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「で、魔王の何がわかったんだ?」

「・・・もうちょっと反応あってもよくない?結構頑張ったんだよ?」

「すごいすごい。で、何がわかったんだ?」

「はあ。大まかな場所と大まかな能力だね」


大まかが大いな。まあ、実際に苦労したということだろう。

ルークが笑う蛇として有名になったのは、詳細な情報を売り続けたからだ。

そんなルークが大まかな情報しかわからなかったのは、本当に難しかったのだろう。


「それで問題ない。ていうか、能力までわかったのか?」

「うん。どこぞの森で暴れたらしくて、その目撃者がいたんだ」

「魔物でもいたのか?まあいい。細かいところを頼む」


ルークからの情報は大体こんな感じだ。

・魔王はらしい

・ゴツイ(らしい)

・主に使うのは魔法。恐らく氷。

・場所はモルテリア共和国のどこか。


上2つは確証はない。というかぶっちゃけどうでもいい。

使うのが魔法だというのは、魔王が暴れたという森が氷漬けだったからだ。

戦闘力は魔法か接近戦に傾く、らしい。


「本当か?それ」

「え、違うの?」


転移者ではないシーアとセラの方を見る。

うん、当たり前だったようだ。


「やっぱり何でもない」

「?わかった」


場所はモルテリア共和国のどこか。ルーナ王国だったら少し困るが、モルテリアなら問題ないだろう。

一度行ってるし。


「一国に絞られてるなら問題ないな」

「え?」

「どうした?」

「いや・・・いや、やっぱり何でもない」

「?そうか」


よくわからんが、ある程度の情報は出揃った。

すぐにモルテリアに行ったほうがいいだろう。移動されると面倒だ。

シーアたちはここで聞いてるからいい。シュルトもここにいる。

後は・・・


「お前はどうするんだ?ルーク」

「僕は情報収集に戻るよ。戦闘は専門外だからね」

「わかった」

「クロトたちはこれから色々あるんだろうけど、僕はもう行くよ」

「ああ、また魔王関係があったら来てくれ」

「了解」


そう言うとルークは出て行った。

さて、後はシュルトと少し話すだけだな。


「聞いてただろうが、これからモルテリア共和国に行ってくる」

「・・・色々と言いたいことがある。もう遠慮はせん」


おお、今までは何かあっても何も聞かなかった。

シュルトも成長したようだ。


「今とんでもなく下らないことを考えている気がするが、まあいい。まず、さっきのルークだったか?あいつが笑う蛇なんだろ?雇ったのか?」

「ああ、雇った。早速いい情報を持ってきてくるたから、雇って良かった」

「金貨300枚だったと記憶してるんだが、30枚かなんかだったのか?」

「いや、300枚だったぞ」


あの時、約三千万だと知っていたらためらっていた気がする。知らなくてよかった。


「払ったのか・・・。次、魔王を探してどうするつもりだ?」

「殺すだけだ」

「理由は?」

「特にない」


当然嘘だ。

特に何もしないなら放置なのだが、アースフェルのところに来たという奴は計画がある的なことを言っていたらしい。

魔人族のテロみたいな規模ならいいが、魔王の内1人がソルガール王国の学園で生け贄を使った巨人を使っている。今後、そういうのが出てきた場合に俺のところに救援要請が来るかもしれないのだ。

そういう面では学園長やギルドマスターと繋がりを持ったとは失敗だったかもしれない。

まあ、しょうがないだろう。


「・・・最後だ。聞くつもりは無かったんだが、何の王なんだ?弱点を晒すのが嫌なら答えないでいい」

「魔王と吸血鬼王と悪魔王だ。種族的な弱点があると思うか?」

「・・・ないな。あるとしたら単純な力押しくらいだな」

「そういうことだ。あ、これを渡しておく」


蝙蝠瓶を渡して、いつもの説明をしておく。

王関係のことを話していなかったので、今まで渡せなかったのだ。


「・・・つくづく規格外だな。確かにこれならルークとも連絡がとれるな。ていうか、この蝙蝠死なないのか?」

「分身体だから問題ないな」

「・・・そうか。何かあったら使わせてもらう」


さて、やることはこんなものだろう。

ドルドはしばらく出てこないと思う。


「ドルドには事情を話しておいてくれ。俺たちはもう出る」

「わかった。モルテリア共和国に伝手はあるのか?」

「ああ。向こうの冒険者ギルドマスターと面識がある」

「なら大丈夫だな。気をつけろよ。正直心配はできないというか、しようがないんだがな」

「へいへい」


シュルトとの挨拶を済ませて、外に出る。


「カイ君、《転移》は使わないの?」

「《転移》するときの魔力を感知されるのは面倒だから、空を飛んでいく」


前に気づいたのだが、《転移》で目的地に着いた瞬間に周りの弱い魔物が逃げていくのがわかった。

自分ではわからなかったのだが、オロチに聞くと魔力が大分漏れていたらしい。

それを感知して、警戒されるのは避けたいのだ。


「予定としては2日掛けていくつもりだ」

「わかった。というかその辺はクロトに任せる」


シーアの言葉にその他全員が頷く。

丸投げするなよ。

まあいい。さっさと行こう。


・・・


「自分で提案していて言うのもあれだが、《転移》の方が楽だったな」

「いや、これでも十分早いよ?クロト」


俺たちははモルテリア共和国に飛んで向かっていた。

俺は自分で飛んで、シーアたちは《解放》したオロチに乗っている。


「魔法があるんだから、もっと速い速度を出せるだろ?」

「限られた人だけ。人間以外はクロトみたいに翼を出せるのもいる。人間は大体無理。たまに風の精霊と契約を交わした人が飛べたりする。極一部だけど」

「まじか。そういや《転移》って伝説みたいなものだったな」


このことを考えると地球の車や電車、飛行機とかは大分ありがたいものだったんだと思う。

まあ、俺的には今のほうが便利だが。


「そうなると、限られた人以外は馬車なのか?」

「馬車は貴族とかだけ。平民は基本的に徒歩。冒険者はどうなの?シーア」

「私たちも最初のほうは徒歩だったよ。最後の方はAランクに近かったから馬車を依頼主が出してくれた」


そういえば馬車に乗ったのが最初にゲルドに会った時だけだ。

・・・あんまり覚えてないな。


「馬車の速度ってどんなものなんだ?」

「んー、オロチの十分の一くらいかな?」

「シーア、馬車はもっと遅い。大分上の方を飛んでるから、遅く感じるだけ」


確かに、景色があまり変わらないから速くは感じないな。

それにしても、馬車はもっと速いイメージがあった。


「馬は《身体強化》・・・普通に考えて使えないな」

「・・・魔道具使えばできるかも。その発想は無かった」

「誰かしら思いついてそうなことだけどな。あ、オロチって《身体強化》使えるか?」

『はい。使ってみますか?』

「ああ、頼む」

『わかりました。シーア殿等は掴まっていてください』


そう言うと、オロチは《身体強化》を使ったようでスピードが上がった。

大体2倍くらいの速度だ。


「今まで使ってなかったのか?」

『《身体強化》のことを失念していました。ほとんど主の懐にいて、動くことがなかったので特に不便さは感じていなかったので』

「それもそうか。ん?《武器化》の状態で《身体強化》をしたらどうなるんだ?」

『・・・わかりません。考えもしませんでした』


魔王の件が片付いたら、色々試してみよう。

というか、シーアたちが静かだな。

そう思ってシーアたちのほうを見ると、しがみつくので精一杯のようだ。


「少しスピード落とした方がよくないか?」

『その必要は無いかと』

「?」

『あれがモルテリア共和国では?実際に行ったことが無いのでわかりませんが』


前を見ると確かにモルテリア共和国が見えてきていた。必要無いって言った時に鬼か!と思ってしまった。

・・・ん?2日かけて着く予定だったんだが。


「大分早く着いたな」

『ですね』

「とりあえず、あの辺に降りてくれ」

『わかりました』


門から見えない所を指定して降りる。

シーアたちはオロチから降りたが、大分グッタリしていた。いや、麻紀と麻衣はそうでもなさそうだ。そういえば絶叫系好きだったな。


「予定より大分早く着いたから、少し休憩するぞ」

「うん。少し速度が変わるだけでこんなに疲弊するとは思わなかった」

「セラは大丈夫そうなイメージがあったんだけどな」


南はそもそも苦手だったし、シーアはイメージ的にそんな感じだったので特に以外ではなかった。


「自分でもそう思ってた。馬車のスピードが限度だったみたい」

「慣れとけよ。今後も乗ることがあるだろうからな」

「・・・うん」

「「「「・・・」」」」


なんか変なこと言ったか?俺。


「どうした?」

「何でもない。休憩はもういいから行くよ、カイ君」

「?わかった」


まあ、気にしなくていいか。


門番とのやりとりはいつもどおりシーアに任せてギルドに向かう。


「キール様いるかな?」

「様?・・・あ、そういえばハイエルフが。あいつ」

「なんで忘れてんのよ」

「キールって誰?カイ君」

「ここの冒険者ギルドマスターだ。前に来たことがあったんだが、それで知り合った。その時のことはシーアかキールに聞いてくれ」


そういえば、神獣のアースフェルがいた場所はどうなっているんだろうか。

後で見に行ってみよう。


「じゃあシーア、キールの呼び出し頼んだ」

「はあ。呼び出しじゃなくて会談希望。クロトの名前出せば応じてくれるよね」

「多分な。お、あそこの受付嬢が前回いたはずだから、すぐ通してくれるだろ」

「本当だ。じゃあ、あの人のところに行くよ」

「ああ、俺は少し出るからキールと話しててくれ。すぐ戻る」

「?わかった」


さて、アースフェルの元住処に行くか。

タイトルが無い回についてなんですが、何か考えてくれるとありがたいです。

発想力が無くてすいません。


次の回でちゃんと進めます。(多分)

グダってすみません。

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