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2カ月も間を開けてしまって、本当に、本当に、本当に申し訳ありませんm(__)m
今回、改めて自分の文才の無さを実感しました。
今回はグダグダな上に、非常に読みづらいかもしれません。
そして、ネタを書くのが苦手なのも実感しましたorz
「うあ~……流石に、眠い」
BSOを開始した翌日のよく晴れた朝、通学路で頭を抱え、歩きながらぼやく俺がいた。
あの後は細剣術が100に到達する前に、疲れてログアウトした。
それまでに、細剣術の新しいアビリティを取得したり、道に迷って高レベルMOBに負けて街に送り返されたりなんかもしたが、その辺りは割愛だ。
「そんなに眠いって、何時くらいまでやってたんだ?」
「確か……2時半くらいだったっけな」
ログアウトしたのが約2時半、毎日6時起床だから睡眠時間は3時間半。
毎日遅くても日付が変わる前には寝てた俺にはなかなかキツい 。
「それでキツいってことは健康的な暮らしをしてきた証拠だな。俺なんて4時近くまでやっててこの通り元気だからな」
「不健康なの理解してるんだったらもっと早く寝ればいいのに……」
「それを出来ないから、ゲーマーなんだよ」
それドヤ顔で言うことじゃないぞ、と溜め息混じりで返しながら、項垂れてまま坂道を登っていく。
「なぁ、璃空」
「なんだ、こっちは頭が───って、うわぁぁ!?」
コツンっ、という音と共に前に投げ出される体。
ほんの一瞬意識が朦朧とするが、反射的に前に出した右手を地面に付き、跳ね上がるように体を押し上げる。
空中でなんとか態勢を立て直し、しっかり着地、乱れた髪を直し、軽く手櫛で整える。
「足元に気を付けろよ、って言おうとしたんだが」
「そういうことはもっと早く言って!っ……けほっ、けほっ」
俺は身体能力には自信があるが、生まれつき体力がとことん少なく、体も弱い。
そのせいで、少し無理をするだけで息切れや喘息気味になったりしてしまう。
正直凄く大変だが、元々の体質のようなものなので仕方がない。
「まったく、無茶するからだ、ほら」
「ごめん……」
溜め息をつきながら俺の前で背を向け屈む颯天の首に手を回し、背におぶさる。
小さいときからよくあることなので、しっかり理解してくれて本当に何度も助かっている。
気にすんな、と言いながら俺を軽々と持ち上げる颯天。こう簡単に持ち上げられると複雑な気分だ。
「よし、ちょっくら走るぞ、大丈夫か?」
「ん、わかった」
グッと気合いを入れて、学校への道のりを走り出す颯天。
ほんと、こいつは真面目なのか不真面目なのかわからないな。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
颯天におぶってもらったまま着いたなんの変哲もない普通の教室。その一番端の席が俺の席だ。
その俺の隣の席で一人座って本を読んでいる、見慣れた黒髪サイドテールの後ろ姿に声をかける。
「おはよ、来音」
無表情で顔を上げる影宮来音。俺と颯天の中学時代からの友達で、かなり人見知りで口数も表情の変化も少ないが、顔立ちはすごく整っている、いわゆる美少女だ。ちなみに身長は俺と大体同じ150cmに少し届かないくらい。
「おはよう、なにしてるの……?」
「いつも通り、無茶して体調不良だ」
相変わらずの静かな挨拶に、呆れたように返す颯天の頭に上から人目につく前に早く下ろせ、と軽く拳骨をしておく。
「はいはい、わかったよお嬢様」
お前まで言うか、ということでもう一回拳骨しておく。
颯天は基本、俺のことを女扱いはしないが、こういう時だけノリノリで女扱いしてくるから困る。
何故声を出さないのかというと、眠いのだ、とても。
俺のこの体力が少ない体質のせいか、無理をして体調を崩すと、同時に眠気にまで襲われる。
ちなみに、教室に入る直前までほぼ寝ていた。
「やべっ、璃空しっかり掴まってろ──っと!」
俺をおぶったまま机に飛び乗る颯天。
いきなりのことで若干混乱すると同時に少しだけ眠気が覚めた。
それより、いくら颯天と俺の身長差が20cm以上あるからって、人をおぶったままこの動きおかしいと思う。
今、颯天がなにをしているのかというと──
「颯天ぇぇぇぇ逃げんなぁ!」
「無茶言うな!流石に避けられるものに当たるようなマゾじゃねえ!」
教室内を飛び交う消しゴムやチョーク、に(たぶん)空のメガネケース等々。
机と机を飛び移りながらそれを避けていく颯天。
そしてこっそり颯天の乗った机を拭いていく来音。
「ちょっ、危ないから、璃空に当たったらどうすんだよ!」
「その罪はしっかり守らなかった颯天、お前に行くんだよ!」
「理不尽だぁぁぁぁぁぁ!!!」
叫びながらも、危なげ無く机を飛び移りながらなんだなんだで楽しそうな颯天。
物を投げてる奴等も、当たったときに危ないシャーペンやハサミとかを投げてない辺り、しっかり遊びの範囲で抑えていることはわかる。
「璃空、着いたぞ、降りとけ」
いつの間にか俺の席のすぐ近くで止まっていた颯天。
ストンと降り、席に座り、机に突っ伏す。
朝からてんやわんやで物凄く疲れたが、一言だけ言いたい。
俺は、男だ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
朝から颯天が追われる騒動から少し経ち、クラスの人数が揃った頃、俺は特になにもせずボーッとし、颯天は周りのやつとなにやらBSOについて話していた。
やっぱり話題のゲームだけあって、人口は多いみたいだ。
「んじゃ……そろそろ始めますか」
「?」
朝のホームルームまでの時間が丁度10分を切った時、颯天がいきなり立ち上がり、何故か教卓に向かって歩いていった。
頼むからまた変な騒ぎだけは勘弁してくれ、なんて思いながら適当に窓の外を眺め、落ち着いてきた──
と思った途端
「全員、着席!」
教卓に立った颯天がクラス全体に響くように声を上げる。
何事かと思って颯天を見ると、何故か全員、しっかりと着席しているクラスの生徒。
よし、と満足げにクラスを見渡す颯天、そして
「お前ら、今日がなんの日かは全員わかってるな!」
「「「おう!」」」
何故かシンクロするみんなの返事。
ほんと、一体何事なんだ……。
「よし、それじゃあ──」
静まり返るクラス、息を大きく吸い込む颯天
「精霊族騎士団、団長ハヤテ直属特別部隊、『天ノ川』計40人、今日から活動開始だ!」
「「「「おぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」」
颯天の宣言に、俺と来音を除いたクラスの38人全員が一斉に掛け声を上げる。
「あれ、40人ってことは俺と来音も含まれてる?」
「……たぶん」
颯天、せめて俺にも事情を説明してからそういう事はしてくれ……。
その颯天は教卓で熱弁してるし、男女問わずクラスの奴らはフレンド登録の為にコード教えてるしで、めちゃくちゃ賑やかだ。
「璃空ちゃん!」
「来音ちゃん!」
「ちゃん言うな、俺は男……って、えぇ!?」
「…………???」
名前を呼ばれて顔を上げると、一瞬目眩がするほど異様な光景が広がっていた。
正直、賑やかなんて他人事みたいに言ってる場合じゃなかった。
いつも冷静な来音でさえ、呆然として固まってる。
ドーナツ状に並ぶクラスの男子達、その全員の手には2つの封筒が握られている。
そして、その集団に包囲される俺と来音。
「「…………」」
「これ、オレのコードだ、送ってくれ!」
「呼んでくれれば二人の為にいつでもどこでも駆けつけるからな!」
「生産職が必要だったら僕を呼んで!」
放心状態の俺たちの机に積み重なっていく封筒の数々。
その一つ一つに実名とキャラネーム、そしてそれぞれのキャラの特徴などまで書いてある。
「流石、我がクラスを代表する美少女ペアだな」
「……颯天、正直、なにがなんだか全くわからないんだが」
戻っていく男子達と入れ替わるように来た颯天。
もう、美少女というところに反抗する気力もない、だが
「女子たちは俺が美少女とか言われてることに関して何も思わないのかな……?」
「思わないだろうな、女子の間でもお前の扱いは美少女だから」
全く嬉しくない扱いだ、半ば諦めてるとはいえ、改めて考えると悲しい。
「そういえば今更だが、来音もBSOやってたんだな」
「うん、ゲームは好き」
いつの間にかいつも通りに戻って、しっかり封筒も鞄にしまった来音。
今までゲームしているところなんて見たことなかったが、それよりも気になったことがある。
「この『天ノ川』って何をするグループなんだ……?」
ハヤテ直属、とか言ってたが、実際なにをするグループなのか全くわからない。
BSOに関することなのは確定だろうが。
「そんな細かいルールとかがあるわけじゃない、BSOに関する情報交換とか適当に一緒にレベ上げするだけでもいいんだ、全員俺が誘ったから精霊族だしな」
全く、なんでそんな所に努力してるんだか、ということは置いといて、一応参加してデメリットは無さそうだ、どうせ強制参加なんだろうけど。
そしてもうひとつ気になること。
「なぁ、なんで『天ノ川』なんだ?」
「あぁ、あの名前か」
『天ノ川』という名前、このクラスに天の川も、それ以前に星の要素すらないと思うんだが。
「正直、かなり適当に決めた名前なんだがな、俺の長谷川颯天から川と天を取って天ノ川、別に名前に関しては大した拘りがあるわけでもないからな」
若干恥ずかしそうに頭をかきながら答える颯天。
グループの名前にまで使われるって、お前は一体何をしたんだ。
そんなことを話しているといつものチャイムが鳴り、ほぼ同時に教室の扉が勢いよく開く。
「うっす、おはよう!お前ら元気か?」
入ってきたのは筋骨隆々、とまではいかないが、かなりガッチリとした体型でオールバックの先生。
俺たち1年4組の担任であり、熱血の体育教師、永巻先生だ。
先生はいつも通りに朝のホームルームを進めていき、クラスの奴らも普通に聞いている。
こういうところはしっかりしたクラスだと思う。
「今日は特に知らせることは無い、だが一つ!」
ホームルームの最後、何故かいきなり黒板に手早く数字を書いていく先生。
そして7桁の数字を書き終えると、黒板を叩き俺たちに向き直る。
どこかで見たような数字だ、これは──
「これが俺のコードだ!しっかりと帰ったら送るように!」
やっぱりか、と思わず頭を抱えてしまう。
先生もBSOをやっていて、しかもしっかり『天ノ川』所属のようだ。
全く、このクラスは本当に変わり者ばっかりだ、先生も含めて。
でも、そんなこんなで、俺たち1年4組、『天ノ川』は動き出した。
身長に関してはこだわっています、はい。
さて、今回更新が非常に遅れてしまったのは、いろいろ不運が重なってしまったためです
具体的には、自分でも驚くほどのスランプに携帯が壊れて執筆がままならないという事態が重なってしまい、こんな結果になりました。
今度こそは更新速度を上げれるよう努力します。
実は最近、新作を考えています
もしかしたら投稿するかもしれませんが、この小説の更新を止める予定は全くありません
長くなってしまいましたが、最後に
誤字脱字やアドバイス、感想等お待ちしています
※12/25追記 活動報告なんてものを書いてみました。ほぼ雑談ですがお暇な時にでも見ていただければ嬉しいです。