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ボディーガード

またせてしまってすいません。

とりあえず急いで書き上げたものです。





 朝食を食べてから新聞を読みながらエヴァが入れてくれたコーヒーを飲む。アナスタシアはソファーに寝転がって本を読んでいる。ただ、読んでいる本はかなり難しい技術書だ。それも親父の所から取り寄せさせた兵器関連のだ。


「それじゃあ、学校に行ってきますね」


 エヴァは洗い物を終えたのか、エプロンを脱いで畳んで置いて台所から出て来る。


「いや、行かなくていい」

「え?」

「今日は休め」

「でも……」

「昨日の事があるからな。アイツは一緒の学校なんだろ?」


 あの男は何をするかわからないしな。誘拐されて監禁されるなんて事があるかも知れない。それは困るからな。仕方ないからボディーガードを雇おうと思う。


「そうですが……」

「なら駄目だな」

「うん、駄目。危ない」

「……そうですね、わかりました」

「既に学校には連絡を入れておいたから安心しろ」

「それでは今日はどうしましょうか?」

「とりあえず――」


 新聞をテーブルに置いて小首を傾げるエヴァに近づいて抱きしめる。


「あっ」

「――制服姿もいいから楽しませて貰おうか」

「っ!? はっ、はい……」

「朝からお盛んだね」

「来るか?」

「私はこれを読んでるからいい」

「わかった」

「あうあう」


 真っ赤になっているエヴァを連れて寝室に移動し、制服ごとたっぷりと汚してやった。



 終わったあと、エヴァとお風呂に入って汗を流した。エヴァはそのままお昼ご飯を作る為に台所にいる。俺はその間に携帯端末のPDAを取り出して親父の秘書に電話を掛ける。


『はい、雪平です。若様、どうなさいましたか? 社長はお忙しいのでお繋ぎする事は出来ませんが』

「親父に直接話をする必要はねえよ。女の優秀な専属ボディーガードが欲しいんだが……?」

『手配しましょうか?』

「いや、学園から欲しい。護衛対象は高校二年生で校内での護衛も頼みたいから18歳限定だな」

『なるほど、奥様の護衛ですか。そういう事であれば確かに学園の者がいいですね。では、手配しておきます。二時間後に迎えのヘリをご自宅に向かわせますが、よろしいですか?』

「頼む」

『ではそのように』


 電話を切るとアナスタシアが本から顔を上げてこちらを見ている。


「どこか行くの?」

「ああ、ボディーガードを雇いにいく」

「? 雇いに?」


 小首を傾げるアナスタシア。確かに雇いに行くのは不思議だろう。普通は手配してあちらから来てもらうのが普通だ。


「住み込みで働いて貰うからな」

「……大丈夫?」

「エヴァと同じ18歳の女性にするから大丈夫だろう」

「そう……新しい愛人?」

「それはわからん」


 学園から専属とする護衛なら愛人にも出来るだろう。まあ、前の俺には雇う事なんて出来ない。というか、一度雇おうとしたのだが親父達に止められてしまった。


「護衛の人ですか?」


 エヴァが大皿に入ったカルボナーラを持ってくる。


「そうだ。学校でもボディーガードが居れば安心だからな」


 俺も皿とフォークを取り出して持っていく。


「飯を食べ終えたら出掛けるから準備しておいてくれ」

「わかった」

「はい」


 食事を終えてゆっくりと休憩した後、お出かけ用の服に着替えて屋上へと移動する。既にヘリコプターが到着していたので乗り込んで移動する。


 ヘリコプターで空港まで移動し、そこから会社が所有するプライベートジェットに水上機機能を取り付けた飛行機に乗って移動する。目的地は日本から離れた海に浮かぶ我が社が所有する島だ。

 三時間の飛行が終わり、目的地の島へと到着し海面を滑って桟橋に移動する。


「お待ちしておりました。ご案内致します」


 執事服を着た男性が待ち構えていた。飛行機から降りて桟橋に降り立つ。彼の案内に従って車に乗って移動する。


「ここはどういう所なんですか?」

「ここは孤児を世界中から集めて英才教育を行っている。教えている教科の中には戦闘技術などもあるから護衛には最適なんだよ」

「戦闘員の育成ですか?」

「危ないことしてる」

「兵器開発業者だからな。それを扱う傭兵もスペシャリストとして育てれば稼げるという事らしいな。慈善事業も兼ねているらしいがな」


 特に前に起きたMAIの襲撃によって生まれた孤児達も引き取っている。それにゲームをプレイさせてナノマシンを体内に入れているらしい。


「儲けって出るの?」

「出るんじゃないか? 費用は全て借金として生徒に乗せられているし、保険もいれられているからな」

「そうですか……」


 酷いかも知れないが、生きる為の手段も教えているし仕事も与えられる。少なくともここにいれば食いっぱぐれる事はない。


 しばらくすると学園のような複数の高層建築物が見えてくる。そこに入り、車を降りて歩いていく。直ぐに設置されたエレベーターに乗って地下へと移動する。

 エレベーターの中から外を見ると巨大な訓練場があり、様々な年齢の少年少女達が走り回っている。中にはナイフや拳銃を持って戦っている者達も居る。もちろん、本物じゃなくペイント弾だが。アナスタシアは興味を引いているのか訓練を見ながら歩いている。


「こちらです」


 しばらく歩いていると部屋に通される。そこは面接室のような場所となっており、入ってきた扉以外にも奥にも扉がある。


「お座りください」


 面接の試験管の座る席を進められ、三人で座るとメイドがトレイを押しながら入って来る。そのメイドがお茶とお菓子を配ってくれる。


「ありがとうございます」


 エヴァがお礼を言うとメイドは一例した後、資料が入っているタブレットを配ってくれる。


「お求めの者は18歳の女性で戦闘技術のある者と伺いました。当学園に居る者達から成績優秀者を載せています」


 渡されたタブレットに入っている資料を確認していく。資料には三十人がリストアップされており、詳しいプロフィールが書かれている。本人の姿が3D映像で乗せられている。それも裸で身体の至る所まで見れるし、スリーサイズや男性経験の有無なども書かれている。


「完全に愛人用?」

「そういう用途もあるみたいですね……」

「そちらも値段次第ですね。彼女達の借金を減らす事も出来ますから彼女達も納得しています。ですのでご安心ください」

「それで、どうしますか?」

「私とお姉ちゃんは愛人さんを作ってもいいよ。むしろ作ってくれる方が楽でいい。お兄ちゃんはエロエロだから」

「そ、そうですね……私はお任せします」


 とりあえず戦闘時の動画もあるのでそれを見て判断しよう。可愛い子じゃないとごめんだからな。


「それで、どの子がいい?」

「私は誰でもいいのですが……」

「ん~この人とこの人」


 アナスタシアが選んだのは二人の日本人の少女。資料には黒髪の日本人女性が多い。仕事場所が高校だから当然かも知れないな。

 一人は久留直子。ストレートロングの黒髪少女で身長167cm、Dカップ。顔も美形で美人で戦闘能力も高い。

 もう一人の少女は竹内楓。肩に掛かるぐらいのミディアムヘアでこちらも黒髪だ。顔付きは可愛らしく、身長は155cmで中学生くらいの身長しかない。

 戦闘能力は久留直子学年1位で、竹内楓が学年24位だ。


「では、この二人を頼む」

「畏まりました」


 執事服を着た係の者が出ていき、メイドが直ぐに二人の少女の動画を再生する。


「こちらが久留直子です」


 動画にはプライベートルームである部屋の中まで撮されており、彼女の生活態度や会話の内容など全てが記録されている。記録されていないのはトイレや風呂だけだ。


「次が竹内楓です」


 極限状態に置かれた時の対応や、戦地での実際の戦いも映像に記録されていて流される。それを見て思ったのは久留直子は狙撃などが得意で近接戦闘も出来るがどちらかというと遠距離タイプ。逆に竹内楓は片手にコンバットナイフを持ち、もう片方には手榴弾や拳銃を使ったりコンバットナイフを持って二刀流をしたり、ワイヤーを使ったりして戦ったりしている。


「スナイパーとアサシン?」

「そんな感じだな」

「えっと護衛にはどちらがいいのでしょうか?」

「どちらも出来るだろうしな」


 ぶっちゃけどちらも近接戦闘能力は十分にある。たかが高校生から守るには十分なほどだ。得意分野じゃなくても軍人相手でも戦えるレベルだしな。


「会ってから決めるか」

「そうですね」

「畏まりました」


 メイドが連絡を入れてくれたので直ぐに二人が入ってくる。二人は戦闘服でもある制服姿で風呂に入ったのか少し濡れている。


「失礼します。久留直子です」

「竹内楓です」


 久留はキツメの印象があるツリ目の美人で、竹内は可愛い顔をしていて美少女といえる。俺を見て久留は見定めるように見つめてくる。竹内は顔を赤らめて恥ずかしそうにしている。


「既に契約内容は話してあります」

「そうか。やって貰うことはエヴァの護衛だ。高校内部で守ってもらう事になるが、大丈夫か?」

「その程度問題ないわ」

「全力を尽くします……」


 依頼内容を聞いて久留は断言した。竹内の方も問題はなさそうだ。今は緊張しているようだが、戦場の戦いぶりは容赦なく確実に敵を仕留めているので問題はないだろう。


「んで、わかっていると思うが雇い主は俺になる。つまりやる事はやる。それもいいな?」


 二人を舐め回すように見詰めてエロい顔をする。


「それはお断りするわ」

「で、出来る限り頑張ります……」


 久留はあっさりと断り、竹内の方は了承した。あくまでも性的な事は本人の同意に任せられる。少しは痩せたとはいえ俺の容姿なら断るのは当然だろう。しかし、竹内は同意してきたか。


「エヴァやアナスタシアは質問はあるか?」

「私は別にありません。旦那様の決定に従います」

「私は竹内さんにある」

「はい……」

「お兄ちゃんの愛人になってずっと一緒に居る事になるけど、大丈夫?」

「だ、大丈夫です」

「えっちな事をいっぱいされるけど」

「か、構いません。頑張ります……」

「ふむ。ちなみに借金の返済とは別に給料も支払われる訳だけれど、何に使うんだ?」


 俺が質問に久留から答えてもらう。


「私は少しを残して借金の返済に充てるわ。早く自由になりたいから」

「私は妹の借金を減らす為に使います……」

「妹さんの為にですか?」

「はい。残されたたった一人の家族ですから紅葉には不自由のない生活を送ってもらいたいです」

「旦那様……」

「おい、竹内の妹の資料も持って来い」


 上目遣いで見上げてくるエヴァを見て直ぐに指示を出す。すると端末に情報が送られてくる。名前は竹内紅葉。姉の楓とは違って戦闘面の適正はかなり低いが、電子工学の適正はある。容姿は可愛く、髪の毛が腰の辺りまである。


「お兄ちゃん、この子欲しい。お願い」

「お願いします、旦那様。姉妹は一緒にいさせてあげたいです」

「竹内、妹を説得して納得させろ。そうすれば二人一緒にいさせてやる」

「本当ですか!?」

「ああ。そのように頼む」

「了解しました。それでは手続きに入ります」

「ありがとうございます。直ぐに説得してきます!」


 竹内は部屋から飛び出していき、久留はさっさと帰っていった。学園トップクラスなら戦場に出た方が儲かるだろうし、選ばれない方がいいと思っていたんだろう。こちらとしてもやる気のない奴はお断りだから構わない。


「では安くして二人で2億6千万ですが……」

「親父に付けておいて」

「畏まりました」

「あっさり付けましたね」

「ダメ人間?」

「失礼な。問題ねーよ。そもそも2億6千万ってのは外部に売るもんだしな」


 ジト目をしてくるエヴァとグサッとくるアナスタシアの言葉に言い訳をしておく。ちなみにこの2億6千万はこちらが得る利益を入れた金額で彼女達に課せられる金額はもっと多くなる。


「実際、払ってもらうとしても食費や電気料金などを纏めた生活費くらいですよ。訓練費用とかは全部会社持ちになります。なんて言っても次期後継者の若様ですから。今まで専属の護衛が居ない方がおかしいのですよ」

「一応、何人かは配置されているみたいだがな」

「もちろんです。何かあれば困りますので配置させて頂いております」

「お兄ちゃんが働くまで駄目だっただけ?」

「そうです。若様がやる気になるまで社長が禁止されていただけです。好きな女を与えるからやる事やれと言われても今まではやりませんでしたが、お二人が来て変わられたようで感無量です」

「うるせーよ」

「あははは」

「ダメ人間、ダメ人間」


 乾いた笑いをするエヴァと抱きついて頭を擦りつけながら呟くアナスタシア。


「それと3億とか払おうと思ったら払えるからな」

「ですよね」

「お兄ちゃん、いっぱい稼いでるもんね」


 鉄犬の売上だけでもかなりのものになる。エヴァ達の稼ぎも夫婦なので全て俺の物だし、そこから俺の裁量で配る程度だ。ぶっちゃけて言えばエヴァ達が自分から婚姻関係や俺との関係を解消できないようにしてある。かなりあくどい契約が結ばれているのだ。流石は死の商人の家系といえる。


「あの、本人の了承がないのは駄目ですからね?」

「わかってるよ」

「お兄ちゃんのハーレムだね。男の一人の夢だよ」

「実際は女の方が実権を握ってるらしいけどな」


 まあ、それでも美少女ハーレムは男の夢だな。しっかりと甲斐性性を見せないといけないし、色々と大変だがな。特に親父の後を継ぐとその恨みまで継ぐことになるからな。子供の頃に暗殺者に狙われた事だってあるし、一部の国ではテロリスト扱いだ。だからこそ、こんな学園を作っているんだが。どちらにしろ、これから準備を色々としないと。面倒だが、幸せになる為には努力を怠る事は出来ないって事だな。







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