第1話 聖騎士エレフ
俺の名前はエレフ。
聖騎士っていう職業についている。
聖騎士になったのは数年前だ。
一応才能というものを持っているんだろう。
実力は簡単に上がったし、階級も順調に上がっている。
そんな俺エレフは、聖女の護衛をやっている。
聖女っているのは、人の精神的支柱におわす、素晴らしいお方だ。
民の心によりそい、神秘的な力で怪我を癒す存在。
俺達が住んでいる世界リンドは、度々瘴気が湧いて、危険な魔物が悪さをするから、聖女の存在はありがたいものなんだ。
一般的には、皆の憧れ、ザ尊敬されるお方っていう認識だな。
だけど、俺が守っている聖女さんは。
ぽんこつだった。
「きゃあああああ!」
今、ちょうど目の前でその聖女さんが壺を割ったところだ。
異世界フレーズでいうーーピタゴラ〇イッチ的な感じでとんでいった壺の取っ手が、人に額にあたって、その人が気絶。
気絶して倒れた人が持っていたなんか高そうな宝物が床でパリンとさらに割れる。
割れた破片に呪いでもこめられていたのか、何かしらが発動。
その辺が瘴気にむしばまれはじめた。
たまにあるんだよな。
人の怨念とか邪念がこめられた呪いの品。
聖女にしかなんとかできないからって、押し付けられるんだ。
「すすす、すみませんすみません!」
聖女さんはあわてて、呪いをなんとかしようとしたけど、詠唱に失敗。
舌をかんでサディナさんが悶絶していた。
通りがかった他の聖女さんが何とかしてくれたから、良かったけど。
びっくりするくらい散々な有様である。
だけど俺は、このポンコツ聖女さんを推したい。
応援したい。
「ご、ごめんなさーい!」
だって、頑張ってるから。




