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44.影

昨日は少し悩み過ぎてしまった。まさか南達に気を使われるとは思わなかった。

・・・それにしても話が終わった後の南達はどうしたのだろうか。オロチからの話も、重要なことかと思ったら今後どうするかの確認だった。行き先は話し合って決めると答えておいたが、あの場でよかったのではないだろうか。

まあ、過ぎたことを気にしても仕方がない。

というわけで・・・


「オロチ、暇だ」

『次に行く場所を決めたらいかがですか?』

「俺はどこでもいいからシーア達に決めてもらうしかないんだよな。そのシーアたちは買い物行ってるし。オロチは行きたいところとかないのか?」

『ないですね。ずっと籠もっていたので、この世界に詳しいわけではないんです』


そうか。オロチはずっと洞窟にいたから知らないようだ。

ただ、そうなるとなにをしようか。

その時、近くの路地裏に覚えのある魔力反応が出た。


「ちょうどいい。行くぞオロチ」

『はい』


魔力反応のあった路地裏に向かう。

それにしても、前に会ってから結構早かったな。もう少し時間がかかると思っていた。


「よ、思ったより早かったな」

「どうも。いただいた力が思ったより大きかったようで、簡単に目的を達成できました」


少し前に俺が魔力を渡した(シャドウ)だ。

ん?


「目的?」

「はい。私はハグレなのですが、元々いた群れの影を全て配下にしてきました」

「全て?それってどのくらいの数なんだ」

「およそ100体というところですね」


やはりハグレだったようだ。

というか100?相当な数だ。面倒くさくなかったのだろうか。

一気にできるのならいいが、一体一体やるのは無理だ。やりたくない。


「そんな数どこで使うんだ?」

「そのことなのですが、私を眷属にしていただけないでしょうか?」

「・・・俺はいいんだが、お前の配下とかはなにも思わないのか?」

「問題ありません。上位個体以外の影には小さい意志しかありません。そのため私のような上位個体に従うようになります」

「そうなのか・・・」


俺が魔力を渡した影は《聖なる影》というらしいが、それ以上の個体はあるのだろうか。

ともかく、断る理由はないだろう。

悪魔王の権能も今まで使えなかったのだ。俺としてはちょうどいい。


「わかった。眷属にしよう」

「ありがとうございます」


悪魔王の眷属のつくりかたはアースフェルから聞いている。

魔力を対象に流した状態で、名前をつける。これだけだ。


「・・・クロウ」

「ありがたく拝命いたします」


よし、できた。

できたのはいいんだが、畏まりすぎではないだろうか。オロチもこんなに堅くない。

まあ、どういう態度をとるかは本人の自由だしいいか。


「とりあえずやることはないから、俺の影に入っててくれ。お前の配下も影に入れるか?」

「はい。問題ありません」


そういうとクロウは俺の影に入った。

《空間魔法》の《収納》がなかったら、クロウに物を持たせたりしていたかもしれない。

今後は蝙蝠が索敵、クロウたちが他人の影に潜って尾行というようなことをしてもらうことになるだろう。

後蝙蝠は今みたいに手紙を持ってくること。

今?誰だろうか。・・・あの蝙蝠はルークに渡していたはずだ。何かわかったのだろうか。

内容は・・・


『前に言った悪魔王を名乗る者が移動を始めた』


そういえば言っていた。完全に忘れていたが、まあいいだろう。俺が気にすることはない。

ん?まだ続きがあるな。


『行き先はウィーン帝国だと思われる』


・・・何でだよ!?

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