フリード家半壊 真打ち登場
週末に書けて、投稿はやなりました。
フリード領…奥地の森…
一人の男が生首になっていた。
その男の名前は…ジーク・フリード。
今代の領主である…
そして、周りには大量の死体…死んでしまった騎士達は体の向きや形は辛うじて人と視認できる程、凄惨であった。
「終わった…仕事を完了した。」
ベリーショットヘアの美女はその生首を掴んでいる。
「お疲れ様でした。コウ様。」
「あぁ。やはり人間は脆いものなのだな。そこそこ強いと思っていたが、過去の記憶が客観的な思考を奪っている。」
ベリーショットヘアの美女…コウは生首を地面に投げ捨てる。
「帰ろう、ゼクス。私はレイドの顔が見たい。」
サイドスリットスカートのようにスカートを強引に破ったメイド服を着てる眼帯をつけた黒と白のツートンショートヘアの美女…ゼクス…見える右肩からはⅥの数字が刻まれている。
彼女は笑みを零しながら、了承した。
「了解しました。我もお父様に会いたいですからね!」
ゼクスは足速にコウの後を追った。
…
「よし、終わりだ。」
この日、僕はゴーレムの調整作業に入っていた。
ゴーレムは核は壊れなければ動き続けることはできるが、たまに調整しないと回路を傷つけかねない。
「ふふふ、こらっ…くすぐったいって…」
ゴーレムが音を立てながら、僕の頬をつつく…戯れてるんだろう…僕は笑みを零しながら、対応する。
「お父様、我も調整してください。」
「あっ、ゼクス、コウ…おかえり。」
僕は2人に手を振る…すると、彼女等も振り返してくれた。
「今はゴーレムの微調整中か?」
コウはゴーレムの体を触りながら、言う。
「うん、ゴーレムのメンテナンスは早めにしないと…死んだら嫌だからね。」
…死んだら、もう会えないから。
「ならば!我のも!お願いします!お父様!」
ゼクスがメイド服を脱ぎながら近付く…
「ちょっと待って!ゼクス!身体が見えるよ!」
僕は必死に目を逸らした。
「お父様!このゼクス!この鍛え抜かれた体をーーー」
ゼクスが近付こうとした…その時…
「ゼクス、辞めろ。レイドが嫌がっている。」
コウがゼクスの手を握り、捻る。
「痛ッ!?辞めてください!コウ様!」
ゼクスが泣きながら、痛がる素振りを見せる。
「…やはり凄いな…『痛み』まで再現するとは…」
「アハハハ…」
コウは感心し、レイドは苦笑いをあげる。
…
その頃、フリード領…領主邸…
2人の男が集まっていた。
「親父が亡くなった…本当か?」
女中に質問を投げ掛けながら、尻を揉んでいたのは…ジークの息子…ゴードンであった。
「ジークよ。愚かである。まさか、死ぬとはな。」
剣を磨いていたのは…ジークの弟…ヨーグであった。
…そして、そこで扉が開かれる。
「…遅い、何をしていた?実の父が死んだ時に!」
ヨーグが剣を入ってきた男に向ける。
「…ごめんやん。俺にもやることがあったんやわ。」
入ってきた男…ジークの息子…フウゼは両手をあげながら、笑みを零す。
「やる事?なんだ?」
ヨーグが剣を下ろしながら聞く…
「そんなん、無論、報復やろ。フリード家が舐められたらあかんねん。やるしかないやろ。」
フウゼは糸目な目を少し開き、2人を見る。
「当主じゃないお前が決めるな。次期当主の俺が決める。」
ゴードンがフウゼを睨む…
「待て、叔父である俺が当主だろう。若いのにフリード家は任せられん。」
ヨーグはまた剣を磨き始めながら言った。
「いや、アンタらは当主にはなれへんで。」
フウゼはやれやれと言った感じで視線を落とす。
「他の奴等は力不足やし、叔父のアンタは金に弱くて領主に向いてない。ゴードンの兄さんは女好きで悪い噂ばっかりやし…消去法的に俺しかおらんやろ。」
その言葉を聞いた2人は勢いよくフウゼの首に拳と刃を突き立てる。
「ちょい待って、家族内で殺し合いは馬鹿らしいわ。」
フウゼはギリギリで2人の拳と剣を抑え込む。剣を止めた手からは血が滴り落ちていた。
「ジーク様の遺言書があります。」
その時、扉を開け、部屋に入ってきた女中の一人が紙の束を広げる。
「遺言書だぁ?まぁ、いい…聞こうじゃねぇか。」
ゴードンは拳を収める。恐らく自分が次期当主だと思っているのだろう。
「遺言書の内容を要約すると…次期当主は…フウゼ様です。簡潔に書かれております。」
女中がそう言った…その刹那…
「ちょい待ち、あかんで。非戦闘員を殺そうとするのは…」
フウゼが女中の前に立つ…彼は拳を受け止めていた。
「認められん、偽物に決まっている…」
ゴードンの拳は女中の目の前で止まっていた。
「俺も認められん…遺言書などまやかしだ。」
ヨーグは女中の手から遺言書のみを斬り刻んだ。2人は自身が当主であると思っていた…故に怒りは大きい。
「…叔父さん、ゴードン兄さん…勝負せーへん?」
「勝負だぁ?」
フウゼはゴードンの拳を払いのける。
「次期当主を賭けて、親父殺した犯人を殺そうや。先に殺した方が次期当主。どや?悪くないやろ?」
フウゼは小さく目を開眼しながら告げる。
その提案にゴードンとヨーグは笑みを零す。
「いいぞ。約束したからな。」
ゴードンは大きな足音を立てて、部屋から出ていった。
「フウゼ、愚かな…次期当主であったものの手放すなど…な…」
ヨーグも剣を鞘に収めながら、部屋を出た。
「フウゼ様、ありがとうございました。」
殴られそうだった女中は頭を下げる。
「別に気にせんでええで。俺がやりたいようにやっただけや。」
フウゼは窓を開け、風を浴びる…
「ホンマ、叔父さんも兄さんもアホやろ。親父と騎士達を皆殺しした化け物相手に余裕で勝つつもりでいる。」
その時、フウゼは拳を握りしめる。
「せやけど、親父殺した罪は償ってもらうで…。」
彼の掌からは血が滴り落ちていた。
…
その日、ゼクスは森を歩いていた。
メイド達に課せられる仕事…見回りの仕事である。
「はぁー、我もお父様の手作りスイーツ食べたかったのに…まぁ、残してくれるって言ってくれたっけ?」
ゼクスは軽い足取りで木の根を飛び越える。
「…気配が消せてない。…かなり大人数だな。報復ってところか?」
ゼクスが武器を取り出す。
取り出しのは二丁拳銃…魔力を媒介にして銃弾を発射する武器だ…レイド…僕が作った。
【ゼクス視点】
「ガハハハ、いい女だ。俺の嫁にしたい。」
我より更に大きい男…ゴードンが木陰から出てくる。
周りは…冒険者ってところか…
強そうな奴はいない…烏合の衆ってところだろう。
「どうだ?俺の女にならないか?不自由ない生活を保障する。」
ゴードンが手を伸ばしてきた…我を舐めてるってことで良いよな?
ならば、強さを見せるまで…
「断る。」
刹那、我は弾丸を撃ち込む…ゴードンの背後にいた冒険者の2人の脳天に穴ができ、倒れた。
「殺れ。」
ゴードンは真顔になり、指示を出した。
(この女…ただの雑魚ではない。こいつが親父を?)
ゴードンは思考を加速させる…しかし、思考の中で邪な気持ちは消えない。
(強い女…駒にでき、俺の女にできる。一石二鳥だ。)
しかし、ゴードンの邪な気持ちも止まることになる。
「…なっ!?」
我が冒険者を圧倒していたからだ。
「くそっ、また一人やられた。」
「こっちもだ。この女…魔法が発動できないように至近距離を維持してる。しかも魔法使いから優先的に殺してる!」
冒険者が一人…また一人と倒れてゆく…
「貴様ら…動きが単調すぎる…勝つ気があるのか!」
ゴードンが怒りながら叫ぶ。
しかし、その怒声も緊迫した今の状況の冒険者達には届かない。
「くそっ!死ね!死ね!死ね!」
「化け物め!」
…そして、冒険者達は…
「ガハッ!?」
全員倒れた…死んだ…殺した…
感触がない…雑魚過ぎて倒した実感が沸かない。
「で?後は貴様達だけ?」
我は残った2人に視線を向ける。
1人は先程我を口説いたゴードン…もう1人は後ろ髪をくくった青年…十五歳前後か…
「行くぞ、ヒオル。」
「はい、ゴードンさん!」
ヒオルが手を合わせる…すると、魔法陣が我の足元に展開された。
「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
鎖が体を縛るように包んでゆく…
「呪縛しました!ゴードンさん!やってください!」
体を動かそうとするが、動かない。
魔法で拘束しているのか…ならば、幾らか力を解放するまで…
我はある程度の力を込め、動こうとする。
「ぐぅ…なんて力だ…ゴードンさん!早く殺ってください!」
すると、ヒオルの目は失血し、口から吐血を始める。
止めきれない分は自身に負担が来る魔法か…
「止めてろ!本気で叩き込む。」
ゴードンは拳を振り被る。
「生きてたら俺の女になれよ!」
拳は我の体を捉える…何度も何度も連続で…
痛いな…だが、死ぬ程ではない。
その時、ヒオルが倒れる…
「やりましたね。ゴードンさん。」
ヒオルは吐血しながら、笑みを浮かべる…
しかし、既にゴードンは…
「…次。」
生首になっていた…
我はゴードンの生首をヒオルの横へ投げ捨てる。
「結局はこの程度…我の相手にならないな…」
我が欠伸した…その時…
「油断するとは…若いの…」
ヨーグが背後を取っていた…
…まぁ、気配で察してるから死ぬことはないんだけどな…
我は体を捻り、一閃を避ける。
「相当な体術だ…どこで習った?」
ヨーグは剣を走らせながら、質問を投げ掛ける。
「我のお父様の仲間からです。それ以上の答えはない。」
我は剣を折りながら、質問に答えた。
「なるほどな…貴様もあの鬼人や龍人のお友達という訳か…」
その時、折れた剣が光る…なるほど、魔力を固めて、刃の形にしたのか…
「…ならば、危険であろう。一撃で仕留める。」
その時、ヨーグは居合切りの構えに入った。
全神経を半径2mに集約させている。
なるほど、これが居合切りか…受けてみようか。
我はあえて間合いへ入る。
「もらったぁぁぁぁぁぁ!!!」
ヨーグが剣を走らせる。
「なるほど、先程よりも数段速い…だが、我には届かない。」
我は数ミリで避け、そのまま首を切断する。
(な、何が起こった…確かに斬ったはず…なのに、避けられた…)
(ば、化け物め…)
ヨーグは生首のまま、驚き…息絶えた。
「…さて、後、2人。」
我は気配のする方を向く…
すると、そこにいたのは…糸目の男とバンダナを巻いた男…
「すまんねぇ…ゴミ掃除してもろて…助かったわ。」
拍手するのは糸目の男…フリード家最後の当主候補…いや、現当主フウゼ…首からぶら下げているのは…アーティファクトか?
バンダナの男…アイツはSランク冒険者…『迅雷のライブ』…トップランカーの冒険者だ。
「それで、君が親父殺したん?」
フウゼは真っ直ぐ我を見つめる。
「…親父?誰かは知らんが、答えられない。」
我は答えを返すことはなかった…しかし…
「その顔は何か心当たりがあるなぁ。教えてぇな。」
フウゼは我の何かを察した…この男…勘が鋭い…
だが、相手は人間…負ける理由はない。
「お喋りは辞めようか。」
我は直ぐ様、奴の口を永久に閉じさせようと…距離を潰す…
しかし、奴等の反応は速かった。
「怖いなぁ。ホンマ辞めてほしいわ。」
フウゼとライブは直ぐ様バックステップ…距離を取った。
「逃がさん。」
我は発砲する…狙いは脳天と心臓…この男はすぐ殺した方がいい…そう魂が判断した。
「危ないなぁ…死ぬから辞めてほしいんやけど…」
「ブースト!」
フウゼは魔法を使い、回避する…
対するライブは…
「がぁ!」
ナイフで弾丸を弾く…だが、体勢を崩した。
殺すなら…今だ。
我は全速力でライブに突っ込む。
「そう来ると思ったぜ。美人の姉ちゃん!」
すると、目の前に転がるは魔道具…
この紋様…爆発系か!
「くっ…」
ドカァァァァン
大爆発が起こる…幸い我にダメージはない。
直ぐ様回避を優先させたからな。
「なんや?こんなもんかい?」
我の横腹に衝撃が走る…凄まじい蹴りが飛んできたのだ。
「…ゴフッ。」
我は吹き飛び、地面を転がる…
立ち上がり、鼻血を拭くと…目の前には大量の小型ナイフ…
何か塗ってある…毒か…
基本的には大丈夫だが、食らわないに越したことはない…
「はぁぁぁぁ!!!」
我は二丁拳銃と蹴りで全て弾く…
数個は弾いて…フウゼに飛ばす…
「ライブ…こっちに飛んできたで…」
フウゼは余裕そうに躱す…その隙間…魔法使用後の0.1秒にも満たない隙間…これを狙っていた。
「貰った!」
我は弾丸を飛ばす…
それは正確に奴の脇腹を掠める…避けられたか…
「ホンマに危ないなぁ…避けれて良かったわ。」
嘘だ…ギリギリでブーストを発動した…アーティファクトの効果は…『魔法を発動する時間の短縮』…
種が分かれば…怖くない!
「どうした?ゼクス?手こずっているのか?」
その時、背後から現れたのは…一人の女…いや、コウ様…
「ん?そこにいるのは…次期当主のフウゼにSランク冒険者のライブか。」
コウ様は2人に話しかける…
(この女…先程の女よりも数段強い…間違いない…親父が負けたんは…コイツや。)
フウゼは警戒を高め…
「面白そうな奴が増えたな…1対1と行こうぜ。」
ライブは笑みを見せる…
「良いだろう。ゼクスはライブを殺れ、私は危険な方を受け待つ。」
コウ様が拳を握りしめる…そして、構えた。
「さぁ、殺し合いだ。」
途轍もない殺気を流す…敵2人は冷や汗を流しながら、口角を上げる。
ここからが本番だ。
次回は月〜水曜日 未定
楽しく書いて、投稿しますよ。




