第4話 国内聖女総選挙
で、ちょうど今から一週間後に、国内聖女総選挙があるんだよね。
国一番の聖女を決めようっていう催しが。
神聖でご立派なイメージのある聖女だけど、だからこそ近づき難いって思う人もいる。
そのため、人々と聖女が親しむための催しとして毎年開催されるのだ。
いつも上位になる面子は大抵決まっていて、サディナさんは最下位あたりをうろうろしている。
俺と出会った頃は0票だったな。
でも、今は俺が推しているから、0票には絶対にならないはずだ。
これから地道に頑張って布教活動もこなして、票数を上げ、サディナさんを応援してやらないといけない。
サディナさんの凄さや魅力を皆にしってもらいたい!
そういうわけで、俺は宣伝活動を開始。
サディナさんの頑張りを伝えるために、同僚や他の聖女にお話しする事にした。
ライバルはライバルで自分達に投票するのが普通なんだが、こういうのはまず根本からが基本。
身の回りの連中の反応を知る事で、サディナさんをよく知っている人たちから、どうして推されないのか判明する事もある。
でも、宣伝決同の結果耳にした評判はあんまりだったな。
「お前の護衛対象? ああ、あのやらかし聖女か。あんなの推すなんで時間の無駄無駄。そんな事するくらいなら、護衛対象変えてもらえるよう、上にかけあった方がいいって」
「サディナ? 最近はがんばってるって? 私達がいる聖女の世界は結果が全てなのよ? がんばったけどできませんでした、なんて通用しないんだから」
なんて散々な評価なんだ!
思ってみれば、そりゃそうだよな。
一朝一夕じゃ変わんないもんだ。
それに、結果が大事ってのもわかる。
村の人たちを救ったっていっても、世界とか国規模でみたら些細な事。
人の命は大変だけど、もっと広い視野から考えると、貢献度は低いだろう。
でも、俺はあきらめないぞ。
 




