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ポンコツ聖女サディナさん  作者: 仲仁へび
3/6

第3話 推しを推すきっかけ



 俺の意識が変わったのは、あの時の出来事が原因だな。


 それは、小さな村で病気が蔓延して、村人たちが全滅しそうになった時の事だ。


 国内では、他に大変な事が起こってたんで、力のある聖女さんたちはそっちにかかりっきり。


 戦力にならなかったポンコツサディナさんが、この件にあたることになった。


 でも、ほら。


 例によってアレ(ポンコツ)だから、なかなか治癒はすすまない。


 詠唱は当然かみかみだし、手当ての道具はひっくり返すしで、散々だった。


 でも、サディナさんは夜の眠る事なく、村人の治療を行っていたんだ。


 自分だって病気にかかってしまったのに、その治療を後回しにして。


 高熱で顔を真っ赤にして、震えが止まらない体なのに、一日も休みもせず、村人の治療を行っていった。


「あんたが倒れたらだれが村人を治すんだよ」って言って、俺は止めたんだけどな。


「自分の限界はよく分かってますから、やらせてください」だってさ。


 ポンコツなのに?


 本当かよって思ってたし、いざとなったら気絶させてでも治療を中断させようと思ってた。


 けど、サディナさんは本当にやり遂げた。


 自分の命も守ったし、村人の命も救ったのだ。


 なんだ、やればできるじゃないかって思ったね。


 でも、そこまで無理をしなくてもいいだろ、とも思ったさ。


 素直にそう言ったら、サディナさんは苦笑しながら俺にこう告げた。


「人の命は一つしかないじゃないですか。無茶をするなら、ここ以外何処にあるっていうんですか」


 その時俺は、ポンコツ聖女さんを推していこうと思ったんだ。



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