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京都奪還戦争② ※書き直し

 





 グレナンガ、タルタル、サリムの3人と共に廃墟となり、既に現実では存在しない京都の街を歩く。京都が廃墟となり、現実に存在しなくなった理由は非常に簡単だ。京都にMITの隕石が落ちたからだ。そして、現住生物に寄生したMITが日本で最初に暴れた場所でもある。つまり、MITもろとも纏めて京都の地も異空間に転送したのだ。


「死体を見つけたら、できる限り知らせるか、写真を撮って遺品を回収するように言われているが……これ、持って帰った方が良いか?」


「腕だけでも回収しましょう」


「そうだね」


 俺達が見つけたのは瓦礫に埋まっていた人間の腐った腕だ。それを密閉式の容器に入れた後、バックに入れる。死体を見てもなんとも思わない。いや、正確にはナノマシンによって制御され、一定値を超えれば通常の思考状態に戻されるのだ。戦闘時における度が過ぎた恐怖や恐慌など必要無いのだから。


「さて、お待ちかねの鉄犬だ」


「ヒャッホー!」


 徘徊する事3時間。ようやく鉄犬が俺の索敵に引っかかった。ほとんどが、鉄蜂だったのだ。倒した数は12体だけどな。


「支援魔法をかけます。デフェンス、アタック」


 サリムが道路の中央で支援をかける。俺とガレナンガはサリムの斜め後ろ左右で待つ。サリムの横にはタルタルが鎖を回して待ち構えている。


「数は……1体」


 大通りだった道は崩れたビルなどで埋まり、見通しが悪くなっている。元は車が行き交う3車線道路だったのにだ。


「来たようだ」


 瓦礫の向こうからはっはっという息遣いと、何かが走って来るような音もする。そして、瓦礫を飛び越えて全長1メートルの鉄犬が現れた。


「はっ!」


 サリムが盾で受け止めて、瞬時にタルタルが鎖を巻きつけて動きを封じる。俺とグレナンガが両サイドから斬り裂く。一撃目はどうしても弾かれる。1回で10%解析できるので、4人で40%だ。3回目くらいからまともに攻撃が通りだす。そして、集中すると、赤い点が見えるので、そこを重点的に攻撃していく。次第に動かなくなると、遠吠えをしだした。


「ワゥウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥッ!!」


 その遠吠えから少しして、鉄犬は倒れた。その後、肉体に10ポイント振り、攻撃力を増やす。鉄蜂のは精神に全部振っている。どうせ、しばらく魔法は使え無いのだから、魔力は後々でいい。暗黒魔法は上位だからか、消費がバカ高いのだ。とてもじゃないが、使え無い。


「よし、振り終えた。結構楽勝じゃん」


「油断するな」


「そうですね」


 改めて上昇した索敵Ⅱを起動すると、嫌な情報が入った。


「おい、まずいぞ……8体もこっちに向かってきてやがる」


「ちっ」


「仕方無い。俺が囮になるから、そっちで確実に倒してくれ」


「わかった。頼む」


 俺は自分の速度を生かして、鉄犬の前に躍り出る。そして、石を投げつけた後、急いで逃げる。鉄犬達は俺を追ってくるのが、その内の1体が消えて7体となった。マッピングと索敵を利用して、細い路地へと逃げ込む。鉄犬が一体だけ入って、襲いかかって来る。それをタイミングを合わせて、上段から振りおろす。首の後ろの所に命中して、鉄犬は倒れて動かなくなった。


「ラッキー」


 そのまま逃げて、残り6体。鉄犬達は死体を飛び越えてこちらに来るのでさっさと逃げる。

 こんな所で死ぬ気はないのだから当然だ。


『倒したぞ』


「了解。連れて行く」


 迂回して先程の場所へと向かう。すると、鉄犬を鎖が攫っていく。これで残り5体だ。だが、流石に追いつかれる。なので、瓦礫を落としたりして、走り回って時間を稼ぎ、時には止まって攻撃する。次第に俺が止まると警戒するようになりだしてくる。


「おりゃああああっ!!」


 そうしていると、一匹が背後からアーツの光を纏った大剣に弱点を斬られて一撃で死亡する。残り4匹の犬が後方を向いたので、背後から1匹を斬り裂く。流石に即死は発動しない。それでも、首筋を攻撃したのでかなりのダメージを受けている。そんな鉄犬に鎖が巻きついて、鉄犬毎振り回されて、鉄犬同士がぶつかってお互い大ダメージを受けて1匹は破壊され、1匹はダメージを受けた。残り3匹。ここまでくると、ガレナンガと俺、サリムが一体を受け持つ。


「ほいっと!」


 そして、タルタルがディレイから回復したら、俺の受け持つ鉄犬の鎖で絡めて、サリムが相手している鉄犬へとぶつける。俺はガレナンガが相手をしている所に向かって、背後から斬り裂く。これによって、怯んだ鉄犬にガレナンガが雄叫びを上げながら特大のをお見舞いして、倒してしまう。残り2匹。瞬時に反転して、倒れたままになっている鉄犬へとかけよって、首筋にダークネスサイズをあてて、刃を擦りつけて切断する。後は4人でボコれば終わりだ。


「3匹くらいが簡単だね」


「だな。すまんが、回復を頼むぞ、サリム」


 グレナンガが運び屋を呼びつつ、サリムに指示する。


「ええ。レンさんは平気ですか?」


「なんとか大丈夫だが……満タンにしておきたい」


「分かりました」


 サリムが回復魔法をしてくれる。流石は聖騎士様。サリムが聖騎士で、ガレナンガが狂戦士、タルタルが拘束師という職だった。このパーティー、攻撃魔法を使える奴がいないのだ。一応、俺の攻撃は暗黒攻撃だから、有効なのだが。そんな事を思っていると、運び屋が到着して、鉄犬八体を運んでいく。


「んじゃ、もうちょっと狩りしながら帰るか」


「そうだな。俺もそれがいい」


「もうそろそろご飯だしね! 今日は何~?」


「たまには自分で作れよ……今日はカレーライスだ」


「やったね」


 タルタルとグレナンガが楽しそうに会話しながら進んでいく。


「結婚している人はいいですね」


「そうだな。でも、面倒な面もあるよな」


「それは確かに」


 それから、モンスターを見つけては斬り殺しながら進んでいく。ある程度ステータスが上がれば安全に狩れるようになる。そうしたら、ソロでもいけるかも知れない。



 それから、俺達は無事に前線基地に到着した。そこで、基地内にあるカフェの個室で精算を行っている。今日の売上げは討伐報酬が鉄蜂13体で13万Yen、鉄犬9体で27万Yenで合計が40万Yen。

 これに鉄犬と鉄蜂の身体の売値が270万Yenと130万Yen400万Yen。これに運び屋の代金が100万Yen引かれて、残り300万Yen。これを四人で分けるので、1人75万Yenとなり、最終合計金額が115万Yenとなった。これに魔結晶が配られる。魔結晶の数は鉄蜂が12、鉄犬が9だ。鉄蜂のが3個ずつで、鉄犬は2個ずつ訳、残り1個はオークションになった。一応、欲しかったので、10万で購入した。


「今日はお疲れさん」


「お疲れー」


「お疲れ様でした」


「お疲れ。誘ってくれてありがとう。流石にこれは最初からソロじゃキツイや」


 人数で囲んだら平気だが、それ以外が怖い。


「気にするな。こっちも殆ど特殊職みたいな奴で集めたからな。御蔭で他よりは楽なはずだ」


 普通の奴がいやしない。このパーティーはレアばかりだ。


「即死も結構面白かったよね。確率的には100分の1かな?」


「そんな感じだな」


「まあ、頑張るさ」


「そうですね、どうせならアドレス交換しておきましょう。臨時ですが、またパーティーを組めばいい稼ぎになりますから」


 確かに便利そうだ。こういうのは協力者が多い方が良い。


「そうだな。武器や防具のメンテナンス代も結構かかるしな。また明日も一緒にやるか? タルタルは明日、夕方からログインらしいからな」


「俺は大丈夫だ。朝からログインしているだろうし」


「私も夕方……いえ、8時からなら、仕事も終わって家にいますので大丈夫です」


 サリム……サリムさんは社会人なんだな。タルタルは違いそうだが。


「おいおい、アタシは午後に講義があるだけだから、午前はいるぜ? グレナンガも1人で大丈夫だろ?」


「そうなのか? 俺と一緒の講義があったと思っていたが……」


「タダで潜り込んでただけだからな!」


 なんか、とんでもない事を言っているが、大学の授業なら可能だな。


「なら、明日は8時集合で。赤外線でアドレスを転送するからPDAを出してくれ」


 俺達はPDAを取り出して、お互いのアドレスを交換する。これでサリムとグレナンガ、タルタルのがアドレス帳に登録された。アドレス帳には名前と職業、ログイン状態まで載っている。現実の携帯アドレスも登録できるみたいだが、これは親しくないとやっちゃ駄目だな。


「ねえねえ、レンって朝からいるんだよね?」


「そうだが?」


「なら、明日。午前中だけ2人でやってみる? 鉄蜂ならアタシが叩き落とすからさ」


 2人か。ペアって言うんだっけ……タルタルが押さえて俺が攻撃すればできない事はないか。


「大丈夫だ。それでいこう」


「レン。手を出すなよ……叩き斬るぞ」


「わかってる」


 グレナンガが無茶苦茶怖い形相で、睨んできた。


「大丈夫だって、アタシはアンタ一筋だから」


「ならいい」


 とそっぽを向いて、さっさとログアウトしていった。


「じゃあ、何時からする?」


「素振りもしたいから、9時ぐらいだな」


「了解! それじゃあね! あっ、回復薬はかっとくんだよ!」


 タルタルもログアウトとしたので、残ったのはサリムだけだ。


「私はご飯食べてから再度ログインですね。御二人は用事あるみたいで、これからログインしないそうですが……」


「俺も飯を食べたらログインかな。で、ログインしたらソロを試してみる。まあ、やるのは鉄犬だけどな。鉄蜂は飛ばれてるからどうしようも無い。一か八かでカウンターを決めるくらいだ」


「そうですね。私も攻撃手段がそれしかありません。では、今日は解散して、強くなってから明日会いましょう」


「ああ。それじゃあ、またな」


「はい。お疲れ様でした」


 サリムがログアウトしたので、俺は自分のステータスを更新する。鉄犬8体分を体力に振る。そして、ダークネスサイズは鉄犬の魔結晶を食わせて全て攻撃力に入れる。どうやら、初期討伐5ポイント、それ意外が1ポイントだ。魔結晶も2個目からは1ポイントだった。なので、攻撃力16に初期討伐5点、初期魔晶石10点、魔晶石5点、鉄蜂12体、鉄犬8体の合計で20点。合計ポイント40点上昇で攻撃力が56になった。店売りや露店売りを見る限り、攻撃力は100点から300点までのがでている。まだまだ強さはそこらの武器よりも弱いが、ゆっくり超えていけばいいさ。狩りに出たのは今日が初めてなのだから。

 さて、俺もログアウトするか。しかし、カフェでの精算はいいな。何かを食べながらというのも。ただ、物価が高いから2000Yenも取られたが。


【ステータス】

 体力:10→18

 魔力:10

 肉体:10→20

 速度:26

 頭脳:10

 精神:10→22

【戦闘能力】

 攻撃力:20+56

 魔法攻撃力:10+1

 速力:26

 防御力:20+10

 魔法防御力:22

【職業】

 死神見習い

【技能スロット5】

 暗黒魔法Ⅰ

 大鎌修練Ⅴ

 即死Ⅰ

 索敵Ⅰ→Ⅱ

 魔法適正Ⅰ

【スフィアスロット1】

 ステップⅢ

【装備】

 無名のデスサイズ(攻撃力56 魔法攻撃力1 耐久力無限 暗黒属性 装備解除不可 成長する魔器)

 初心者用迷彩服(防御力10 魔法防御0 耐久力9→6)

【ステータスポイント】

 0

【所持金】

 1,108,000Yen









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