにいる店員に声をかけた。店員さんは身長140cmくらいの中学生で、ピンクの髪の毛をツインテールを肩下くらいまで伸ばしている美少女だった。服装は紺色のワンピースをベルトで止めている。ごめん、他にも色々とお店は有ったが、こちらを選んだ。やっぱ、むさ苦しい男がやってる素材屋より、可愛い女の子がやっている方がお金を落とす身としてはいいしね。
「はい、こちらです」
少女が取り出して来たのは、鉄蜂、鉄犬の魔晶石で、値段は10万円だった。ただ、売れていないのか、在庫はあるようだ。
「使い道ってないの?」
「今のところ、エネルギー研究に使うらしくて購入はされていますが、供給過多で余ってますね。馬鹿みたいにいますから」
「確かにそうだな。じゃあ、10個ちょうだい」
「分かりました。10個も買ってくれるので、1つおまけして11個で100万Yenでいいですよ」
「ありがとう」
少女から直径3cmくらいの魔結晶を11個受け取り、代わりにPDAから100万Yenを送金する。
「確かに。ありがとうございました」
「それじゃあ、またね」
「はい」
欲しい物は手に入ったので、ダークネスサイズに吸わせて外に出る。これで攻撃力が67だ。1の頃に比べると、なんと67倍にもなっている。正確には魔法攻撃力も足されるから68だが。試し切りをしてやる。
前とは出口を変えて、鉄犬が出現するエリアへと踏み込んだ。上京区が鉄犬が良く出現し、下京区が鉄蜂が良く出現する。中京区は両方だ。外に出たら索敵とマッピングを起動する。Ⅰが100メートルだったのに対して、Ⅱは200メートルまで使える。しかも、マッピングはゲームでいう宝物……資源を見つけられるので便利だ。
入口から10分も離れれば、早速鉄犬が索敵に引っかかった。むろん、向こうも気付いている。なので、こちらも3メートルくらいしか無い袋小路の道で待ち構える。
「グルルルッ!!」
直ぐに廃墟の中を突き進んでやって来た。そして、こちらを唸りながら様子を見ている。
「ガァっ!!」
我慢できなかったのか、飛び上がりながこちらに襲いかかってくるので、ダークネスサイズを下から掬い上げるようにして、喉から顎に向かって放つ。
「キャインッ!!」
残念ながら即死は発動しなかった。だが、問題無い。今日は死んでも大丈夫だ。だから、わざと攻撃せずに様子を見る。
「ワォオオオオオオオオオンっ!!」
すると、相手も予定通りに雄叫びを上げて仲間を呼んだ。俺は即座にステップを使って、雄叫びを上げている鉄犬の喉を攻撃する。2度目と同じ場所に入った御蔭で、簡単に殺せた。
「さて、時間が無いな」
鉄犬を解体して、魔結晶を取り出して体力を19に上げる。これからやるのは狩るか狩られるかの戦いだ。だから、殺した鉄犬を背後に置いて、脳内にスキルによって表示されたマップを見る。すると、鉄犬が5体も範囲に入ってこちらに向かって来る。
「さて、獲物が来たな……」
鉄犬は馬鹿なのか、2体が同時にこの通路へと入って来た。そして、詰まった。もちろん、削りながら進んでくるが、その動きは極端に遅い。
「とりゃ」
となると、確実に弱点を付ける。交互に何度か攻撃して、即死を発動させて殺す。1体が倒れた事によって、スペースが相手、残りの1体がこちらへと攻撃してくるが、ステップで下がって、上段からの一撃を決めて殺す。流石に残り3体は警戒したのか、動かない。なので、今の間に肉体を2点上げて22にする。死体からも魔結晶だけを回収してダークネスサイズに吸わせる。これで攻撃力73だ。鉄犬の死体を左右に退けて、一部を鉄犬に向けて投げつける。
「キャインっ!」
1体に命中し、怒ったその1体はこちらに突撃して来る。それに対して、俺は横から叩きつけるようにダークネスサイズを振るう。
「ギャンっ!」
壁に叩きつけて、グリグリと抉る。本来ならこちらの耐久力も減るだろうが、こっちと無限の耐久力だ。正確には耐久力は減るのだが、それを上回る勢いで回復するよう、ナノマシン技術が使われているらしい。御蔭でその分攻撃力などは低いようだ。まさに練習用。
「うし」
グリグリとしていると、即死が発動し、魔結晶の部分に刃が到着した。その瞬間、ダークネスサイズから溢れ出た暗黒っぽい黒い何かが魔結晶を吸収してしまった。そうなると、鉄犬はエネルギー不足で機能を停止した。
「これは便利だ」
今までの解体で、鉄犬の弱点と魔結晶の位置は把握出来ている。後はひたすら攻撃するだけだ。だが、鉄犬の行動は予想外だった。
「「ワォオオオオオオオオオオオンッ!!」」
2体で遠吠えを行い、更に仲間を呼んだのだ。1体になるまでは大丈夫かと思ったが、これはこれで有りだ。
俺は即座に大通りに飛び出して、吠えている鉄犬の首の下を斬り裂き、魔結晶を露出させる。そして、返す刃で逃げようとしている鉄犬にステップを使いながら踏み込みながら斬り裂く。これで、撃破だ。魔結晶は自動的にダークネスサイズへと吸収された。
「もう1体っ!!」
もう1体は既にこちらへとジャンプしながら爪を振り下ろしていた。脳裏のマップで理解できていた俺は、ダークネスサイズを振り抜いたまま、遠心力を利用して身体を回転させて、爪が命中する前にダークネスサイズを横合いから斬り裂いて吹き飛ばす。幸い、前足を切断できた御蔭でダメージはない。倒れて起き上がろうとしている鉄犬に胸を斬り裂いて、魔結晶を破壊する。
「ふぅ……」
急いで、PDAを起動して肉体を25まで上げる。ダークネスサイズも攻撃力を上げて80になった。これで攻撃力が25+80(魔法攻撃力で+1)でようやく100代に乗り出した。
俺は水筒から水を飲んで待ちながら、鉄犬の鋭い爪を回収する。そんな事をしていると、鉄犬が新たに3体こちらによって来た。
「そういえば、アーツを使ってなかったな」
今覚えているアーツはスラッシュ、クロススラッシュ、パワーアタックだ。素振りを各1万回もすれば、スラッシュなんか使わなくても似たような速度が充分にだせる。パワーアタックはエネルギーを溜めて一気に放つ技みたいで、前は無かったからさっき覚えたんだな。よく見ると、暗黒魔法がランクⅡになっている。まあ、魔力不足で使えないが。クロススラッシュはその名の通りスラッシュを2連続で決める技だ。
「取りあえず、パワーアタックを試すか。パワーアタック」
意識し、口に出して身体に融合しているナノマシンへ明確な命令を送る。ナノマシンは命令に答えて、ダークネスサイズサイズに黒い光を放たせる。それが時間が立つ毎に光が強まる。そして、ある程度強くなった時、3体の内の1体がこちらに現れた。俺はステップで接近して、相手が噛み付こうと開いた口に刃を通して斬り裂く。すると、抵抗はあったが、全力で振り抜くと、鉄犬が切断されて倒れた。
「一撃かよ……っ!?」
呆然としていたせいで、残り2体の接近を見逃していた。そのせいで、2体はかなり近づいていて、今まさに食われそうになっていた。
「ちっ!?」
ステップでどうにか1体を避ける事に成功したが、もう1体の攻撃を避ける事は出来ない。攻撃しようにも空中で踏ん張りが効かないので、対した力も出ず速度も出ない。
「スラッシュ!」
そこで、無理な体勢でもアーツならどうかと試してみると、身体が急速に動いて、アーツの光で闇よりも暗い色に光るダークネスサイズで、物理法則を著しく無視しながら斬り裂く。御蔭でなんとか助かった。
「ちっ」
改めて、ダークネスサイズを構えて残り2体を見る。1体は元気で、もう1体は結構動きが鈍くなっている。そして、元気な1体がこちらに向かって、もう1体が遠吠えを行いだした。
俺は攻撃してきた鉄犬をステップで交わして、胸に一撃を入れると同時にアーツを放ってみる。
「クロススラッシュ」
身体は先程と同じように瞬時に動いて、物理法則を無視したような動きで鉄犬に2連撃を放って殺した。
「惚けている場合では無い」
さっさともう1体を斬り殺して、ステータスを確認すると、魔力が減っていた。最大魔力量が10点なのだが、現在は1しか無い。ログを確認すると、パワーアタックで5点、スラッシュで1点、クロススラッシュで3点も使っていた。これがあの物理法則を無視した力の源のようだ。やはり、全体的に上げた方が効率が良さそうだ。今回のポイントは魔力に降っておく。これで回復速度も上がっただろう。
「合計9体か……まだいけるな」
ダークネスサイズも攻撃力を85+1に上げて、次の敵を待ち構える。次はどうやら、2体のようだ。だいたい、9体を狩るのに休憩を挟みながら約1時間。19時から初めて現在は20時。後、2時間は問題無く狩れるな。
俺はPDAにイヤホンを刺して、耳につけながらお気に入りの音楽を8千円分ダウンロードして、流しながら待つ。ダウンロードしたのはネットに流れているイヴという子の歌だが、高評価の物だ。もちろん、他の曲も色々とやって、ランダムリピートにしている。
「さて、気分が乗ってきた所で楽しい遊戯を始めようか……」
やって来た2体を長い黒髪を靡かせながらひたすら斬り刻んで、手足を切断して放置する。幸い、即死が発動しなかった。今までが発動しすぎというのもある。そして、何故放置したかというと、簡単だ。
「「ワォオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!」」
仲間を盛大に呼んでくれるからだ。今度は8体も索敵に引っかかった。だから、最初に居た裏路地に入って、鉄犬の死体である程度塞いで待ち構える。行動パターンも既に解析してある。2体1でも負ける事は無い。
そして、30分かけて8体を殺すとまた8体来た。俺は大喜びで殺戮していく。殺せば殺すほど楽になり、ダークネスサイズも禍々しさを増していくのだか、楽しくて仕方無い。
追加の8体を殺せば11体が現れた。それも殺し、次は7体という所で流石に疲れた。予定よりも時間を超えていた事もある。残して置いた遠吠え用の2体を殺し、5体を殺した後、スラッシュとクロススラッシュを駆使して、残り2体を遠吠え前に喉を斬って、殺した。結局、殺したのは41体。だから、PDAから運び屋を呼んだ。
その後、ステータスを調整して、肉体などを30に合わせた。ダークネスサイズは物理攻撃力を100にして、魔法攻撃力を58まで上昇させた。なので、こんな感じのステータスになった。
【ステータス】
体力:18→20
魔力:10→30
肉体:20→30
速度:26→30
頭脳:10→12
精神:22→30
【戦闘能力】
攻撃力:30+158(100+58)
魔法攻撃力:12+158(100+58)
速力:26
防御力:30+10
魔法防御力:30
【職業】
死神見習い
【技能スロット5→6】
暗黒魔法Ⅰ→Ⅱ
大鎌修練Ⅴ
即死Ⅰ→Ⅱ
索敵Ⅱ→Ⅲ
魔法適正Ⅰ
【スフィアスロット1→2】
ステップⅢ→Ⅳ
【装備】
無名のデスサイズ(攻撃力100 魔法攻撃力58 耐久力無限 暗黒属性 装備解除不可 成長する魔器)
初心者用迷彩服(防御力10 魔法防御0 耐久力6→3)
【ステータスポイント】
0
【所持金】
100,000Yen
どうやら、ステータスの過半数が30以上になったら、スロットが増えたようだ。ちなみにだが、ダークネスプリズンは1発30消費するので、ギリギリ1発だけなら撃てそうだ。ぶっちゃけ、アーツ使った方が良いよな。
そんな事を考えて居ると、運び屋の奴らがやって来た。彼らは亜空間収納装置を持っているので、こんな仕事が出来る。流石にクライシス社もそんな物を大量生産出来ないらしいので、プレイヤーには配られていない。なので、運び屋に頼むしかないのだ。
「ソロでよくこれだけ狩れたな。確かに41体を受け取った。これが受領書だ。後ほど基地にて渡すので、欲しい素材が有れば向こうで言ってくれ。査定額から引いて渡す。全て居る場合はその時、300万Yenを渡してくれ。料金は小型種なら20体以下が100万Yen、40体以下が200万Yen。60体以下300万Yenだ。1体は超えているが、帰りしに倒した物も呼んでくれれば同じ値段で回収する」
「わかった」
運び屋は高いが、売上が確実にそれ以上になるのだから、問題無い。討伐だけでも123万Yenで、素材の買取金額が1230万Yen前後になるはずだからだ。300万Yenぐらい構わないと思えてくる。だって、1053万Yenが懐に入ってくるんだからな。ちなみに、運び屋が高い理由は簡単だ。税金も取られているからだ。素材販売にも微妙に取られているらしい。しかも、こちらのYenからリアルの円に変えるのにも手数料が取られる。取られたのは国費に行く……政府汚い。
取りあえず、帰ってゆっくりしようかね。