蝉時雨を背中に受けて
今年はセミの鳴き声がしないね
君が言う
そう言えば
今年はまだ
セミの声を聞かない
うだるような暑さに
お互いグッタリしながらも
また朝が来て
一日が始まる
冬の間は
あんなに
待ち遠しかった春が
一気に過ぎ去り
セミの鳴かない夏へ
何処に行ったの?
出てこれないの?
いなくなったの?
君のいた夏が恋しくて
懐かしい声に
耳が走馬灯のように
思い出をかき集める
君の声を聞いたら
乗り越えられる気がするよ
だから
その声で
僕の背中を
押してくれないか?