ギルドハウスにて④
明日は出かけるので更新がないかも知れません。
ギルド結成から一週間。流石にリアルの事情もあるし中々揃えなかったが、実験を繰り返してスフィアの量産方法を確率した。度重なる人体実験の結果だ。そして、大量に消滅した魔晶石達にも黙祷を捧げよう。まあ、基本的に俺はアナスタシアとアセリアの為に皆が学校とかで頑張っている間もせっせと蜘蛛を一定の場所に引き寄せては片付けてを繰り返した。もちろん、バアルが現れないように定期的に逃げてな。
さて、検証の結果、スフィアを量産する事は辛い。先ず、体内スロットにランクの高い魔晶石を投入し、その後ひたすらその行為を行う事で魔晶石が学習してスフィアになる。つまり、ぶっちゃけると雷魔法のスフィアが欲しければそれなりに強い雷撃を浴び続けなくてはいけない。何度も死ぬ事になる。もちろん、モンスターからもドロップするので問題はないんだが低確率すぎる。まあ、死亡するが確実で入るかといえばそうでもない。この方法で手に入るスフィアは何個かあるのだ。一つは雷属性魔法。もう一つは雷属性耐性。もう一つは麻痺耐性。この3つがあり、この習得方法からして高確率で耐性系を得てしまう。そちらの対策としては、既に雷属性耐性を習得していれば、そちらに経験が蓄積されるので問題無い事が判明している。ちなみに雷属性耐性の効果に麻痺耐性も含まれている。
「さて、どうしようかね……」
振り返って現実逃避していたがどうしようもない。昨日は寝室にある大きめのベットでイヴとアナスタシアの身体をお互いに楽しませて貰った。その後、眠りに着いたのだ。だが、気付いたらベットにアセリアまでも寝ていた。もちろん、手は出していない。その証拠に彼女はちゃんと服を着ている。
「アセリアはログアウト状態か」
前のアップデートというか、ギルドハウス持ちはシステムを圧迫しないためにギルドハウスでのログインとログアウトが可能になっている。ただ、その場合は身体が残るので鍵を掛けるのが一般的だ。特に女性はだが。理由は想像できると思う。
「取りあえず、起きる前に着替えるか。その為にも2人を起こさないとな」
俺の左右の手を枕にして気持ち良さそうに眠っているアナスタシアとイヴを手で優しく揺すって起こす。
「ふぁ……おはよう……ございます……」
「おはよう」
「ん」
目覚めたイヴと先ずはキスをして完全に覚醒してもらう。流石に一週間もずっと続けていれば俺もイヴも慣れてくる。いや、訂正する。恥ずかしい。だが、色々と調べたら新婚はこれぐらい普通らしい。だから、お互いをちゃんと愛する為にも一番簡単な肉体接触は多めに行う事にしている。
「おはようございます」
「ああ。それより、ちょっとまずいことになってる」
「えっと……」
起き上がって、アセリアの方を見たら、イヴがこちらを冷たい目で見てくる。
「手を出したんですか?」
「出してない」
「アナスタシアの事も有りますからね」
「誓って出してないって。だいたい、服を着ているだろ」
「悪戯した後に戻したという事が……」
「怒るぞ?」
「ごめんなさい。冗談です。そもそも、私は旦那様を束縛する事は出来ませんから。それにちゃんと愛してさえくれれば私とアナスタシアは構いません」
まあ、そういう契約だしな。でも、前半はちょっとした冗談で、後半は本心だと分かる。それぐらいには互いを知れててきた。まだ手探り状態だが。そんな事を考えていると、イヴが改めて俺にキスしてきた。俺はそれを受け入れて、優しく舌を絡める。直ぐに顔を離して、ベットから出て服を着だした。俺はつい、その着替えを見続けてしまう。
「はうっ」
終始真っ赤になりながら服を着て、いそいそとアセリアを運び出した。隣のアナスタシアを見ると、こちらはまだ寝ている。だから、頬っぺたをぷにぷにつついてやる。柔らかくて弾力があり、大変気持ちがいい。次第に口に持っていくとちゅぱちゅぱと吸い出す。
「起きてるだろ」
「ばれた?」
「流石にな。おはよ」
「ん。んんっ、ちゅるっ」
アナスタシアとも甘いキスをした後、起きてイヴが出してくれていた服を着る。アナスタシアも身体を起こして、こちらを見る。
「着せて」
「いい加減覚えろよ……」
「私は、着せ替え人形。違うか。ダッチワイフ?」
「手足が無いからって自虐しすぎだ、馬鹿」
軽くおでこを叩いてから、下着を渡す。仕方無いのでドレスを着せるのは手伝ってやる。ワンピースのゴスロリなので比較的楽だ。
「ありがとう。お礼にそれ、処理してあげる」
「おい、これは……」
「はむ」
アナスタシアは本当に色々と歯止めが利かなくなっている。イヴからは自分の身体で他人を喜ばせられるのが楽しいらしいので、できれば叶えてやってくださいと言われているので、結局そのままアナスタシアの奉仕に身を任せる。男は下半身で考えるという言葉は理解できる。
スッキリした……させられた……いや、ここはしてもらっただな。取りあえず、俺は手を握ってくるアナスタシアを連れて洗面所を経由して、リビングへと向かう。しっかりと手洗い嗽を行ってから戻る。アナスタシアにはブレスケアもしておく。
「おはようございます」
「おはよう」「おはよ」
何度目の挨拶になるかわからないが、挨拶は基本だから何度でもするという事で意見が一致している。まあ、朝だけだが。
「アセリアはまだ寝てる?」
「みたい」
アナスタシアの指差した方向を見ると、寝息を立ててソファーで寝ている姿が見える。身体にはタオルを掛けられていて、アセリアの可愛らしい顔も見える。
「悪戯する」
「こら、やめなさい」
「大丈夫。目隠しだけ」
アナスタシアが目隠しをしようとした瞬間、アナスタシアの身体が動いてその手を掴んだ。
「させません」
「残念」
「前の事、まだ根に持ってたんですか……」
「当たり前」
前の事とはちょっと前にタルタルがスイカ割りをプールでやった時の事だ。アセリアは加減を間違えてしまい、目隠したアナスタシアが高速回転した後、プールに落ちてしまったのだ。幸い、直ぐに助けられたが。もちろん、その後にアセリアもお返しをされた。というか、最終的に楽しそうに回転させられながら飛び込んでいた。
「それより……」
「はぅっ!?」
アナスタシアが何かをアセリアに耳打ちすると、アセリアが全身を真っ赤にさせ、次第に青くなってくる。
「ご飯ができましたよ」
「了解」
「は~い」「はい……」
何があったのかはわからないが、のどかなひと時だ。だが、それはご飯を食べている最中に崩れた。そう、この京都に鳴り響く緊急事態を知らせるサイレンの音によって。




