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からっぽのせい

作者: つちのこ

から元気の中身はからっぽです。


なにもかもあきらめて眠りにつこうと布団に入ってみたけれど、自分の咳がうるさくて寝れないじゃないか。

こうなったら、心底あきらめて、レジュメの続きを書こうかと思ったけど、 寝るために飲んだ安物ワインのせいか、それとも本当に風邪でしんどいからなのか、 ぐるぐる意味のない思考ばかりで、気づいたらもう2時間も経ってるじゃないか。


こんな時は、しばしば虫のことを考える。

「一年も生きれない虫の時間で2時間を無駄にする。」

そうするとなんだか気持ちだけ焦ってくる。

そういえば高校生の時ぐらいに、「ネズミの時間、ゾウの時間」という本を読んだ

気がする。

(ベストセラーになっていたので、もしかしたら読んだ人の話を聞いて、読んだ気になっているのかもしれないんだけど。)

哺乳類たちが一生かけて打ち鳴らす心拍数は、だいたい一緒ぐらいなんだと。

だから、一分間にたくさん心臓を動かしているネズミは早くに死んじゃって、 生きているのか生きていないのかもわからないほど、ぼんやりと鳴っている心臓をもつゾウガメは、それだけ長く生きるんだ。

(あれゾウはどこにいったんだ?)

しかし、虫には心臓なんてないんだから、虫の一生の時間は誰が決めているんだろう?

そんなことを考えているうちにも、あたしのからっぽのなかで、ネズミたちは死んでいくし、心臓もない虫は誰が決めたのかわからない時間を飛び回っている。

ぶうんぶうんと。


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