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プロローグ
―その日の夜、流れ星が降っていた。
星へ降り注ぐ流れ星は、地表へ辿り着く前に藻屑となって消えてゆく。
流星群と呼ばれるこの空の事象は、宇宙を詳しく知らぬこの星の人々の注目を集め、後世にこの時の事を書き記される事になる。
恐らく、人々も見たであろうあの流れ星を。
高い空の中で盛大に弾けて飛んでいった、七色の流れ星を。
それぞれ別の色がついた星は、意思を持っているかのように曲がりくねって土地に落ちる。
そしてその内の一つ…
碧の色に輝いたその流れ星は、とある青年の住む村へと真っ直ぐに落ちて行った。